突然、γ-GTPの数値が299になり、その意外な原因がわかり、数値を正常範囲にもどすことに成功した私の体験談です。
どなたかのご参考になれば幸いです。
γ-GTPって何?
γ-GTPとは、「ガンマ・ジーティーピー」と読み、「ガンマ・グルタミル・トランス・フェラーゼ」の略で、血液検査などで「肝臓の機能を測る数値」の項目です。これまでとγ-GTPという単語の存在さえ気にしたこともなかったのですが、年に1回の健康診断で、ある年、突然、γ-GTPが299(u/l)になっていることがわかり、医者に至急、精密な検査を受けるよう言われて焦りました。
これまでの数値は、その前年は25(u/l)、その前々年は23(u/l)でいずれも正常範囲内(55以下)でした。
何かの間違いかと、その健診から約3週間後にまた採血検査をしてもらったのですが、その時もγ-GTPは212と異常な高値を示していて、どうやら私のγ-GTPが高いのは間違いでもなければ、一時的でもないらしいことはわかりました。
γ-GTPは、閉塞性黄疸や肝炎、アルコール性肝障害などの疾患を原因として数値が上昇することが多いとのことで、一般的な原因は、お酒の飲み過ぎ、薬などが影響していることが多いらしいとのこと。
しかしながら、私はお酒はまったく飲みません。年間通じてほぼ一滴も。タバコも吸わない。ドラッグもやらないし、日常服用している薬もなし。
・・・と医者に告げたのですが、医者は「いや、アルコールだ、いや、薬のせいだ」と医学の教科書に載っているであろう通りのマニュアル回答の一点張りです。ドラッグを服用しているように見られているようで、なんだか腹が立ちさえしました。
自分で調査する
そこで数値が正常だった前年までの生活と、この数値が上がった年との生活を徹底的に紙に書きだして、比較してみました。食生活も仕事のスタイルも睡眠時間も、ストレスも前年比であまり変化はなし。
ただ、唯一、これまでと最近とで劇的に変わっていた点がありました。
ランニング(ジョギング)
それはランニングの量(距離)を増やしたこと。私は元々 運動が好きで、学生時代の部活から始まり、社会人になってもスポーツジムにン年以上、通い詰めているのですが、前年の健康診断で、若干コレステロール値が高かったため、前年以降その健診の日までの約1年間、ランニングマシーンでのランニング量を増やし、ほぼ毎日週6以上、1日10kmを1時間で走る(平均時速10km)のを日課にしていました。
走ること自体はきつくもなく、むしろ快感で、体感的な体の調子はすこぶる良好でした。
心当たりのある唯一の生活変化がそのランニング。
医者は当てにならない
よって医者(総合内科)に、「ランニングが原因ですかね?」と相談するも、医者いわく「いや、走ることはむしろ肝臓にいいはず。」の1点張り。実際、その時、肝臓の腹部超音波検査(腹部エコー)をしてもらったのですが、肝臓自体はとても綺麗な状態で、ランニング効果か、コレステロール値などは正常範囲に収まっていました。
ランニングを止めてみたら・・・
医者はひたすらアルコールやら、薬を疑い続けるだけだったので、一旦、受診は中断することにし、試しにランニング量を減らし、ウォーキング中心に変えてみました。その2週間後。(血液検査だけで病院を受診すると5000円くらい取られてしまうので)街の献血を利用することにしました。献血では、病院の血液検査と同等の生化学検査結果を知らせてくれるので。
その献血の検査結果を見たところ、γ-GTPの数値は30(u/l)の正常数値範囲内にすとーんと落ち着いていました。たった2週間程度で。
ちなみにランニング以外の筋トレメニューや食生活、仕事のスタイル、睡眠時間等は変えていません。
やはり私のγ-GTPが高かった原因はランニングだったのです。
なぜランニングが数値を高めるのか
なぜランニングするとγ-GTPが高くなるのかの原因は不明ですが、「その人にとって」「過度のランニング」というのは、何かしら肝臓なり腎臓なりに負担を与えるものらしい。うわさによると、マラソン選手のこの辺りの数値はボロボロらしい。
その他、ネット上には、1件だけですが、同じくランニング(ジョギング)でγ-GTPの数値が上がった、というブログも見かけました。その人いわく、「ランニング・ハイ」な状態が、飲酒で酔っ払った状態と同じなのではないか、との推測を立てていましたが「ランニングハイ」説の真偽のほどは定かではありません。
ただ、私の体感としては、自分がふだん食事で取っているカロリー(エネルギー)と同等か、それ以上のカロリーをランニングで消費してしまい、エネルギーが枯渇気味になり、肝臓がエネルギーの元となる脂肪を必死にため込もうとし、脂肪の数値であるr-gtpが上昇したのでは・・・という仮説が頭に浮かんでいます。
結論
γ-GTPが高くても必ずしも肝臓が病気というわけではない
上記のように、γ-GTPが高くても必ずしも肝臓が病気というわけではありません。自分にとっての適度な運動量を知るべし
これは個人差があることなので、誰にとっても「ランニングが悪い」というものでもなければ、「10kmの距離が悪い」というものでもないでしょう。ただ、「私にとって」は「毎日の1時間10kmのランニングがよろしくなかった」というだけのことです。ランニング(ジョギング)自体は「悪」ではありません。といっても走ること、体を動かすことは好きなので、現在では1日2-4kmのウォーキング(時速6.2km程)+2kmのランニング(時速9.0km程)の計6km以内に抑えた運動は毎日おこなっています。それが「私にとっては」適度な運動らしい。体感的にはじわっと汗がにじむ程度。
確かに、1日10kmのランニングの時は、大汗をかいていました。爽快ではあったものの、それは「私にとっては」日々の「適度な運動」には当たらなかったようです。
ウォーキング中心、「体にじわっと汗がにじむ程度」(いわゆる適度な日常的な運動)に切り替えてからは、この3年間、γ-GTPが異常高値を記録することはなくなりました。
この私の経験から思うに、もしお酒飲みの方が、γ-GTPの数値を指摘され、一念発起して過度に運動や、ランニングやジョギング等を突然始めた場合、逆にγ-GTPの数値を高めてしまう可能性もあるのではないか?ということです。
それにしても医者もピンキリで、あまり頼りになるとは言えない・・・とは年を取れば取るほど感じます。医者もただの人間で、神様ではない。こちらの知識や経験が医者を上回ることもあるようです。最終的には、自分の体のことは自分で責任を取るしかなく、原因究明も自分にかかっていることが多い とこの件でも感じました。
γ-GTPが異常な時のチェックポイントまとめ
飲酒や薬など肝臓にダメージを与えることに思い当たるふしがない場合は、以下のポイントをチェックしてみるとよいでしょう。- 激しい運動をしていないか?
