100円で窓やドアに警報機を付ける方法(泥棒との攻防)

2021/09/05

DIY

t f B! P L

百円で防犯警報機

コロナ禍の営業時間短縮やリモートワークの増加で、事務所や店舗をねらった空き巣が増えているようですが、警備会社と契約するのも費用がかかります。そもそも警備会社に委託しても、かけつけるまでに時間がかかるので、それまでに逃げられたら結局 同じです。

いかに最初の侵入を阻止するか(時間をかけさせ諦めさせるか)、がポイントになるのですが、以前、学生時代に住んでいたアパートで空き巣被害に遭い、その後2回目以降を阻止した経験を記しておきます。どなたかの参考になれば幸いです。

泥棒に入られた(アパート1F角部屋)

学生時代、夜、アルバイトから一人暮らしの自分のアパートの部屋に帰り、ドアの鍵を開けたら、なんと中からしか掛けられないはずのドアガード(チェーンロック)が掛かっていて開けられません。
ドアガードロック
その隙間から中を覗いたら部屋の灯りがついており、ギョッとしました。

1階だったので、建物の脇から庭(ベランダ)のほうにまわると、ガラスが割られ、部屋の中は荒れ放題でした。
空き巣に割られた窓ガラス
すぐ警察を呼び、指紋などを採取してもらいましたが(おかげで部屋の中は指紋採取用の銀色の粉だらけになりました)、指紋と足跡は採取されましたが(自分よりも小さいサイズの足跡)、結局、犯人は捕まらず終いです。

貴重品は隠していた

幸い貴重品(現金や印鑑、通帳類)は常日頃から隠していたので盗られることはなく、その時の被害は、なぜかミスチルのCDのパッケージ(←CDの中身はコンポの中に入れていたので盗られなかった)と、割れた窓ガラスだけでした。
窓ガラスは賃貸に入居する際に加入していた保険で相殺することができました。

泥棒はリピーター性がある

ここで私が感じたのは、被害額がほぼ無かったことから、「これは犯人はまたやって来るだろう」ということです。本当は引っ越すのがベストなのですが、学生という身分ということもあり、予算的にもそんなにすぐには引っ越せません。

そこで、2回目を防ぐために、セキュリティを強化することにしました。

100円で窓やドアに警報機を付ける

窓は元々 二重にロックはしてあったのですが、普通のロックと上につけていたロックの2か所とも割られ、開けられていました。あいにくそのアパートには雨戸やシャッターはありません。

そこで、窓を開けたら大きなブザー音が鳴る仕掛けを、庭側の窓と出窓の2か所に作りました。

100均の防犯ブザー

使ったのは100円ショップで売られている防犯ブザーです。よく「通学中に何かあったら」に備えて子どもに持たせるランドセルにぶら下げるようなやつで、紐を引っ張ったら大きな音がなる電池式のブザーです。
100円ブザー警報機
これを、

  1. 窓またはドアの脇(上の方)の壁にぶら下げ、
  2. 窓またはドアのほうにはフックを付けます。
  3. 警報機として作動させたい場合は、そのフックにブザーの紐をひっかけてセッティング完了です。
百円警報機の設置方法
これで誰か窓またはドアを開けたら、フックに引っかかった紐がブザー本体から引き抜かれ、ブザーが鳴ることになります。

フックになるものは、ヒモが引っかかるものであれば何でもよいです。ドアや窓枠が磁石がくっくつ材質であればマグネットフックが便利ですし、それ以外にもシールで貼れるワイヤーステッカー(配線を固定するやつ)やS字ネジ、針金を「し」の字に曲げてテープで貼り付けてフック代わりにする・・・など身の回り品で用が足せます。

ブザーはなるべく上の方に仕掛けたほうがよいでしょう。目線の高さだとドア(窓)を開けるとき、泥棒の視界に紐が入って気づかれる可能性があります。

これが作動すると、大きなブザー音にビックリして、侵入者は退散する確率が高いです。近隣住人がブザー音に反応してくれることも期待できます。

ちなみにブザーのヒモは、ピンと張ってフックに引っ掛ける必要はない(少し緩みがあってもOK)なので、自分が外出する際、玄関のドアに、外からドアを閉じながら、隙間からフックにヒモを引っかけるようにしてこの警報機をセッティングすることもできます。

