万引きGメン(私服警備員)の見分け方

2021/06/05

日本

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先日、たまたま同日に2件、万引き犯が捕まるところを目撃しました。

万引き犯の取り押さえ現場2件

1.スーパー

1件は夕方頃、西友の店の出入口で、おじさんが万引きGメン(私服警備員)らしき男性に取り押さえられ、地面に顔を押し付けられ周りは野次馬に取り囲まれ、騒ぎになっていました。ここまで強く取り押さえられるということは、おそらく逃げようとして警備員に暴力をふるうなど何か抵抗したものと思われます。

ふつう万引きGメン(私服警備員)は、最初からここまで強く取り押さえません。店を出た瞬間にそっと背後から忍び寄って「お声掛け」をし、その後、逃げないように犯人の背中や腰部分(肩掛けバッグの紐部分や腰のベルト部分)をそっとつかむだけ、なのが常套だからです。

2.コンビニ

もう1件はその日の夜、セブンイレブンの出入り口にて。ホームレス風の初老の男性が、セブンイレブンの外国人店員2名に、これまた羽交い絞めで地面に強く押さえつけられていました。野次馬通行人が「どうしたの?」とその店員に声をかけたところ、店員はスナック袋1つを掲げて見せていました。

コンビニでこういう感じでつかまる、ということは珍しいので、おそらくかねてから万引き常習犯としてこの店でマークされており、この日もこの初老の男性が入店した時点から、店員が警戒していたに違いありません。

万引きGメン(私服警備員)の見分け方

そんな感じで、万引きやそれを取り締まる万引きGメン(私服警備員)は、我々の日常の身近なところに存在しているわけですが、私もスーパーでの買い物がてら、たまに「万引き犯当てごっこ」や「万引きGメン(私服警備員)当てごっこ」をして楽しむことがあります。

「万引きをする人」は挙動不審で結構分かりやすいですし、万引きを扱った「密着!24時」系の特集・番組が定期的にTVで放送されているので、ここでは割愛し、万引きGメン(私服警備員)について私が気付いたこと(見分け方)を述べてみたいと思います。

1.カモフラージュした買い物かごの中身

一般のお客さんを装うため、万引きGメン(私服警備員)は買い物カゴを持って店内をうろうろしていますが、そのカゴの中身を見れば、一目瞭然のことがあります。特徴としては、

  • 重い物(2リットルの飲料水、瓶類など)
  • 傷む物(冷凍もの、生もの、壊れやすいもの)
  • 大きな物(長ネギやゴボウなど、カゴからはみ出す、目立つ、邪魔になる物)

は絶対にカゴの中には入れていません(逆に上記のモノを入れている人は私服警備員ではなく一般の買い物客である可能性が高い、ということです)。

長時間、店内を動き回って警備するため、長時間持ち歩いても無難な物しかカゴに入れません。例えばパックに入った鰹節とかカップラーメン、紙皿など日用品といった、軽く、揺すっても振っても壊れない/痛まないものだけをカモフラージュとして買物カゴに入れています。

また、「買い物」ではなく「人の監視」に集中しているため、5分、10分経ってもカゴの中身がほとんど増えないので、すれ違い時に、買い物カゴをのぞけば、万引きGメン(私服警備員)である(可能性が高い)ことがすぐに分かります。

ちなみに、スーパーの店内にて、買い物途中のような、商品が入ったまま持ち主不在で床に放置された謎のカゴを見かけることがありますが、これは、万引きGメンが店の外に出た万引き犯を追いかけるために、その場にひとまず置いていったカモフラージュ買い物カゴである可能性があります。

2.男性が多い

冒頭で述べたように、取り押さえ・暴力沙汰に発展するケースも多いので、万引きGメン(私服警備員)はやはり男性が多いです。女性もいますが、7:3か6:4の割合で男性が多いように見受けられます。

女性の万引きGメン(私服警備員)の場合は、婦人服やコスメ売り場とか女性が多いセクションに配属されていることが多いようです。

3.運動靴など動きやすい恰好をしている

万引きGメン(私服警備員)は、店内を長時間ウォーキングしなければなりませんし、万引き犯が店を出た途端、走り出して逃げることもあり、それを追いかけられるように、だいたい万引きGメン(私服警備員)は運動靴など動きやすい靴を履いていることが多いです。サンダルを履いている人はまずいません。素足でスリッパであれば、それは間違いなく一般客です。

また、恰好も動きやすい(走りやすい)恰好をしています。逆に大きなリュックサックを背負っていたり、スーツを着たり、高いヒールを履いた万引きGメンは、ほとんどいないでしょう。

