WISE(旧 TransferWise)の海外送金はなぜ安いのか

2020/02/15

オーストラリア 日本

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オーストラリアへ送金する必要があったので、今回、初めてWISE(旧名:TransferWise/トランスファーワイズ)での海外送金サービスを使ってみました。

TransferWiseについて: https://transferwise.com/


使ってみた感想を結論から言うと、
  • また次回も使わせてもらうだろう
  • 海外送金手数料が安い
  • 為替レートも安い
  • あっけないほど送金(着金)も速い
  • 初回の登録さえ済めば、あとは簡単
というものになります。

文字通り、Wise(賢く)に transfer(送金)する、という感じでした。

なぜTransferWiseは安いのか

なぜ海外送金が安く済むのかというと、主に以下の2点の原因によるものと思われます。

  1. 中継銀行を挟まない(仲介者が少ない)
  2. 実は海外送金していない


安い理由1:中継銀行を介さない

通常は上の図のAのように、

送金人→送金銀行→中継銀行→受取人

という主に4つの経路を辿り、その途中途中でそれぞれ手数料が発生します。中継者が多いほど手数料がかさみますし、中継者が他人同士間だと、他人行儀な為替レートであるTTSのレートで取引されるため、送金時のレートも高くなります。

それに対して、TransferWiseは上の図のBのような流れになります。

送金人→TransferWise→受取人

各国にすでにTransferWiseの口座があるので、中抜きで仲介者(中継者)を省くことができ、その分、手数料が1つ不要になります。

安い理由2:海外送金をしていない

日本のTransferWiseに送金人が振込すると、日本のTransferWiseから海外のTransferWiseに

「こっちに入金が入ったからそっちで振り込みしといて。」

という「内部連絡」が通達されるだけで、受取人に送金が行われ、無事、着金するようになります。

つまり、日本→海外 間が、同じTransferWise間のやりとりになるので、実際はその都度の「海外送金」ではなくなるので、他人様価格のTTSレードではない、ふつうの為替レート(仲値)で済ませることがでるというわけです。

具体的にいくら得したか?

これまでは・・・

これまでも比較的安い海外送金サービスのGOレミット(旧 ロイズ銀行)を使っていたのですが、GOレミットで海外送金する場合、

例えばオーストラリアへ送金する場合は、

  • 送金人
    ↓ ←普通の日本国内銀行振込手数料①
  • 送金銀行(GOレミット)
    ↓ ←GOレミットの手数料2000円②
  • 中継銀行
    ↓ ←現地の銀行の手数料20ドル③
  • 受取人

の、①+②+③の計3つの手数料、計3500円~4000円相当が掛かっていました(その時の為替によって若干、変動します)。

今回は・・・

それに対して、今回利用したTransferWiseでは、

  • 送金人
    ↓ ←普通の日本国内銀行振込手数料①・・・TransferWiseの三菱UFJ銀行の口座へ振込
  • TransferWise
    ↓ ←手数料約1190円・・・送金額や通貨によって変わる②
  • 受取人

というシンプルな流れで、

約130000円程度のオーストラリアへの送金額に対して、手数料は1190円ほどでした。

またTransferWiseで適用された為替は1ドル=72.75円ほどで、当日の三菱UFJ銀行のTTSレートの1ドル=74.72円と比べると、2円ほどお得なレートだったので、2円×送金額=約3500円程度、安かったことになります。

つまり、GOレミットと比較した場合、手数料で2000~3000円程度、為替で3500円程度、併せて5500~65000円くらいはTransferWiseで安く海外送金できたことになります。

TransferWiseの注意点

1.送金額に比例して手数料も増える

TransferWiseの場合、送金額が増えれば手数料も増えるので、送金額が増えた場合、実際どこまでTransferWiseがお得かは検証の余地はあります。

手数料の決定方法について
URL: https://transferwise.com/ja/help/13/手数料やレートについて/2522717/手数料の決定方法について

