カナダ・トロントの生活も落ち着き、一段落ついたので、旅に出ることに。
トロントからオタワへ
日本出発前にお世話になったNOVAの先生兼友人で、先に帰国しオタワの実家に住んでいるLiseに会う旅。グレイハウンドバスでトロントのバスディーポを11:30amに出発、オタワに16:40頃到着。
途中、道路沿いに川~湿地帯があり、そこでビーバーダムを見れたのがラッキーでした。バス旅行の地続き観光ならではの風景です。
オタワの刑務所ホステル
オタワ到着後、早速、予約していたホステルにチェックイン。ふつう、日本人バックパッカーはオタワには(退屈な行政都市なので)1週間も泊まらないらしいのですが、私は観光+友人に会うという目的もあったので、余裕をもって1週間(7泊8日)の滞在予約。- HI Ottawa Jail Hostel(ホステル・インターナショナルグループ)
- 2003年5月3日~5月10日(7泊8日)宿泊
- HI会員C$19.95/日(weekly C$139.65)
- 所在地: 75 Nicholas St, Ottawa, ON K1N 7B9 CANADA
- URL: https://hihostels.ca/en/destinations/ontario/hi-ottawa
有名なホステル
このホステルは世界中のホステルの中でもかなり有名で、元刑務所を改築したホステル。また、カナダの中でも、カムループスの刑務所ホステル、ペンティクトンの銀行ホステルと並んで「カナダのオモシロ3大ホステル」の一つとも言われてます。
この建物は1862年に建てられ、1972年に刑務所は閉鎖。1973年からホステルとしての長い歴史を持つこの建物は、元刑務所の古い建物とはいえ、中はけっこう広々として、キッチン・ダイニングなどはきれいに改築されており、夜は足を投げ出して、ゆったりとした時間を過ごすことができました。
館内ツアーも人気(名物)
夜は19:00頃からJail TourというのをC$5でやってました。「まんま」保存されている結構リアルな独房や8階にある絞首刑台などを観に行く肝試し的な刑務所館内ツアーです。オタワ中心部ですごくロケーションがよく、スタッフもみんな親切でした。ホステルの中にもインターネット設備はありますが、すぐ近くにも安いネットカフェがあるので、旅行者にはとてもお勧めです。
牢獄部屋が有名だが普通の部屋もある
元刑務所であることを存分に活かした鉄格子の囚人部屋が有名で、そこに泊まりたくて、世界中から宿泊客が殺到するホステル。日本人宿泊客も多い
日本人宿泊客も多く、自分も鉄格子部屋のドミトリーにステイしたかったのですが、なぜか普通の部屋のドミトリーにアサインされてしまいました。しかも4人部屋でなぜか日本人が私を含めて3人が同部屋になることに。(→こんな感じの部屋でした。私が滞在した時よりも床とか随分綺麗になってますが。)後でわかったのですが、どうやら私より前からステイしていた日本人の男性(おじさん)が、監獄部屋のドミトリーにステイしていたんですが、そこが寒くて暗くて、フロントに文句を言って部屋を変更するよう申し出たらしく、「なんか日本人うるさい、クレーマーだ。もう日本人は同じ部屋に押し込めちゃえ。」みたいな感じで日本人だらけのドミトリーになったみたいです。
牢獄ドミトリーの感想
私が泊まれなかった牢獄のほうのドミトリーですが、そこにステイしていた日本人(多くは女性)の方々の宿泊している感想は2つに割れていました。ポジティブ派
1つは「すごく快適だった」という感想。これは全体の感想の6割くらいを占めていました。ネガティブ派
一方で、マイナス意見の方もおり、- 「薄暗い監獄部屋のベッドで、何かがあちこちにいて(暗くて何の虫かよく見えず怖いらしい)、毛布にはダニがいて、正体不明の虫にも刺された。とても快適とは言い難い。」
- 「天井が高くて暗くて寒かった(空間容積が広くて暖房の効きが悪い)。」
- 「不気味でもう泊まりたくない。」
- 「ベッドに柵がないので、寝てる最中に落ちないか不安だった。」
もちろんアサインされたベッドにもよると思いますが・・・「ホステルの毛布でダニ」はよくある話で、私もイギリス・ロンドンなどのホステルの毛布でやられました。毛布をかけたお腹周辺だけ、翌朝噛まれた跡で真っ赤っかに・・・。
牢獄部屋にアサインされなかったことが幸いしたのか、この刑務所ホステルの感想は前者の「快適だった」派で、私はダニにはやられませんでした。ただ、2段ベッドの私の上にアサインされた、ドミトリー同室の唯一の白人さん(肥満中年)のイビキと寝返りのベッドのキシミがすさまじくうるさかったのがハッキリ覚えています。
どうしても監獄部屋に泊まりたくない人は、私が泊ったような、刑務所内の一般の部屋をドミトリーにしたROOM(いわゆる普通のホステルのドミトリー部屋)を(満室でなければ)予め指定して宿泊することもできます。
広々としたダイニングの思い出