ランニングや筋トレなど激しい運動をしていないか?をまずチェック。運動を止めてみて、2,3週間後にγ-GTPが下がっていれば、それはその運動が原因。運動が原因な場合は、肝臓が悪くなっているわけではない(むしろ健康である)ので安心ですが、但し、γ-GTPが常時高い状態だと、万が一、運動以外で肝臓が悪くなっている時に気づかず手遅れになってしまう場合があるので、適切な運動レベルに落としておくにこしたことはありません。 - タンパク質を取り過ぎていないか?
運動する人に「あるある」ですが、プロテインなどタンパク質を運動後にたくさん摂取することがあると思います。しかし、タンパク質を多く取り過ぎると、血液が濃くなり、腎臓や肝臓の数値が異常をきたすことがあります。腎臓や肝臓は「ろ過」装置なので、タンパク質をろ過し、体外に排出するのに腎臓や肝臓がアップアップしてしまうからです。タンパク質の1日の摂取目安は決まっているので(例えば体重60kgの人は0.8掛け・・・60×0.8=48・・・で1日48gなど)、自分に合ったタンパク質の摂取量を調整したほうがよいでしょう。特にザバスなどのプロテインと、ヨーグルト、納豆、豆腐などをふだんから食事で取っている人は、タンパク質が過剰になりがちです。 - 水分が足りているか?
運動中、運動前後の水分摂取量が少ないと、腎臓や肝臓に負担を与え、γ-GTPなどの数値に異常をきたすことがあります。前述2と同様に、腎臓や肝臓は「ろ過」装置なので、水分が足りないドロドロの濃い血液を「ろ過」し続けるのは臓器に多大な負担を与えます。体重や体質など個人差はありますが、例えば1時間の運動をする場合、一般的に、「運動前にコップ1杯、運動前後に1リットル」の水分を取る必要があると言われています。
いずれも個人差があることですが、どなたかの参考になれば幸いです。
追記
この記事をお読みくださった方から、以下のようなコメントをいただいたので、ご参考までにご紹介します。この記事が大変役立ちました。
私は1年半前の人間ドックで、ガンマgtp が429であったため要精密検査と指導されました。当時、会社の駅伝大会出場に備えて、ほぼ毎日トレッドミルで走っていました。メニューは5〜6㎞で、スピードは時速14㎞と速く、約20分間ほぼ全力で走り続けていました。私は、週2回程酒を飲みます。
精密検査ではガンマgtp が約250であり、医師の診断は暴飲暴食が原因だというものであり、ランニングが原因ではないかと聞いても、私のランニング距離では原因になり得ないとのことでした。ちなみにその医師は、肝臓病についてはトップレベルの医療水準を誇る●●●病院の肝臓内科の専門医です。
私の場合も、医師の診断に埒が開かなかったので、ランニングの距離は変えず、速度を時速10㎞まで落としました。以前は、走り終わったらシャツが汗でべっとりし、大粒の汗がボタボタ落ちる程の大汗をかいていましたが、変更後は、シャツに汗が少し滲むくらいになりました。そうした生活を3か月程続けた後、ガンマgtp は67に落ちました。まだ適正値を少し超えていますが、私は飲酒をしますので、これからは酒との付き合いを考えていきたいと思っています。
異常値が出た最初の頃、たまたまこのブログを発見して良い情報が得られ、大変心強かったです。ありがとうございました。
貴重な情報シェア、ありがとうございます。私も走る以前はγGTPの基準値を意識したことがありませんでした。本格的に走り始めたここ3年は200を超えることが多いですが、酒量を落として再検査すると80くらいまで下がるので、「大丈夫」と医者に言われてます。サプリ・コーラ類を控えるほかは特に指示受けてません。
γGTPが高いだけで他の肝機能に関わる数値が問題無ければ、走る距離を戻しても良いのではないかと思います。
私も同じ症状でした。その時は、毎日5km走り、週末は10km走る時もあり、急にγ-gtpが、300まで上がりました。その時の医者の説明では、エネルギーが枯渇し、肝臓が、脂肪をため込もうとし、脂肪肝(わたしは、脂肪肝で医者から糖質制限の食事療法で治療中です)が悪化し、脂肪肝のマーカーでもあるrgtpが上昇したのではということ。
医者からランニングを控えるように言われ、控えたあとで、検査を受けると、下降の傾向が見られたため、やはりランニングが原因ということになりました。
大変参考になりました。小生アルコールは少々いただきますが、ここ一年は極めて節酒にもかかわらず全く同様です。ただジョギングがどうしてもやめたくないので、困ってます。