歯列矯正をすることになったので、その治療過程をメモしていきます。
コロナ禍でマスク着用が日常となり、口元を見せなくてもよいので、チャンスとばかりに歯列矯正を始める人(特に女性)が増えており、実際、矯正歯科はとても混みあっていて、いつも予約が取れづらい状態です。
自転車事故(下顎骨折)の後遺症
自転車事故による下顎骨折から3年。下顎の骨折は3年前に完治したものの、下顎が「ほんの気持ち程度」内側へ曲がって付いたためか、後遺症として、下の歯並びが3年かけて徐々にズレてきました。(ズレてきたといっても、下の前歯が押し出されるように少々前後してきただけで、噛み合わせ自体にはなんら問題は発生しておらず、日常生活に支障はほとんどない状態です。)要は、下顎骨折と経年により、下顎が「U字」→「V字」の細い感じに変化してきた、ということらしいです。
そのタイミングで、先天性欠如歯を長年、補ってきたブリッジが先日、取れてしまったことも重なり、治療がてら、歯列矯正をすることにしました。(→詳細:乳歯や歯のブリッジの寿命【先天性欠如歯】)
ちなみに、自転車事故(下顎骨折)前は、歯並びはまったく気にしたことがないほど良いほうでした。現在も上顎の歯並びは悪くありません。
歯列矯正の目標(希望)
歯列矯正をするにあたって、私の目標(希望/重視した点)は以下の3点です。自分の希望
- 健康な歯(永久歯)は抜かない
- 先天性欠如歯で残っている乳歯(または乳歯をブリッジに変えた部分)をうまく活かしてなんとかしたい
- 下顎の親知らずもなんとかしたい(うまく活かすか抜歯するか)
歯の見た目(審美)や噛み合わせが良い(ふつう)状態になることはもちろんですが、やはり一番重視したことは、現在健康な歯(永久歯)は抜きたくない、という点です(ふつう歯列矯正は上下の第一小臼歯・・・前から4番目の歯を計4本、抜いてスペースを作って調整するのが一般的です)。
さらに先天性欠如歯で元々 無い(乳歯は残ってる)部分を活かすことができれば一石二鳥です。
ついでに、下顎の奥で眠っている(まったく痛くもなければ問題もない)親不知をいかすことができれば、一石三鳥でいうことがありません。
100万円超の矯正治療開始
最初の1時間程度のカウンセリングこそ無料でしたが、その翌週、まず矯正歯科で55000円(税込)もかけて、レントゲンを何十枚も撮ったり、歯型を取ったり・・・の精密検査を行いました。その結果が3週間後に伝えられ、上記3点(永久歯は抜かない/乳歯のスペースをいかす/親不知をいかす)が実現できるとのことだったので、歯列矯正に踏み切ることにしました。矯正プラン
だいたいの矯正計画は以下の通りです。- 先天性欠如歯で残っていた左の乳歯1本(第二小臼歯/5番)は抜歯する
- そのスペースを詰めるような形で奥歯2本(両端で計4本)を前に移動させる
→奥歯を移動させるのはパワーがいるので、歯茎にスクリューを打ち込んでそれを軸にして奥歯を引っ張る予定 - 前歯も全体的にそれに合わせて少し後ろにずらす(広げる)、少し微調整で削る可能性あり
- 奥歯を前にズラすことによる親不知の変化をみつつ、可能であれば、その横になって眠っている親知らずを縦に起こして、前にもってきて新しい「奥歯」にする
通常、歯列矯正は2,3年かかるのが平均的ですが、横になっている親不知を立てて前に持ってくる過程を加えるとプラス2年、計5年くらいはかかる、と言われました。実際に親知らずを立てて奥歯として利用するかどうかは、矯正の進捗具合(歯の動き具合)に応じて後々、決めることになります。
費用まとめ
- 0円・・・初診相談料1時間
- 55000円(税込)・・・初回の検査・診断料(レントゲン、歯型等)
- 825000円(税込)・・・本格矯正治療料
- 3300円(税込)・・・治療開始後の毎回の処置料がその都度別途必要
