寝落ちするほど長いセブンマイルブリッジをバス旅行

2003/07/08

アメリカ

t f B! P L
Eastern CANAM Pass 21days(アメリカ・カナダ共通のグレイハウンドバスの3週間の乗り放題周遊券)を使っての、アメリカ東海岸縦断往復3週間の旅。

マイアミで1泊した後、いざアメリカ最南端のキーウェストへバス出発。この旅程の最大の楽しみは、移動そのもの、セブンマイルブリッジ(Seven Mile Bridge)です。バス冥利に尽きます。

バスの車内からフロントガラス越しに撮影しているので、写真が少し青っぽいです。ご了承ください。

12:15 マイアミ発


12:15pm マイアミ・ダウンタウンのバスディーポ発→17:15pmキーウェスト着(予定)のバスに乗り込みました。

車でマイアミから直行で飛ばせば2時間半ぐらいのようですが、長距離バスは途中、周回での乗下車や休憩があったりするので5時間くらいかかるようです。


ワニがいたり、ボート後部の巨大扇風機で動くairboatなどで有名なフロリダの湿地帯を抜けて、いよいよ橋にさしかかってきました。


映画などで何度も見ていて、記憶の奥底に刷り込まれていた風景なので、テンションアゲアゲです。



地球の歩き方には、

グレイハウンドバスを利用する場合、席はぜひ右側の最前列を確保したい。大きなフロントガラスを通しての眺望と、横の窓から片側だけを見るとでは大きな違いがあるからだ。
(地球の歩き方 B01 アメリカ2002~2003版 P641「マイアミからキーウエストへ」)

と書いてあったので、バスは比較的空いていたこともあり、その右側最前列の席を確保しました。CanAm Passは予約も必要なければ、乗車前の席指定もないので、乗車時の早い者勝ち。
ただ、アメリカ長距離バスの旅をこの後数ヶ月経験して知ったのですが、グレイハウンドバスの最前列は空けておかないといけないらしいです。最前列の左側運転席の後ろは、交代の運転手がいる場合のその交代員が控える席、右側の最前列は、急病人や、何か問題を起こした乗客を拘束する意味で座らせる席のため。また運転手が何か特別な荷物を最前列の座席に置いていることもあります。実際、別の日 他の路線で、運転中に問題を起こした黒人の乗客を、バス右側最前列の席に拘束気味に座らせる、というのを経験しました。この話はまた後日・・・。

セブンマイルブリッジに話を戻すと、その名前の通り、長いです。ひたすら長い。


所によっては海に突っ込んでいくような錯覚を覚えるところもあれば、高くなっている箇所は、空中遊泳をしているような感覚にもなります。


映画とセブンマイルブリッジ


映画にもよく登場しますが、360度空と海のスケールをふんだんに使いたいのか、なぜかセブンマイルブリッジと戦闘機はワンセットでよく出てきます。

例えば、
  • アーノルド・シュワルツェネッガー主演の映画「トゥルーライズ』(True Lies;1994年)では戦闘機2機が、
  • トム・クルーズ主演の「ミッション・インポシブル3」(Mission: Impossible III、M:i:III ;2006年)では無人機が、
ともに橋を破壊しています。

映画では橋が綺麗に独立して見える箇所が常に使われていますが、実際は全長すべてが橋ではなく、小さな島々を「橋渡し」しているように作られているので、島の部分はふつうに道路になっていたりします。その島々にはふつうにファストフード店などの飲食店やホテル、住宅などもあり、人々が生活しています。アメリカ最南端ということで、アメリカ軍の施設や空港もあります。

不覚にも居眠り


とにかく長いので、最初はテンションがあれだけ高かったのに、30分くらい、海も青、空も青、の単調な一本道を見ていたら、最前列の特等席を陣取っているにもかかわらず、うっかり寝落ちしてしまいました。日本で、まっすぐ単調な高速道路を走っていると眠くなるアレと同じです。

そんなわけでバスの運転手も、適時、休憩のために停車します(途中で少数ながら乗降客もいます)。これだけ単調な一本道を、安全運転ご苦労様、という感じです。

ちょうどバスが停車したすぐ近くにバーガーキングがあったので、そこで腹を満たすことにしました。バーカーキングはこの時が初体験だったのですが、お腹がすいていたのか、初めてこれ系のファストフードがおいしいと感じました。特にチキンのフライがすごくサクサクしていたのを今も覚えています。


Burger King:11150 Overseas Hwy, Marathon, FL 33050 U.S.A.