この刑務所ホステルは地下のキッチンやリビング、ダイニングルームもとても広々としていて、私はここで夜は足を投げ出して、各国から集った人々の、それぞれのクッキングや食事風景を見ながら、会話したり、余った食事をもらったりしながら(←貧乏旅行の極み)、ガイドブックを読んで次の日の観光プランを立てたり、日記を付けたりを日課にしてました。カナダのホステルでの「あるある」で、カナダと言えば、ドーナツとコーヒー。誰かが自分達が食べきれなくなったドーナツをたくさん、「ご自由にどうぞ」的に箱ごとキッチンに置いといてくれて、それをたらふくいただいた夜もありました。
私がステイ中は、日本人が少なくとも7,8人は泊っていたので、みんなでカレーライスを作って食べたりもしました。
ゆったり過ごしたここのホステルでの滞在中は、すばらしい出会いがたくさんあり、その後の私のホステルライフの礎になった気がします。
消えた日本人の若者
いろいろな出会いがあった中で、1つ、今でも気になっているのが、ワーキングホリデー中の日本人青年男性(20代中盤ぐらい?)。何やらオタワに来る直前?あたりに旅の途中でデジカメやらお金やらガイドブックなど貴重品一式を盗まれた(置き引きされた?)らしく、かなりのショックで落ち込んでおり、このホステルの食堂で、他の日本人みんなと励まして、手料理をおごってあげたりしました。しかし、その若者は翌日には挨拶もなく消えて(チェックアウトして)しまっていました。あの青年はその後どうしたんだろう・・・と、このオタワの刑務所ホステルを思い出す時、このホステルで出会った人々を思い出します。
オタワ・・・行政都市&川の街
で、オタワはといえば、カナダの首都であることから行政都市。議事堂やらいろいろな行政施設が集中しています。アメリカでいえばワシントンDC、オーストラリアでいえばキャンベラ的な位置づけの都市であり、行政メインなので、ある意味、退屈な都市ではありますが、リドー運河やオタワ川、セント・ローレンス川などを中心に形成された美しいリバーシティ。いちいち景色が綺麗で、とんがりコーンみたいな建物が必ず視界に入るような感じ。
このリドー運河、冬は何kmにも渡って天然のスケートリンクと化し、スケート通勤・通学している姿が動画サイトでもたくさん確認できます。
フランス語の香り
ここオタワは、カナダにおいて、物理的にフランス語圏と英語圏の境にあるということで、カナダの首都になったわけで、トロントと同じオンタリオ州にありながらも、トロントよりも街の景色や雰囲気に欧州色が感じられます。実際、オタワのリドー・センター(Rideau Centre)の本屋で立ち読みしていたら、フランス語を話すジモピーの女性らにすれ違ったり、町中のいろんなところでフランス語が聞こえてきました。西のトロントよりフランス語率は高く、かといってさらに東のケベックほどではない(カナダは東に行くほどフランス語率が高まる)といった感じでした。
ケベック州との州境を楽しむ
【ケベックとの州境のアレクサンドラ橋(Alexandra bridge)にて越境】
そういえば、私の初めてのケベック州入りは「徒歩」でした。オンタリオ州のオタワですが、オタワ川を挟んだ対岸はケベック州になります。
単に州を越えるというより、オンタリオ州からケベック州入りすると、フランス語圏が強まるので、「別の国に入国」するように感じられます。
対岸のケベック州 ハル(Hull)は、基本、何もない街ですが、カジノとカナダ文明博物館(Canadian Museum of Civilization)があり、16:00から無料になるということで、ホステルで知り合ったMisaさんやSeijiさんらとカナダ文明博物館に行きました。
世界をあちこち旅して分かったんですが、「カジノがある」ということは、逆にいえば「他に見所はあまりない街」っていうパターンが多いです。何もないからカジノを作って集客する、みたいな。アメリカのラスベガス典型例です。砂漠しかありません。
ここも同じで、オタワはいろいろありますが、橋を渡ってハルに入った途端、何もなくなります。殺風景な感じ。
オタワと言えばチューリップ祭り(Canadian Tulip Festival)ですが、私が訪れた時はまだチューリップは咲き始めといった頃合いでしたが、それでも少しチューリップを見れたのはラッキーでした。
ちなみにオタワは中国語の当て字で「渥太華」と書きます。フランス色が比較的強いオタワにも中国系移民はたくさんいて、このオタワに限らず、カナダ滞在中は至るところで「漢字(中国語)」を目にすることになります。「基礎中国語会話」の本も持参するとカナダ生活はより楽しめるかもしれません。
そんなオタワで7日間を過ごし、日本でお世話になった友人に会うというこの旅の第一目的も達成したので、とりあえず一旦、トロントにもどることに。
全体的にオタワは「イギリス・ロンドンを綺麗に広々とさせて人を間引いた感じ」で、落ち着いた、大人の街でした。