- その他、アンカースクリュー(1ヵ所3万円~、リテーナー)代は別料金
ということで、ざっと100万円は軽く超えることになりますが、最初の880000円(55000円+825000円)はクレジットカード1回払いで済ませました。
仕事の合間に抜け出して治療するので近場でなければならないこと、腕が確かそうなこと(←終わってみないとわかりませんが)などから、やむをない金額かな、と考えています。この地域の相場からしてそれほどかけ離れている・・・というわけではありません。
しかし、ネットでみたところ、ローカルの矯正歯科ではこれの半額か6割くらいの価格提示をしているところもあったり、本体価格以外の追加治療代は発生しないところもあったりで、矯正歯科治療代もピンキリだな、という感じは否めません。
※医療費控除で確定申告すれば、税金が少しもどってくるようで、なぜかその辺りを強調して矯正歯科医から何度も説明を受けました。とりあえず領収書は取っておくことにします。
いずれにしても、第一優先は「治療が成功すること」であり、とにもかくにも成功すればOKです。
まず乳歯を抜歯する
歯列矯正を始めるにあたって、まず、- 虫歯の治療は終わらせておく
- 抜歯がある場合は先に抜歯しておく
というのを通常、先に終わらせておかないといけないので、自分の場合は、まだ残っている乳歯を1本、抜歯しました。
抜歯の痛みはいつまで続くか
乳歯とはいえ、寿命よりも何十年も生き続けた乳歯だけあって、歯の根が八の字型にがっちり根付いていたので、1本抜くのに40分くらいはかかりました。根が広がっていたので、抜歯痕も乳歯にしては大きく、麻酔が切れてくると、やはり痛いものがありました。特に夜になると抜歯痕の痛みが気になってくるので、4,5日は夜だけ、歯医者から支給されたロキソニン(痛み止め)を一錠だけ服用して寝るようにしました。
抜歯の痛みがいつまで続くか?というと私の場合は7日間続きました。8日目になると、ほぼ痛みはなくなってきました。抜歯の痛みは1週間~2週間程度、と通常言われているのと同じでした。
何もしていない時の痛みはなくなってきたものの、食事中、抜歯痕に食べ物が当たるとやはりまだ痛く、特に納豆(大豆)やお米は、くぼんだ抜歯痕にスポッと入って出てこなくなるので、嫌な感じはあります。
その抜歯痕のくぼみが埋まりだしたのは、抜歯から3週間が過ぎた頃からでした。
矯正と虫歯の治療も同時進行
虫歯に関しては、上の歯にありましたが、下顎から矯正を始めるので、矯正と並行して虫歯治療をおこなっていくことになりました。歯の外側をいじらなければ(歯の上側や中だけなど矯正器具が当たらない場所だったら)、基本的には歯列矯正と並行して虫歯治療はしても構わないそうです。ただ、もし歯に詰め物をするのなら、念のため、保険の効く安いモノに留めておき、矯正が終わったら、ちゃんといいもの(自分が希望するもの)を詰めるようにしたほうがよい、とのことでした。
矯正開始第一段階【青ゴム(セパレーター)の痛み】
ということで、乳歯の抜歯を済ませた10分後、まず歯列矯正を始める第一歩として、基点となる奥歯と奥歯の間にセパレーターと呼ばれる青ゴムを入れることになりました。セパレーターとは文字通りセパレート(離す)ための道具で、奥歯と奥歯の間に金属のバンドを入れる前段階として歯間にスペースを作るために入れるものです。
セパレーター(青ゴム)は痛い
大きな奥歯と奥歯の間をこじわけるわけなので、この青ゴム(セパレーター)挿入は痛い人は痛い(痛いと思っていたほうが無難)、との事前の案内がありました。矯正歯科医によると、後の矯正器具そのものよりも、その前段階であるこの「青ゴムが一番痛かった」と言う患者さんがいたとのことです。
もちろん痛さは個人差があり、例えば、元々奥歯がスキッ歯な感じの人は、まったく痛くありません。
青ゴムの痛みはどんな感じ?
