Ms.(ミーズ)を知らない海外在住日本人女性が多い

2020/08/15

海外

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仕事柄、海外ご在住の日本人とやりとりすることが多いのですが、海外、それも英語圏ご在住の日本人女性とやりとりをしていると、「 Ms. 」という単語を知らない人が、少ないながらも一定数いることに驚くことがあります。

Ms. とは

「 Ms. 」とは、女性の敬称の総称のことで、読み方は【miz】(ミーズ/ミズ/ミィズ)。
意味合いは、「 Miss 」や「 Mrs. 」もひっくるめた便利な敬称です。つまり、女性全般に使えるものであり、相手方が「結婚している」「結婚してない」とか、いちいち気にする必要がありません。

日本語でいうところの、「~さん」「~様」みたいなものですが、日本語の「~さん」「~様」のほうは、男性・女性分け隔てなく使える点が異なります。

相手方に何か物を送るときに、こちらではわざわざ「 Ms. 」と添えて確認をとっているのに、

送付先の名前ですが、Msではなく、Mrsにしていただけると幸いです。

と Ms.(ドット付き)を Ms や Miss と勘違いしていたり、

結婚しているため(苗字は変えていませんが)TO:Mrs. ●● としていただけますと幸いです。

など、どうも「 Ms. 」というものを知らない人が、結構いるようです。しかもその方々らは、オーストラリアやイギリスなど、現地英語圏にもう何年も住んでいたり、現地の人と国際結婚をされている人たちで、それなりに英語を知っておいてしかるべき人たちなのですが。

「 Ms. 」というのは、This is a pen. レベルのかなり基礎的な英語の知識ですが、そんな基本的なことを知らない人は、きっと現地で知っておかなければならないことも知らず、「たまたま」毎日「運よく」生活できているんだろうな、と思わざるを得ません。

もし日本の中学英語など、英語の初期段階で教えていないなら、ぜひ漏れなく教えておいてほしい点です。

こちらとしては、結婚しているとか、していないとか、そんな個人情報は不要だし、知りたくもないのですが、そんな個人情報や非合理的な慣習にふりまわされるのは勘弁してほしいところです。

Ms. は公式敬称

「 Ms. 」というのは、1973年以降、国連でも公式に採用されている敬称です。

その背景には、女性に対してだけ、Mrs.(既婚)とMiss(未婚)を区別して使い分ける表現は好ましくないという女権拡張の考え方がありますが、それ以前に、あまり知りもしない相手のことを、既婚か未婚かいちいち推察するのはかなり非合理的ですし、プライバシーの観点からも望ましくないと思います。

もしかしたら、中には Mrs. にステータス?みたいなものを感じて、いちいち 「Mrs.に直して」と言ってくる古いタイプの人もいるのかもしれませんが、今はもうそんな時代でもないでしょう。

「年齢を尋ねるのは失礼」とか言っている文化圏であるにもかかわらず、性別や婚姻状態で敬称を使い分けることほどナンセンスで矛盾していることはありません。

英語圏も早く Mr. Miss Mrs. Ms. 等を廃止し、例えば「 M. 」とか、もう性別・婚姻状態に関係なく一括で呼べる敬称に統一してほしいものです。

そういう意味では性別や状態に関係なく使える日本の「様」「さん」は便利だし、進んでいると思います。

Ms. に関するその他参考


【名詞・代名詞】 Mr. Ms. にどうしてピリオド(.)があるのですか?
https://benesse.jp/teikitest/chu/english/english/c00208.html
女性に対してだけ、Mrs.(既婚)とMiss(未婚)を区別して使い分ける表現は好ましくないため、最近ではどちらにも Ms. を使うのが一般的。
https://eigoblock.com/word33-36.html
Ms.の発音記号と読み方
発音記号: míz  
カタカナ読み(発音の目安):  ミィズ
主な意味: [名](複Mses or Ms's 〔mízəz〕)…さん. ▼1973年以降国連でも公式に採用。[Miss, Mrs. の区別をなくす女権拡張の考え方より]
https://en.hatsuon.info/word/Ms.

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