蛇橋ことハンバーベイ・アーチブリッジ

2019/09/01

カナダ

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特に何か格別にすごい橋というわけではありませんが、なんとなく記憶に残っているカナダ・トロントのHumber Bay Arch Bridge(ハンバー・ベイ・アーチ・ブリッジ)。

  • 名称:Humber Bay Arch Bridge(ハンバー・ベイ・アーチ・ブリッジ)
  • サイズ:全長130m 高さ:21.3m
  • 建立:1994年
  • 場所(座標):43.631896°N 79.471246°W(←地図)
  • 設計建築者:Montgomery and Sisam Architects(https://www.montgomerysisam.com/)
  • 用途:歩行者と自転車専用
  • 備考:オンタリオ州のWaterfront Trail や Discovery Walks の一角を担っている。
名前の通り、「ハンバー湾にかかったアーチ型の橋」で、トロント西部のハンバー川とオンタリオ湖が交錯する地点にあります。全長130mほどなのでそんなに大きくはありません。

トロントのダウンタウンからも徒歩で、オンタリオ湖沿いを湖を見ながら、またはQueen Streetをひたすら西へ進めば、散歩がてら行くことができます。

蛇をモチーフにした橋


この橋の何が印象に残っているのかというと、蛇(ヘビ)をモチーフにしている点。橋の上のアーチ部分の三角形っぽいデザインは、蛇のウロコをイメージして作られています。

そしてそれを象徴するように橋の袂(橋台)の部分には、四脚ともに蛇の彫刻がなされています。


(橋台の蛇と、遠方にはCNタワー)

太陽が橋の真上あたりに来ると、上の蛇のウロコ状のデザインが影となって床板(人が渡る歩道部分)に投影され、下の図のような幾何学的な蛇のウロコが歩道に映し出され、橋全体が蛇のようになり、その模様の上を人が通るようになります。

つまり、影も含めて蛇になるように考えられて作られた建造物(橋)で、とても面白いです。

それを意識して見ていると、アーチからワイヤーを吊るしている根本の三角形の部分も、蛇の牙のように見えてきてしまいます。

日本ではヘビというと、例えば「蛇崩」などのように水害や自然災害などのマイナスイメージに関連付けられることが多いので、こうした蛇をモチーフにした建造物は珍しいですが、海外では例えば映画「ネバーエンディングストーリー」のアウリンが蛇のネックレスだったり、アニエスベーがトカゲをロゴや商品に採用していたりと、爬虫類系を象徴的に愛用するケースが多く、この蛇橋も、いかにも海外っぽい感じがします。

カナダらしい風景が楽しめるスポット



そんな蛇橋を通るカナディアン(トロントニアン)ですが、上の写真を見てもわかるように、とにかくローラーブレードで走ってる人(ローラーブレーダー)が多いです。橋の往路も復路もローラーブレーダー、若者だけでなくオジサンもオバサンも、ファミリーでローラブレードで行き交っています。

冬は氷上でスケート(実際に凍った川をスケートで通勤・通学する人もいる)、夏のオフシーズンは陸上でローラーブレードという、アイスホッケーが国技のカナダの真骨頂を見ている気がします。

カナダでは、その辺の公立小学校・中学校にもバスケットゴールやプールの横に、ふつうにスケートリンクが常設されています。

日本の国技の相撲を街中でやっている人はいませんが、カナダの国技はカナダ人の日常生活そのものなんですね。


【ディスカバリー・ウォーク - Western Ravines and Beaches】

このハンバー・ベイ・アーチ・ブリッジは、近くのHigh Park(ハイ・パーク)などと一体になって、Waterfront Trail や Discovery Walkの一角を担っていて、ローラーブレードやジョギング、ウォーキングなどの理想的なコースにもなっています(上図左端がこの橋)。ローラブレード族が多いということは、それだけ道が整備されている、ということなのでしょう。


橋のたもとにあるSheldon Lookout (シェルドン展望台)は、トロントのCNタワー含めたダウンタウンの眺望を楽しむことができ、ベンチではカップルたちがリア充演出に勤しむ場にもなっています。

以前、あるテレビ番組でタモリさんが、「都市は海から見ないとダメ」とおっしゃってましたが、(海ではなく巨大なオンタリオ湖ですが)ここトロントは水辺から見た都市の作りがとてもうまいと感じます。

ちなみに、この海のように錯覚してしまうオンタリオ湖ですが、念のため、水を少し舐めてみましたが、しょっぱくなかったです(生臭かったです・・・)。間違いなく海ではありませんでした。

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