取り押さえる際に、犯人をケガさせてしまってはいけないので、アクセサリー類もほとんど身につけていないことが多いです(つまり、地味・・・派手ではない)。

そして捕獲した後、犯人を警察に突き出す際に必要な、書類と筆記具一式を収納したサイドバッグのようなものを携帯していることが多いです。男性の場合は上着の内ポケットなどにまるめて書類を入れている場合がありますが、特に女性の万引きGメン(私服警備員)は地味な服装と、サイドバック(ショルダーバッグかウエストポーチ)が特徴的なように感じます。

4.遠くで目が合う

前述のように、万引きGメン(私服警備員)は商品ではなく、「人」を見ているので、こちらも人を見ていると、目が合う確率が高いです。

特に遠くを見た時や棚越し(陳列棚の上越し)に、目が合えば、万引きGメンである確率が高いです。なぜなら一般客は、店内で遠く(例えば10m以上先など)にいる人を見ることはほとんどないからです。

一般客の場合、近づいた時(すれ違う時)などは目が合うことはあるかもしれませんが、逆に万引きGメン(私服警備員)の場合、近くでは目をそらす傾向があります(バレるのを恐れるため)。万引きGメン(私服警備員)は目を合わせないよう「そ~っと」近づいて、万引き犯が手に持っている物やカゴの中身を確認します。

5.定位置は角(陳列棚の端)

スーパーなどはだいたい長い陳列棚で何列かで区切られていますが、万引きGメン(私服警備員)はその陳列棚の端に隠れながら、犯人を監視していることが多いです。
私服警備員の居場所

つまり、定位置は陳列棚の端で、そこから棚の遠くのほうを見ている人がいれば、万引きGメン(私服警備員)である可能性は高いです。

あと、もし自分が万引き犯だと誤解され、マークされているように感じた場合は、試しに急ぎ足で店内の端から端まで歩いてみるとよいでしょう。その怪しい人物も端から端まで距離を保ちながら尾行してきたら、それが万引きGメン(私服警備員)です。

6.長時間いる

ふつう、スーパーなどでは、一般客の店内滞在時間は10分からせいぜい30分程度以内です。つまり、20~30分以上経っても、同一人物が店内にいれば、それは万引きGメン(私服警備員)である可能性が高いということになります。

あと、人を疑いの目で見続けているので、万引きGメン(私服警備員)は目が鋭い(顔が自然と険しくなっている)ことが多いです。元警官で訳ありで現在はこの仕事に就いている人がいたりするのも、目が鋭い(人相が険しい)人が多いことの一因になっているのかもしれません。

万引き やめるなら今のうち

以上、万引きGメン(私服警備員)についてあれこれ書いてきましたが、「万引きをやめるなら今のうち」です。

理由1:捕まる確率→→→→→100%

なぜなら万引きは捕まるまでやってしまうので、結果、やればやるほど万引きで捕まる可能性は100%になるためです。

万引きで捕まらない方法は、これまで運よく捕まったことが無い人が(反省をして)今すぐ足を洗う(二度としない)ことです。そうすれば今後はもう捕まることはないでしょう。

万引きは足の早い事件」と言われています。

つまり、現在でも基本は現行犯逮捕ですし、後日逮捕のケースでも、逮捕されるなら3~6ヶ月程度以内が通常です。(但し、物や状況にもよります。高額商品や特定されやすいものをネットで転売しようとしたケースなどでは、数年後でも逮捕されるケースはあります。また、前科・前歴ある人は、すでに警察にデータがあり照合しやすいので後日逮捕となる確率が高くなります。)

通常は2.3ヶ月~6ヶ月経っても音沙汰がない場合は、捜査はされていない(もしくは止まっている)状態なので、十分に反省をして、もう二度としないことです。
万引きの時効は7年なので、「丸7年間」経過すれば、8年目には時効となります。

理由2:人間がA.I.に捕獲される時代に

特にこの5年ほどで、防犯カメラの画像解像度やデータ容量が上がり、かつA.I.(人工知能)による処理能力が格段に上がったので、万引き犯はどんどん捕獲しやすくなってきています。

店内インで警報

例えば、過去にその店で万引きしたことがある人をデータ上、登録しておけば、その時は捕まえられなかったとしても、次回の来店時に店内に入った瞬間、防犯カメラでA.I.が捕獲し、警備室で警報を鳴らし、警備員がその人物を重点的に監視することで、万引き犯の捕獲率が格段に上がってきています。

ドン・キホーテなどもこのシステムを採用しているようで、入口正面の監視カメラでまず入店する客全員をチェック。過去の万引き犯との照合が一瞬でなされ、該当者が店内にいる間中、私服警備員または制服警備員が徹底的にその人物をマークする、という形です。

