珍しい株式会社更正登記申請

2020/02/05

DIY 日本

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自分の会社の謄本を取り寄せたらミスが見つかったので、「更正登記」で修正をしてみた、今回はそんなお話しです。


会社の登記はDIY

「株式会社」を設立し、これまでのところ、司法書士に頼らず、すべての登記を自分でやっています。

これまで素人ながら、自分の会社の以下のような登記をやってきました。

  • 株式会社設立登記申請
  • 株式会社本店移転登記申請
  • 株式会社変更登記申請(代表取締役の住所変更)
  • 株式会社変更登記申請(10年目の取締役及び代表取締役の重任登記)

司法書士に頼らず自分でセルフで登記をやってきた理由は、

  • コストカット(自分でやれば司法書士の報酬は不要)
  • (ネットで調べたら)なんか自分でできそうと感じた
  • 社会勉強も兼ねて(このぐらい知識がないと社長とは言えない?との自戒)
  • 司法書士に依頼するほど大規模で複雑な会社でもない

以上のような理由からです。

実際、臆せずやってみればできるもので、これまでのところ、いずれも登記申請後の補正もなく、すべて無事、登記完了してきました。

謄本にミスを発見

しかし、何回もやっていると、素人ならではのうっかりミスをやってしまったことがあります。

会社設立後、代表取締役(私)が3回引越したので、過去3回「株式会社変更登記申請(代表取締役の住所変更)」をやったのですが、そのうち1回だけ、プロなら絶対に犯さないであろう?凡ミスをやらかしてしまいました。

それが代表取締役の変更後の住所の漢字2文字(町名)のミス。

例えば、

東京都渋谷区渋谷九丁目9番地9号 とするべきところを、

東京都渋谷区原宿九丁目9番地9号

といった感じで、町名の2文字だけうっかり間違って申請してしまい、それがそのまま登記されてしまったことがありました(登記時には代取の新住所を証明する書類などは提出する必要はありません)。

その登記時は、補正も無かったので、登記完了後は確認もせず(間違いに気付かず)、約2年が経過した頃、所用で会社謄本が必要となり、自分の会社の謄本を法務局で取得したところ、この凡ミスを発見。

2年もの間、代取の間違った住所が登記上、野ざらしになってしまっていたことになります。

まず法務局で相談

そこで急いでこの間違いを修正することにしました。といっても素人なのでやり方がわからず、すぐに管轄の法務局に電話で問合せ、窓口での「登記相談」(無料)の予約を翌日に入れました。予約電話では、「予約受付番号」をもらいました。

翌日、早速 予約時間に法務局に出向き、窓口の隣にある相談ブースにて、事情をすべて素直に話し、どのように修正すればよいかを教えてもらいました。

こういうケースでの正攻法(王道)は「更正登記」で申請費用(収入印紙)が2万円ほどかかってしまうとのこと。2文字修正に2万円は痛いです。ちなみに代取の住所変更自体は1万円。ふつうの住所変更よりも修正(更正)のほうが高いとは・・・。

この正攻法2万円以外にも、何やらもう少し安く済む方法はあるそうなのですが(おそらくプロ/司法書士ならご存知かもしれませんが)、すごくややこしそうなので自分は2万円は勉強代だと納得することにし、正攻法で修正(更正登記)することに決めました。間違いは間違いですから。

法務局の担当者はとても親切で、でも「更正登記なんてめったにないんですよねぇ。」と言いつつ、何やら登記の虎の巻(手引書?)を近くの棚から引っ張って来て、その辞書みたいな虎の巻を見ながら、「こういう内容の申請書と上申書を作って、出せばいいよ」的なことをメモ用紙に書きながら教えてくださいました。

ちなみに法務局での相談(無料)は基本1回20分間で、それ以上を超えると次の方の迷惑になる、アドバイスした内容以外にも実際の登記時には何か追加で必要になることがあるかもしれません等々の了承事項が書いた紙を事前に口頭と文字で説明され、それに確認の署名を最初に求められました。

更正登記申請

帰社後、法務局で教わった内容に基づいて、早速 WORDで

  • 株式会社更正登記申請書
  • 上申書

の2点を作成し、相談した翌日には法務局に申請しました。

作った書類の具体的なコンテンツは以下の通りです。

株式会社更正登記申請書





株式会社更正登記申請書

1.会社法人等番号   0000-00-000000
1.商 号 株式会社00000000
1.本 店 (会社の住所)
1.登記の事由 錯誤による更正
1.登記すべき事項  代表取締役 日本太郎 の住所を次のように更正
住所  000(正しい住所)000
1.登録免許税 金 弐 萬 円 1.添付書類     上申書 1通

上記のとおり,登記の申請をします。                       
令和X年X月XX日

(会社の住所)
申請人 株式会社00000000

000(正しい住所)000
代表取締役   日本太郎    (会社の印)

連絡先の電話番号 0XX-XXXX-XXXX

〇〇法務局 〇〇出張所 御中


※申請書はA4用紙で合計2枚(2ページ)
※申請書の2枚目(2ページ目)は収入印紙(2万円)を貼るための白紙。
※申請書の1枚目と2枚目は左端をホッチキスで留めて割り印をしておく。
※申請書や上申書(後述)の代取住所は、いずれも「正しい住所」のほうを記載すること。

上申書

上記の申請書とは別に添付書類として「上申書」が必要となります。
今回は内容がシンプルなので、上申書はA4で1枚のみで以下のような内容となります。





上申書

私は平成XX年X月XX日付 代表取締役の住所変更登記において、住所を
東京都渋谷区渋谷九丁目9番地9号 として申請いたしましたが、正しくは
東京都渋谷区原宿九丁目9番地9号 でありましたことを上申いたします。


令和X年X月XX日

会社法人等番号 0000-00-000000
(会社の住所)
株式会社00000000

000(正しい住所)000
代表取締役   日本太郎   (会社の印)


〇〇法務局 〇〇出張所 御中


※申請書2枚はホッチキスで留め、それにこの上申書1枚を 申請書+上申書 でクリップで留めて1セットにして、完成です。

更正登記申請書を提出

法務局で相談した夜には申請書を作成し、翌日には法務局に更正登記を申請しました。

一応、更正登記申請書を窓口で渡す(申請する)時は、申請書に「〇月〇日に相談させていただいた件です。相談受付No.●●●」と書いたフセンを付けて申請しました。


申請すると、窓口で 「〇月〇日の登記申請は、〇月〇日 PM中(1週間後)を予定しております。」

と書かれた案内に「受付番号」を書いたものを渡され、申請は終了。一週間後の登記が、補正なく無事に完了することを祈ります。

1週間後、登記完了


補正を告げる法務局からの電話もなく、1週間後の午後、法務局に出向いて会社謄本(現在事項全部証明書)を取得してみたら、無事に修正(更正)がなされていてホッとしました。

ただ、謄本にはしっかりと右側の備考欄に「〇年〇月〇日更正」という文字が記録として刻まれていましたが・・・。

以上が、ド素人の「株式会社更正登記申請」体験談でした。

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