誤作動させた場合は、紐(ツメ)を戻せば鳴り止み、繰り返し使える

この簡易ブザー警報機を設置すると、うっかり設定したことを忘れて、窓やドアを開けた際、自分で作動させてしまうことがあります。大音量でビックリしてしまいますが、慌てず、紐の先についたツメを、ブザー本体に差し込みなおせば、すぐに音は止まります。

誤作動は、ちゃんと機能するか?の設備点検と思えばよいです。慣れてくると、うっかり設定したまま自分が窓やドアを開けてしまう・・・という誤作動もしなくなります。

このブザーは、本来電流が流れている箇所に、プラスチック製のツメを挟みこむことで電流を遮断し、そのツメを引き抜くと通電し、ブザーが鳴るようなシンプルな仕掛けになっているので、電池残量がある限り、何度でも使い続けることができます。

お賽銭泥棒対策などいろいろ使える

この方法は、例えば神社のお賽銭箱の下側に仕掛けておくとか(お賽銭泥棒がお賽銭箱を持ちあげたら紐が引き抜けてブザーが鳴る・・・といった感じ)、旅先でちょっと旅行カバンやキャリーケースを置いておく時など、いろいろな場面に応用できます。

2回目:侵入阻止に成功

このブザーをセッティングした後、(やはり泥棒は2回目があり)侵入阻止に成功したことがありました。

ある日、換気のために出窓のほうを少し開け、部屋を留守にしたのですが、帰って来ると出窓と網戸が大きく開いており、ブザーの紐が本体から離れ、作動した痕跡がありました。帰宅した時にはブザーは鳴っていませんでしたが、おそらく侵入しようとした者が出窓の窓と網戸をスライドした時に、ブザーが作動し、大音量で鳴り続け、侵入者は退散。その後、ブザーも電池切れになるまで鳴り続けたものと思われます。

侵入は阻止しましたが、ただこの時感じたのは「これは3回目もあるな。」ということです。

どうも泥棒心理としては、一度味をしめたところは、自分の縄張りのように何度も俳諧して、隙あらばまた侵入する傾向があるようです。ニュースなどでも何回も泥棒に入られて●回目に捕まえた・・・というのをよく耳にします。

さらにセキュリティを強化

ということで、さらにセキュリティを強化することにしました。今度はさらに不審者が外から部屋の窓に近づいたら、部屋の中にいても分かるようにすることです。

防犯カメラやセンサーライトを付ける、というのが王道の方法としてありますが、学生身分の当時の私にとって、そんな大金はありませんし、当時は監視カメラは高性能でもなく、また安価でもありません。

釣り糸と空き瓶

よって、これまた100円ショップで売っているものや、拾い集めたもので以下のようなトラップを作りました。
瓶と釣り糸の罠
  1. 空きビンの口のところに釣り糸を結び、
  2. その糸をさらに別の空きビンに結んでつなげ、
  3. ピンと張った状態で、片一方のビンを上の方に置く
    (両方ビンである必要はなく、どちらか一方だけでもOK)

そうすると誰かがここを通ったら、釣り糸に足を引っかけて、上から空き瓶が落ちてきて、その人に当たる・・・もしくは大きな音がするので、誰かが近づいて来たことが部屋の中からも気づくことができます。留守中だったとしても誰かが通ったことが後から確認できます。

ガラスを細かく砕いた破片を巻く

また、人が侵入してきそうな場所に、ガラスを砕いたモノをまき散らしておくのも効果的です。人がそこを通るとガラスの破片を踏み、音がします。ガラスは電球や蛍光灯のような少し立体的で薄いものがベストです。

これはトム・クルーズ主演の映画「ミッション・インポシブル1」(1996年)でも主人公のイーサン・ハントが使っていた手でもあります。↓

この中で、トム・クルーズが電球を割って砕いて、その破片を床にバラ撒き、誰かが近づいてきたら音がするように細工をするシーンがあります。

3回目:事前に感知、犯人に遭遇、通報

以上のようなトラップをセッティングし、2ヵ月ほど経った頃、夜、在宅中TVを観ていると、突然、窓の外で「ガッシャーン!」と音がしました。例の釣り糸を付けたビンが落ちた音です。