先日、ドンキの店内で、制服警備員が、特定の人物を3~5mくらいの至近距離で徹底的にマークして圧を掛け、店外に無言で追いやるような光景を目にしました。ドン・キホーテは「万引き撲滅宣言!」と店内に掲示しているように、もう万引きをする前に、ともすれば商品を何か手に取る前に、店の外へ追い出してやる、という感じに見えました。

すでにこれと同じようなシステムを最近 導入した店は、たくさんあると見られます。

「微振動」で万引き犯を予測

また、その店で万引きの前歴がなくても、A.I.が防犯カメラから、万引きを犯す可能性がある人物を即座に特定し、警報を鳴らす、というシステムもすでに稼働しています。

万引き犯は何やら特有の「微振動」を発しているそうで(←セキュリティ会社の企業秘密)、その微振動をA.I.が検知して、万引きをする前から警報を鳴らす・・・つまり「未来の犯罪者(犯罪行為)を予測する」という映画「マイノリティ・レポート」のようなSFな世界がすでに到来しています。

その「微振動」は、万引きをする前後だけでなく、その人物が店内に入ってきた瞬間からずっと発している特有のもので、人間はコントロールできない(隠せない)ものとのこと。

店内の警備員は、そのA.I.が知らせた人物を重点的に監視し捕獲すればよいので、万引きはますます難しくなってきています。ですので「万引き やめるなら今のうち」なのです。

人間が捜査しなくてもAIが照合してくれる

映像(画像)の解像度も上がり、街中の監視カメラも増える一方なので、あとはその映像をA.I.が照合すれば良いだけの時代になってきています。

警察はお店から被害届と映像(画像)を提出してもらい、後は街中、特に公道の監視カメラの画像とをA.I.に数分程度、照合させるだけで、簡単に犯人の自宅までトレースできるようになっています。

現在のところは、専ら重大犯罪に採り入れられている捜査方法ですが、今後は、軽犯罪にも導入されるようになってくるでしょう。実際、先日もドラッグストアで万引きしたベトナム人が、トレース(追跡)され、後日、勤務先のホテルで逮捕された、というニュースが報道されていました。ですので「万引き やめるなら今のうち」なのです。

変装しても無駄

A.I.の発展は驚異的で、今はもうフルフェイスのヘルメットをかぶっていても、個人を特定できるようになっています。なぜなら指紋が一人ひとり違うように、人によって歩行の癖(歩幅や速度)、身体の特徴(姿勢の微妙な傾きや体の歪み、左右の肩の非対称具合、首~腰~の長さの比率)・・・その他諸々の癖や特長が異なるためで、その違いを画像解像度と処理能力の向上に伴いA.I.が瞬時に識別できるようになっています。

そのため、マスクやサングラス、帽子で顔を隠していても無駄で、個人を簡単に特定されてしまう時代になってしまっています。ですので「万引き やめるなら今のうち」なのです。

お店はまわりくどい警告は止めるべき

ということで、将来的には私服警備員の仕事も効率化され、それほど人数も必要なくなってくる・・・ともすれば万引き自体が不可能になってくる未来がやってくるのですが、まだ今現在では、スーパーなどでは以下のような店内放送を聞くことがあります。

当店では、お客様に安全・安心にお買い物をご利用いただくため、私服警備員を巡回させています。お手回り品にはくれぐれもお気をつけくださいますようお願い申し上げます。

この放送がとてもまわりくどいと感じます。

明らかに一般のお客さんの安全のためではなく、専ら万引きという「店側の被害防止」のために私服警備員を配置しているのは明白なので、「防犯上の理由で私服警備員を巡回させています。」とだけ単刀直入にアナウンスしたほうが潔いし、そのほうが万引き犯には効果的です。

万引きをする人というのは、どこまでも自分都合で物事を解釈する傾向があるので、「お客様に安全・安心にお買い物をご利用いただくため」とか、「身の回り品にはくれぐれもお気をつけください」とかアナウンスすると、「あ、万引きじゃないんだ、スリかなんかのための警備ね。」と自分勝手な解釈をして万引きに及んでしまうので、このまわりくどいご丁寧すぎるアナウンスは効果がないのです。

コロナ禍のステイホームで、スーパーと自宅しか行き来していないので退屈、という人もいるようですが、スーパー1つとっても、このようなスリリングな世界が広がっていますので、「今見ているのに見逃しているモノ」に少し焦点を当てるだけで、退屈する暇はなくなるでしょう。

この世の中は、とても刺激に満ちあふれています。

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