だいぶ以前(2000年代初頭)にカナダ・トロントに住んでいた時に、驚いたことの1つ。
トロントのダウンタウンにあるイートン・センター(Toronto Eaton Centre)のショッピングついでに、近くのYonge Street沿いにあるビデオ屋にウィンドーショッピングがてら、ぶらりと立ち寄ってみました。
そのビデオ屋は、チェーン展開しているビデオ・ショップではないものの、ふつうの映画や音楽系のDVDなどを売っている(おそらく一店舗単体で成り立っている)お店でした。中古品も少しはあるものの、基本は新品の取り扱いがメインのようでした。
自分は英語字幕で英語を勉強しようと、ハリウッド映画のDVDの激安品を探すのが当初の目的だったので、映画コーナーの棚を見ていくと・・・その並びの一角にはアダルトビデオのコーナーもあり、何気なく目をやると・・・・
かなりたくさんの日本のAVが・・・
なんとアダルトビデオのコーナーの3割~4割くらいが、日本のアダルトビデオ(DVD)で占められていました。日本の有名AV女優さんの、日本で売られているタイトルの作品が、英語のタイトルと英語のパッケージを付けられて、中身は uncensored (ボカしなし)で販売されていました。これらは違法コピー商品の類ではなく、北米で正規で販売されているもののようです。
ちなみにこのお店は「アジア系オーナーによるアジア系をターゲットにしたお店」ではなく、「カナダの一般人(白人等)を主な顧客層にしているお店」であり、陳列品もそうした品揃えでした。もちろんアダルト専門店ではなく、ふつうの「健全な」ビデオショップです。
まさか北米に来て、こんなに日本のAVが売られている光景に遭遇するとは思いませんでした。
その店のアダルトビデオのコーナーの割合は店全体の5%程度以下だったのですが、その5%のうちの30-40%が日本人女優のアダルトビデオだったのです。
それ以外は、白人系やら中南米系などでした。北米には確実に日本人女優市場というものが一定数、存在しているようです。
以前、日本は「夜のビジネスの先進国だ」的な海外での評価を聞いたことがあるのですが、その一端をこのビデオショップで目撃した気がしました。供給もあれば、需要もある、ということなのでしょう。
海外では"Japanese girls are easy."なんてささやかれていたりしますが、こうしたAVの普及が与える影響もあるのかもしれません。
例えばバンクーバーの語学留学中に亡くなった日本人女性の件も、こうしたことが背景として影響しているのかもしれません。
オンライン視聴が主流になった現在ですが、ストリートビューを見る限り、そのお店は現在も存在しているので、しぶとく消費者のDVD/BD需要を満たし続けている、ということなのでしょう。
チャイナタウンは偽DVD/BDだらけ
当時、自分はトロントのチャイナタウンからそう遠くないところに住んでいたので、チャイナタウンにもよく行っていたのですが、このチャイナタウンにも日本の映画やミュージックビデオなどのDVDやCDやたくさん売られていました。特によく行っていたのは、チャイナタウンの中心部にあるDragon City Mall(龍城)という、ちょっとカオス感がある中華ショッピングモールです。
このモール内にあるCD・ビデオ屋でも日本映画や日本のアニメ、J-pop(浜崎あゆみや宇多田ヒカル、ジャニーズなど)日本人歌手のミュージックビデオやCDなどもたくさん格安で売られていました。
しかし、それらはすべて偽物(違法コピー)でした。
例えば、チャイナタウンで売られているハリウッド映画のDVDも、本来、137分の映画がいろんなシーンをカットして118分に短縮してDVD収められていたり、といった具合でした。中華製のソフトの限界からなのか、収録物はすべて2時間以内に収めないといけないような法則があるようでした。
海外のチャイナタウンでこういうソフト系は絶対に買うべきではありません。
日本の漫画・アニメなど「表の文化」が北米でも人気なことは知っていましたが、このようなカナダにおけるアングラな形での日本のサブカルチャーの浸透ぶりは、現地に住んでみないとなかなか分からないことなので、勉強になりました。