そこでこちらは一応、金属バットを持って、庭側の窓を開け、出てみると「パンチパーマの身長155cmくらいの小柄で痩せ型、スウェット上下で吊りあがった細目で目つきが鋭い50歳台後半くらいのおっさん」が驚いたように窓の外の暗闇に突っ立っていました。

そこで押し問答となり、そのおっさんも「お前こそなんだ!」と人様の敷地の軒先でこちらに対して開き直る始末です。

これ以上、押し問答していても埒が明かないのと、おそらくこのおっさんが手を突っ込んだままのスウェットのポケットの中では、窓を突き破るための鋭利な工具を握りしめていることは安易に想像できたので、距離を取りつつタイミングを見計らって、いったん私は部屋に戻り、固定電話から警察に通報しました(当時は携帯電話など無い時代だったので)。

しかし残念ながら(というか当たり前ですが)、こちらが電話で通報している間に、その不審者のおっさんはママチャリで逃げてしまいました。

その1,2分後、「この近くにそんなにパトカーいたの?」というくらい5,6台以上、パトカーが駆けつけてくれ、付近の捜索・パトロールと、現場に残された足跡確認をしていただきましたが、結局、この時も捕まらず終いでした。

ただ、自分が仕掛けておいた激安セキュリティ・トラップが無事に機能してくれたことは、収穫でした。

4回目:犯人を目撃、尾行、通報

この話には後日談があり、これまた私が自転車でアルバイト先から帰る途中(夜23:00過ぎぐらい)ですが、家の付近で、ママチャリに乗った「あのおっさん」らしき人物をたまたま目撃しました。

なので距離を取りつつ、尾行をしてみると、そのおっさんは、ママチャリを止めては、近くのアパートの敷地内に入っていってはすぐ出てきて、また別のアパートに移動して、入ってはすぐ出てくる・・・を繰り返していました。迷いもなく、ルーティーンで巡るルートは決まっているようでした。

あの時のおっさんに間違いない、と確信し、ちょうど運よく、近くに駐禁を取り締まっているパトカーがいたので、そのおっさんのことを通報しました。

で、そのパトカーの警官2名は、そのおっさんを職務質問し、ママチャリの登録番号や住所などを控えたようですが・・・交通課だからあまりやる気がないのか・・・結局、その時は現行犯でもないということでおとがめなし。そのままそのおっさんを解放してしまい、結局、捕まらず終いです。

この時、警察にストックされたであろう不審者情報が、いつか犯人逮捕に役に立ってくれることを願うばかりですが、その後、犯人が捕まったという連絡は警察からはありません。

結局、それから私は大学卒業とともに、そのアパートを引き払ったので、そのアパートでの泥棒警戒の日々は終わりました。それ以降は、二度と1階には住まないようにしています。

紙きれで人の出入りを確認できる

上記の話とは関係ない余談となりますが、電気もお金もかけず、「そのドアを誰か出入りしているか?」を確認できる方法があります。
方法は簡単で、

  1. 紙きれ(1cm×4cm程度)を用意する
  2. それを軽く2つ折りにする
  3. その2つ折りした紙をドアや窓の上に挟みこんでおく
  4. 時間経過後、紙が消えていた(落ちていた)ら、誰かがそこを出入りしていることがわかる

というものです。
紙をドアに挟み出入り監視
なぜ紙を「軽く2つ折りにするのか」というと、軽く2つ折りにしたほうが、紙の反発力でドアにしっかりと挟まり、風などで飛んでいくことを防ぐためです。

紙の有無をチェックする時間を狭めていけば、何時頃に出入りしたのかまで把握することができます。

自宅の物置などに誰かが出入りしてるっぽいとか、マンションの管理人さんとかが管理物件で不審者の出入りをチェックしたいけれど、防犯カメラを付けるほどでもない時などに使える手段かと思います。

以上、セキュリティ関連で、この情報がどなたかのお役に立てば幸いです。

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