私にとって、バーガーキングと聞けば、いつもここのバーガーキングを思い出します。

しかし、そのセブンマイルブリッジのバーガーキングは、2017年頃のハリケーンの影響で閉店してしまったらしいです・・・googleのストリートビューで見たところ、看板は破壊され、窓には板が打ち付けられています。もしかしたら、営業再開の機会をうかがっているのかもしれませんが、このハリケーンのメッカでの生活は厳しいものがあることがうかがえます。

塩害の影響も大きいかもしれません。

このセブン・マイル・ブリッジ自体も、ハリケーンによって何度も破壊と修復を繰り返しています。現存の橋と並行している橋は、元は列車用に作られた古い橋で、何度もハリケーンによって破壊された上に1980年に閉鎖。今は途中で寸断されていたり、痛々しい姿が目につきます。

18:00 キーウェスト着


バスに長時間乗っていると、他の乗客とのコミュニケーションも進んでくるわけで、終点が近づいてくるにつれ、乗客もどんどん陽気になってきて、キーウェストに住んでいるパッと見、ヘミングウェイみたいな陽気なオジサンが、日本人が珍しいらしく、

おーい、みんな、日本人の●●●がわざわざ我が町キーウェストまでやって来てくれてるよ。
とかバスの後方の他の乗客に向かって私のことを紹介してくれたり、バス車内もワイワイガヤガヤ、もう車内からしてキーウェストの陽気な毎日お祭り的な雰囲気が始まったような感じになりました。
ちなみに●●●というのは、何かアメリカのコミックに出てくるキャラクターの名前で、それに私が似ているらしく、車内ではそのオジサンはずっと私のことを●●●と(愛着をこめて)呼んでくれていたのですが、●●●のアニメのことを私は知らないので(おそらく日本未放送・未公開っぽいです)、どのキャラクターなのかが今となってはわかりません。

そんなこんなで、上下左右、360度青い世界に囲まれた旅も、予定より少し遅れ、18:00にキーウェストのダウンタウンに着いて終了しました(復路もあるのでもう1回、経験するわけですが)。

前述の「地球の歩き方」では、

マイアミからキーウェストへは、便によってはキーウェストのダウンタウンに寄ってくれるが、逆にキーウェストからの便はダウンタウンを通らないので、キーウェスト国際空港隣のバスディーポに行かなくてはならない。ダウンタウンまでの交通機関はタクシー(約15分)を利用しよう。(P639)

と書いてあったのですが、キーウェスト着も発もどちらも、ダウンタウンのGATO CIGAR FACTORY前(Ameria × Simonton St.)のところで乗り降りできました
私が利用した際は、そのGATO CIGAR FACTORY前から、グレイハウンド・マイアミ行が
  • 10:45am発
  • 17:00pm発
の1日2本が出発運行されていました。ですので、私は結局、キーウェストの空港近くのバスディーポは1回も利用しませんでした(通過したのみ)。

無事、ダウンタウンの街中にグレイハウンドが降ろしてくれたので、本日は、まず予約しておいたユースホステルに直行してチェックイン&荷物を置き、早速、町へ繰り出してキーウェスト観光開始です。18:00着でしたが、21:00ぐらいまで明るいのがキーウェストです。

今回の旅程(3週間のアメリカ東海岸縦断往復バス旅行):
カナダ・トロント(起点)→アメリカ・ニューヨーク(4泊)→ボストン(1泊)→夜行バス泊→ワシントンDC(4泊)→ニューヨーク(2泊)→夜行バス泊→マイアミ(1泊)→キーウェスト(1泊)→夜行バス泊→NYバスディーポで一夜を過ごす→フィラデルフィア(1泊)→ニューヨーク(1泊)→カナダ・トロント(終点)

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