ロッキーの銅像の変遷とフィラデルフィア美術館の階段

2003/07/11

アメリカ

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09:10amフィラデルフィア到着、09:30amにホステルにチェックイン後、早速、フィラデルフィアの街へ繰り出しました。

フィラデルフィアといえばロッキー・バルボア


私にとってフィラデルフィアといえば、シルベスター・スタローンの映画「ロッキー」シリーズがまず頭に浮かぶので、今回は、あちこち観光しつつも、ロッキー関連
  • ロッキー・バルボアの銅像
  • ロッキーが駆け上がったフィラデルフィア美術館の階段
がメインになります。

実は、私が訪れた時は、ロッキーの銅像はフィラデルフィア美術館にはなく、ダウンタウンから地下鉄で5,6駅ほど離れた、Philadelphia Spectrumのほうへ移設させられていたので、(経済的・治安的にあまり乗りたくもない)地下鉄に乗ってわざわざ銅像だけ観に行きました。

ダウンタウンからは地下鉄Orange Broad St. Lineに乗って南下、終点のPattison(NRG)下車です。

電車はほとんど誰も乗っていません。下車した駅もほとんど人はおらず。ましてやアジア系は私だけで、他は黒人さんがちらほらいるだけ。

駅を出て東へ歩いて1,2分のところにあるスペクトラム・アリーナの、入口のところにひっそりとロッキーの銅像はありました。


相変わらず周囲に人はだ~れもいません。

なぜここのアリーナにロッキーの銅像が置かれたかというと、ここは映画の中でロッキーvsアポロの試合が開催された場所だからです。
しかし、このアリーナも2009年には閉鎖され、2010年には取り壊されてしまい、今は駐車場になっています。
このスペクトラムのアリーナについては
https://www.wikiwand.com/en/Spectrum_(arena)
のサイトが詳しいです。
アリーナとロッキー像。どちらもこの場所から消えてしまったので、今となっては貴重な写真かもしれません。

この銅像は、ロッキー1・2の頃のスタローンではなく、ロッキー3以降の、ボディビルを始めてからのスタローンの体型をモデルにしているようです。顔は似ているかは微妙ですが。

私が思うに、スタローンはロッキー1(1976年)と2~ランボー1(1982年)の頃までは、アカデミー主演男優賞を狙っていたと思います。ロッキー1ではアカデミー作品賞と監督賞は取りましたが、スタローンはノミネートだけ。ランボー1の最後の泣きじゃくるシーンなどもアカデミー賞を意識していたように感じさせます。その後はあきらめたのか、商業主義・タカ派路線を進むようになったように思います。

ロッキーの銅像の設置場所の変遷


ロッキーの銅像は、ずっとフィラデルフィア美術館に設置されていたわけではなく、これまで転々としてきました。しかも、実はロッキーの銅像は3体あるようで、1つはコロラドのSchomburg Galleryに、もう1つは2017年12月にシルベスター・スタローン自身がオークションに出品されていたものを落札し、スタローンが保管しているようです。

  1. ロッキー3(1982年)の撮影時、フィラデルフィア美術館の階段上の所に置かれていた。
  2. 撮影終了後、美術館側と議論が巻き起こり、ロッキーの銅像は「アートではなく、映画のプロップだ」ということで、Philadelphia Spectrumに移動させられた。
  3. ロッキー5(1990年)の撮影のために一旦、フィラデルフィア美術館にもどったが、撮影終了後、またPhiladelphia Spectrumに戻された。
  4. 2006年9月にフィラデルフィア美術館に戻されて正面右手前に設置され、現在に至る。

ということで、現在はめでたくフィラデルフィア美術館にロッキーの銅像は戻ったわけですが、美術館の正面の階段の上ではなく、少し外れた正面右手前の植え込みのゾーンに設置されていることからも、今現在も、美術館側と、フィラデルフィア市及びロッキー側とで、微妙な距離感がこの設置場所に現れているように感じます。

→2019年現在のロッキーの銅像の設置場所と背後にあるフィラデルフィア美術館(ストリートビュー)

やはりロッキーの銅像は、映画の中のロッキーと同じように、人々に囲まれているのが一番、似合う気がします。

いずれにしても、観光客は訪れやすくなりました。現在ではロッキー・ステップ(美術館の階段)とワンセットで訪問することができ、銅像の前にはいつも観光客が群がって記念撮影しているような状態です。みんな触るので、ロッキーの銅像の腿から下のブロンズが剥げて茶色くなってしまっています。

銅像のアートとしての価値が上がったら(美術館側が認めたら)、将来的には、美術館の階段の上の「正位置」に、今度こそ移設されるかもしれませんね。

ロッキーステップ(フィラデルフィア美術館の階段)


銅像を見た後は、また地下鉄に乗ってダウンタウンにもどり、(いくつかその他の観光をこなしつつも)フィラデルフィア美術館へ向かい、ロッキーがランニングで駆け上がった「ロッキー・ステップ」を確認。
ここはそこそこ観光客がいて、映画「ローマの休日」みたいに、階段に腰掛けて一休みしていました。階段を登り切ってから振り返ってみると、ロッキーが子どもたちと走り抜けてきた道路が一直線にローガン・スクエアまで続いています。
そして日の丸が手前に掲げられていました。久々に街中で見る日の丸ですが、分かりやすく目立っていていいですね。

この後もフィラデルフィアの街を、徒歩で歩き回りました。(続く)

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