グレイハウンドバスの紛失荷物を自力で取り戻す

2003/08/08

アメリカ

t f B! P L
グレイハウンド・バスにたくさん乗車する回数に比例して、アクシデントも発生します。

今回は、グレイハウンドバスでのロストバゲージ(荷物紛失)のお話です。


CANAM PASS 45daysにて、北米グレイハウンドバス45日間の旅が始まってまだ間もない4日目のこと。

アトランタの観光を終えて、次の目的地ニューオリンズへ向けて、グレイハウンドバスに乗りこみました。

  • 8月8日 19:15 アトランタ発
  • 8月9日 05:45am ニューオリンズ着

8月9日:ロストバゲージ発覚

早朝にニューオリンズのバスディーポに到着し、バスを降り、アトランタでバス乗車時に預けたキャリーケースをピックアップしようと、バスのサイドで出された荷物の所に行くも、どうも自分のキャリーケースが見当たりません。

運転手に尋ねても、「これがすべての荷物だ。」ということで、念のため、バスの下部の荷物収納スペースの奥のほうまで見せてもらいましたが、自分の荷物は見当たらず。

ニューオリンズのバスディーポのカウンターにて相談すると、「もしかしたら次にアトランタからやってくるバスに積まれているかもしれない」ということで、そのままバスディーポで次のバスが到着する07:20amまで待ち、そのバスの荷物を確認するも、自分の荷物は見当たらず。

消えたソフト(布製)キャリーケース・二輪・もらいもの

このままバスディーポにいても仕方がないので、カウンターの係の人にロストバゲージの届け出をして、こちらの携帯電話の番号や名前、メールアドレスも伝え、係の人の名前もうかがって、とりあえずバスディーポを後にして、当初の予定通り、ニューオリンズの観光をすることに。

観光をしている間に荷物が見つかり、連絡が来ることを祈りながら。

1晩分の生活物資調達

幸い、ガイドブックや貴重品はすべて手荷物としてバス車内に持ち込んでいたので、最低限のことは何とかなります。
しかし、着替えの荷物類は紛失荷物の中にあったので、この日の着替えを、ニューオリンズの観光をしながら、適当な店を見かけては、シャツと下着類などを購入していきました。

それにしても何時間経ってもグレイハウンドバス社からは、連絡は来ず。

何度もグレイハウンドに電話する

夕方と夜にこちらから数時間おきに、グレイハウンドバスに電話をするも「まだ見つからない」の一点張り。

そしてなぜか電話越しの女性の係の人は「まだ見つからないのよ~♪」「まったくどこにもないのよ~♪」といつも明るく返答してくれる。元々明るいそういうノリなのか、それともこちらに同情して元気づけようとしてそんな感じにしてくれてるのか、それともいい加減で投げやりなのか・・・黒人特有のノリというかなんというか・・・

アメリカ映画でよく出てくる、電話にテキトーに応対する受付・事務員の姿が目に浮かびます。

とりあえず夜になったので、この日はニューオリンズのホステルにウォークイン(事前予約なし)で泊まることにしました。

8月10日:あいかわらず荷物は見つからず

一晩経って、ニューオリンズのホステルをチェックアウトし、River Walkで朝兼昼メシを済ませ、アトランタのグレイハウンドバス社に電話するも、またも「見つからない。出てきていない。」の一点張り。

仕方ないので旅程を変更して、自分で探しだすことにしました。

アトランタへ引き返すことに

具体的には荷物紛失地点であろう、アトランタに引き返すというプランを取ることにしました。


45日間という期間限定の周遊券なのに、この引き返しでの時間ロスは相当痛いのですが、仕方ありません。旅にトラブルは付き物(Travel and Trouble go together.)です。

そこで再びアトランタ行きの夜行バスに乗りこみました。

  • 8月10日 15:15 ニューオリンズ発
  • 8月11日 04:00am アトランタ着

アトランタ~ニューオリンズ間は最短距離で470マイル(約756km)、およそ東京から山口県ぐらいまでの距離を、荷物1つのためにバスで行ったり来たりしたことになります。

8月11日:荷物発見

早朝にアトランタに舞い戻り、早速、バスターミナルのカウンターに向かい、「その後、私の荷物は見つかったか?」尋ねてみると、相変わらず「まだ見つかっていない。」の1点張り。

