ドンキホーテの水槽とドンペンが月に座る意味

2020/04/15

日本

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ドンキホーテ、店舗によって外装が違っていたり、またその外装もそれぞれ意味があったりして、おもしろいものがあります。

ドンキホーテ(ドンキ)といえば、マスコットキャラクター「ドンペン」(青いペンギン)が、どこの店舗の外装にいて、お客さんを迎え入れてくれますが、けっこうデザインが違っていたりします。

よく見かけるのが、こんな感じ↓でドンペンが月に座っているデザインのものですが・・・


ドンペンが月に座っている理由

なぜ月に座っているのかというと、深夜営業をアピールするためだそうです。

看板に使われるドンペンは月に乗っています。月は暗い夜道を明るく照らす夜の象徴です。つまり、夜中でもお店が開いていますよということを表現しています。
https://tokyo-chara.com/news/success/20180808.html

そもそもドンペンの体が青いのは、深夜を表すミッドナイトブルーだからだそうで、赤い帽子もナイトキャップ。マスコットキャラクター自体が「夜」をアピールするもので、深夜営業がドンキの特徴であり、夜の時間帯が重要な売上源と考えていることがわかります。

コンビニ業界が24時間営業を止めていく傾向がある中、今後、ドンキホーテの深夜営業は、ますます価値が上がるのかもしれません。

初期の頃のドンキのデザイン

ただ、いつもドンペンは月に乗っているのか(深夜営業を前面出し)というとそうでもなく、初期の頃の外装は、「ドンキホーテという店名はなんたるか?」を説明するような外装になっていたようです。

以下の写真は、1989年にできたドンキホーテの第1号店(府中店)の側面。


ドンペンが馬に乗って、風車を突き破ったようなデザインになっています。

このことから察するに、

  • 店名はスペインの作家ミゲル・デ・セルバンテスの小説「Don Quijote(ドン・キホーテ)」から由来してるんですよ
  • 小説で風車に突撃していったドン・キホーテのように、他に笑われようとも驚安の価格に挑戦するんですよ、業界の常識という壁を打ち破るんですよ

という主張が感じられる外装になっています。

時代によってデザインが変化

同じような風車のデザインはMEGAドン・キホーテ かわさき店(神奈川県川崎市幸区)にも見られ、ここは店舗の外側のらせん階段が風車仕立てになっていて、その風車の中腹が割けていて、中に光り輝くドンペンがいる、といったデザインになっています。


このかわさき店も古く、2002年にドン・キホーテグループの複合商業施設第1号店「パウかわさき」としてオープンしたもので、古いドンキの店舗は、自己紹介がてら、ドンキホーテの名前の由来を説明するようなデザインの外装になっていたことがうかがえます。

  1. 初期の頃はドンキホーテという店名とアイデンティティの説明
  2. 次に深夜営業を猛アピール

といった変遷が、店舗の外装デザインから感じられました。

ドンキの店頭に水槽がある理由

他にドンキの外装の名物といえば、水槽ですが・・・


なぜ店舗の入り口に水槽があるのかというと・・・
(すべての店舗に水槽があるわけではありません)

Q.ドン・キホーテの店頭に水槽があるのはなぜですか?
A.お客様がワクワク・ドキドキする店舗演出によって、お客さまにショッピング本来の楽しさを堪能していただくためです。
https://www.donki.com/faq/detail.php?faqid=2506

という説明がありました。

確かに水槽があると、意外性があってワクワクしますし、なんだか店内にはなんでもありそうな期待感が湧きますね。

ドンキの店内は、店内で流れているドンキのテーマ曲の歌詞

ボリューム満点激安ジャングル~♪ジャングルだぁ~♪

の通り、天井から弦が垂れ下がったような、迷路のようなジャングルを見立てた陳列になっています。

つまり、水槽という熱帯の海の中から、陸に上がって、ジャングルの中を探検するようないメージでショッピングを楽しんでほしい(購買意欲を喚起したい)というねらいがあるように感じます。


それにしても水槽の管理だけでもかなり大変だと思うのですが、いろんな魚がいるわりにはいつも水槽内は綺麗に保っていて、敬服の念に堪えません。


ドンキの水槽の名物?のウツボ。
他にもコバンザメみたいなのが水槽内側の壁に張り付いているのを見かけたこともあります。

その他番外編として、「ドン・キホーテ 蒲田駅前店」のドンペンはビルの壁をよじのぼって(ロッククライミングして)いて、ちょっと珍しい感じがします。


大阪の「ドン・キホーテ 道頓堀店」のドンペンは、戎さんの膝の上に乗っていて、その周囲をグルっと観覧車がまわるようになっていて、道頓堀の名物の1つになっています。

羽田空港には小さなSORA DONKI(ソラドンキ)があったり、最近は海外にも進出しているので、枚挙にいとまがありませんが、店舗デザインを見ているだけでも楽しめます。

ちなみにドンキホーテといえば、撤収(閉店・店じまい)の早さも有名ですが、それぞれ自社ビル(自社の不動産)で展開しているので、店舗を展開してみてダメだったらすぐ閉じて他のテナントに貸し出すので、あまり損失は被らないそうです。

店舗デザインの楽しさだけでなく、いろいろな経営手法も学べるドンキホーテでした。

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