自分が実際、この青ゴム(セパレーター)を挿入してどうだったか?というと、右と左で痛みが異なりました。ですので痛みの感じ方は「人それぞれ」の意味がわかるような感じでした。私の場合、右側の青ゴムは、入れてから3日程度で痛みはなくなり、何も着けていないような感覚になりました。
しかし、左のほうは、日増しに痛みが強くなっていくような感じです。
おそらく元々歯に少しでも隙間がある(もしくは歯茎に柔軟性がある)箇所だと、青ゴム入れてもそれほど痛くなく、隙間がなくがっちり歯が隣接している箇所ほど、ゴムが入ると痛くなるようです。
何が痛いかというと、歯よりも少しゴムが上に飛び出して挿入されているので、噛むとまず上の奥歯がゴムに当たり、うまく噛めません。硬いガムが上と下の歯の間に乗って邪魔する感じで、噛むとゴムの弾力で歯が押し戻され、うまく食べ物が食べられません。
そして無理やり噛むたびに、文字通りギュッと「くさびを打ち込むように」ゴムを歯と歯の間に押し込みます。このいちいち押し込むことで、文字通り歯と歯の間を力づくでこじ開けていくのですが、これが痛いのだと思われます。
食事をしていると、キュッキュッととゴムが軋む(こすれる)音や、たまにゴムの味を感じることもありました
結局、1週間経つ頃には、ピリピリという痛みが小さな雷のように、左頭部の上まで走る・・・という感じがすることもありました。
自分の場合、結局、右側の青ゴムは痛くなくなったので、青ゴムを入れた後半は、なるべく右側だけで噛むようにして、なんとか食事をやりすごしました。
自分一人でも、右側と左側で青ゴム(セパレーター)の痛みは違ったので、痛みについては個人差がかなりあるかと実体験から感じます。
歯が欠けた人もいる
Youtubeを見ていると、この青ゴム(セパレーター)を入れた若い女性が、「もうすぐ矯正器具を装着して食べれなくなるから」、食べ納めで「その前に食べれるものを食べとこう!」ということで、硬いせんべえ類をバリバリ食べたそうです。そうすると、青ゴムを入れた奥歯が割れて(欠けて)しまった・・・という悲惨な経験をされた人がいらっしゃいました。
噛む力=自分の体重 ほど強い
矯正歯科医によると、歯を噛む力は自分の体重と同じくらい、とのことです。例えば、体重50kgの人は50kgぐらいの力で噛める、ということです。つまり、せんべえなど硬い物を食べた時、50kgぐらいまで歯に圧がかかる場合があるので、青ゴムという「くさび」が打ち込まれた状態で、それだけの圧をかけてしまうと、歯がバキッと折れてしまう可能性があることは安易に想像ができます。
青ゴムはそれほど歯に負荷をかけているものですので、「たかが青ゴム、されど青ゴム」で、青ゴムを入れた段階から、食事は慎重には慎重を期したほうがよいです。
矯正開始第二段階【バンドの痛み】
青ゴム(セパレーター)の装着は1週間だけで済み、奥歯(7番と6番)の間に隙間が空いたので、次は金属のバンドを奥から2番目の歯(6番)にハメることになりました。何気にバンドの外側のパーツが、上と下に突起部があるのが特徴で、これが頬に悪さをします(後述)。
歯列矯正を始める順番を復習すると、
- 青ゴムを入れて奥歯にスペースを作る(→1週間ほど)
- 奥歯から2つめの歯(6番)にバンドを巻く(はめる)(→3週間ほど)
- いよいよワイヤー(ブラケット)をセットする
となります。
バンドの装着自体は痛くない
青ゴムで歯間が開いたおかげか、このバンドの装着自体は痛くありません。しかし、バンド装着後、食事をして、事態は急変しました。
食事するとヤバイ
食事をすると、「魚の骨が4,5本、口の中で暴れまわっているような」感じで、頬(ほっぺた)の内側を、バンドの外側の突起部が突き刺しまくります。別の言い方をすると、爪楊枝を10本くらい、口の中にほお張って、口の中でグルグルまわしているようなギョッとした痛みが走ります。さらに、バンドの外側の突起部のせいで、ほほがうまく動かず、食べようとするたびに自分の頬を噛んでしまいます。
バンドを着けての第一回目の食事は「戦場」でした。口の中(ほほ)は引っかき傷と噛んだ傷で真っ赤になり、早々に口内炎のような擦り傷が複数、できてしまいました。
ワックス(蝋/ろう)無しでは生活できない
1回の食事で撃沈されてしまったので、次からは矯正歯科から渡されたワックスを付けてから食事をすることにしました。このワックスというのは、「一般医療機器」に属する炭化水素系ワックスで、「短期的使用歯科矯正用粘膜保護材」で、「ろうそく」の蝋(ろう)みたいなものです。丸い棒状になっているワックスを、一か所当たり、米粒大にちぎって、矯正器具の突起部を丸め込むように装着して、「とんがり」を無くすものです。
ワックスを付けるようになってからは、頬をバンドが擦ることはなくなりましたが、口の中に異物が入っているわけなので、相変わらず、飲む時、食べる時に頬を噛んでしまいます。
そのため、食事の際は、一口を通常の半分以下にし、とにかくゆっくり噛むように変えていきました。バンド装着後も、それ以前と同じ通常の食事は食べれてはいますが、食べるスピードは半減、といった感じです。
また、ワックスを付けた状態で食事をすると、ワックスが外れて一緒に食べてしまうので(最悪食べても排出されるので大丈夫ではある)、私の場合、バンドに対しての症状が比較的軽傷な右側だけ、食事中はワックスを外し、右側を中心に噛むことにして乗り切りました。
人間は環境に適用する(慣れていく)動物なので、歯列矯正という不快な状態にも、慣れていくか、何かしら抜け道(克服方法)を見つけていくものだ、と実感しています。
このバンド装着後、3週間が経過したら、いよいよ「歯列矯正」を象徴するような「ワイヤー(ブラケット)」を下の歯に装着することとなります。