荷物の保管所に行く

そこで、カウンターの奥のほうの、忘れ物や持ち主不明の荷物などが保管されている倉庫みたいなところに案内されました。


そこの倉庫(保管所?)には、数えきれないくらいのホコリをかぶった荷物類が、床一面、そして天井の高さまである棚にも積み上げられていました。
まるで持ち主不明?の荷物の墓場のようでした。

カウンターの、黒人男性の係の人に荷物の詳細を改めて伝えようとして、何気なく、その係の人の2,3mほど後ろに目をやったら・・・

すぐそこに私の荷物があるではないか!!!

「あなたのすぐ後ろにある、その黒いケースが私のです。」と告げ、「ああ、これか。」みたいなリアクションをされ、無地、荷物発見&引き取り完了。

私の荷物にはちゃんと名前と連絡先入りのタグが付けられていたにも関わらず・・・タグさえも確認してくれないのか・・・さすが、アメリカのサービス。

無事に見つかった私の布製キャリーケース

これもアメリカ映画で、よく主人公が敵地に乗り込んでいって、すべて自分で解決する、みたいなストーリーがありますが、それはまんざら嘘ではなく、アメリカではトラブルは自分が解決するしかないのか、と強く認識させられました。

私のように、自力で引き返して自分の目で確認できないような人の荷物は、永久に荷物保管庫に葬り去られてしまうのでしょう。

紛失した原因

今回、ロストバゲージが発生した原因は、主に次のようなことが考えられます。

アトランタのバスターミナルの構造

アトランタのバスターミナルですが、ちょうどこのGoogleのストリートビューでもバス2台が路上に映っているように、外の一般道でバスが2列に乗りつけて乗り込むような形。

  • Atlanta, GA Greyhound bus station
  • 232 Forsyth St SW, Atlanta, GA 30303 U.S.A.

バスが複数台、停車している時は、複数台のバスとその乗客が入り乱れてカオス状態になります。

よってバスに乗る際は、2つのバス間の路上に一旦、荷物を置いて預けるような形になるので、ロストバッゲージが発生しやすい構造になっているように思います。

対策

ロストバゲージ(荷物紛失)を防ぐ対策ですが、気休め程度ですが、以下のようなことが考えられます。

1.荷物を見届ける

なるべくバス乗車時に、預けた荷物を、ちゃんと車掌または係員がバスの荷物収納スペースまで入れてくれたか?を見届けてバスに乗る、または乗った車内から荷物がちゃんと車体下部に運び入れてもらえたか?を自分の目で見届けることをお勧めします。(しかしバス混雑時や座席位置によっては、いつもこれができるとは限りませんが・・・)

2.荷物をチェックインさせる

私が北米を旅していた当時は、同じグレイハウンド・バスでも、バス乗車時のシステムがけっこう、場所によってマチマチで、PASS(周遊券)をカウンターで提示しても、乗車券を発見してくれなかったり、荷物を申告しても登録してくれなかったり(タグをくれなかったり)と、いい加減(統一されていない)状態でした。

そのため、それぞれのバスターミナルのムニャムニャな慣習になびいていたのですが、この荷物紛失が起きてからは、乗車前にカウンターにて、

  1. 乗車券を発見するように
  2. 荷物の管理タグを発行し、かつきちんと登録するように

しつこく、グレイハウンドの係員に要求するようにしました。(但し、タグを付けても管理が杜撰だったりするのですが・・・)

私はその後、50日ぐらいバス旅を続けましたが、バスでのロストバゲージは再発しませんでした。

3.1日分の下着等は手荷物へ

これはバスに限らず、飛行機などにも言えることですが、ロストバゲージは発生しやすいので、貴重品はもちろんのこと、最低、1日分はなんとかなるように、下着などは手荷物に入れておくと、余計な心配や買い物をしなくて済みます。

私は今回、結局、荷物が見つかるまでの1晩分の下着を余計に買うことになり、出費と荷物が増えてしまうことになりました。

前述のように、旅にトラブルは付き物なので、常に最悪に備えて準備をしておかなければならないし、海外ではサービスは期待できないので、できる限り、自分の力で解決するしかない、という教訓となりました。

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