場合によっては、送金手数料が定額制の海外送金サービスのほうが安くなる場合があるかもしれません。

50万円ぐらいが目安かも?
どの辺から注意領域に達するかというと、(送金先の通貨やその時のレートにも因りますが)送金する額が日本円でおよそ50万円相当ぐらいから、TransferWiseの送金手数料が4000円を超えてくるので、そうなると、その他の海外送金サービス(例えば前述のGOレミットなど)のほうが手数料が安くなってきます。

後は適用される為替で総額いくらになるか?の比較になるので、およそ50万円以上を送金する場合は、TransferWiseよりも安い送金サービスがあるかもしれないので、適用為替と併せて、総額いくらかになるか?でサービスを比較してみるとよいでしょう。


尚、TransferWiseで実際に送金する際にかかる手数料は、事前に明確に提示される(上図のようにトップページで送金額を入力すれば自動算出され表示されるようになっている)ので、web上で算出された送金手数料を事前にチェックしてから、TransferWiseで送金するか否かを決めるとよいでしょう。

2.最初の登録にちょっと時間がかかる

TransferWiseを利用するには、初回に個人情報などいろいろと登録しなければならないのですが、これがちょっと時間がかかる場合があるようです。

私の場合、法人として送金したかったので、法人登録と併せて、代取としての個人情報も身分証とともにアップロードして、以下のような、
書類をご提出いただき、ありがとうございます。本人確認が完了次第、簡易書留による日本の住所確認を行います。

日本の住所確認の一環として、ご登録の住所宛へ住所確認書類(簡易書留)を郵送させていただきます。ご自宅に到着するまで7営業日程度のお時間がかかりますので、今しばらくお待ちください。

という案内文が表示されたので、7営業日以上待っていたのですが、まったくの無反応でした。

それで登録手続きの最初のほうの画面で、

※現在、口座開設のお申し込みが大変込み合っており、送金指示及び資金の振込をされたお客様を優先してご案内しております。

と書いてあったのを思い出し、実際に「送金指示」(送金額や送金先入力など)をおこない、TransferWiseへ送金額を「振り込み」したら、ようやくTransferWiseからEメールで各案内が届きだし、動き出した、という感じでした。

なので、急ぎの人は、最初の個人情報入力しただけで止まらないで、「送金指示」と「資金の振込み」というアクションを起こしたほうがよいでしょう。

3.法人登録はいろいろ追加の審査がある

個人の場合
個人で登録し、個人で送金する場合は、身分証を提出(webでアップロード)し、後は自宅に簡易書留で「アクティベーションコード」が届くので、そのコード(数字)を指定のURLにて入力すれば、個人情報登録完了で、すぐ送金できるようになります。

身分証は、マイナンバーカードが一番、すんなりいくように感じました。

法人の場合
一方、法人の場合は、(これはどこの金融機関もおおよそ同じかもしれませんが)ちょっとややこしく、審査がいろいろあります。

会社謄本の提出、代表取締役の個人情報登録など並行して行っていくようになりますが、情報提出後に事業内容の確認メールが改めて来たり、会社のホームページチェックなども入るようです。

具体的には「外国為替及び外国貿易法」や「北朝鮮・イラン関連規制等の対象取引でないこと」やら米国法規制の「米国OFAC規制にかかる取引でないこと」などに基づいて、会社のホームページにミャンマー、キューバ、イラン、スーダン、シリアその他各制裁対象国などの文言が掲載されていると、それについて細かく質問されます。

結局、私の場合、法人登録に3週間ほどかかったので、法人で登録しようと考えている方は、かなり余裕をもって登録手続きを進めたほうがよいでしょう。

個人および法人の登録が完了すれば、実際の送金自体は、拍子抜けするほど簡単に完了します。

送金完了後は、Eメールで「送金完了通知」が届き、PDFの「受取証書」(送金概要・明細)が見れるようになります。

まとめ

TransferWiseはなかなか使える海外送金システムなので、その送金額などにもよりますが、海外送金する際の選択肢の1つとしてオススメです。

TransferWiseについて: https://transferwise.com/

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