以前、TVのニュースでも報道されていましたが、いまだに同じ通販系の詐欺サイトが横行しているので、その辺りをまとめました。
あ、この形式みたら詐欺サイト!
よく「あ、この顔みたら110番」とか「この顔にピンときたら110番」という指名手配のポスターを見かけます。詐欺サイトもパターンが決まっており、「あ、この形式みたら詐欺サイト!」と簡単に断定はできるのですが、それでも不思議なもので、「数撃てば当たる」で、サイト閲覧者の100人の1人とかの割合で、ダマされてしまう人がいるので、なかなか消滅しないのでしょう。
わかりやすい詐欺サイトの典型的なパターン
通販系詐欺サイトに共通してみられる、その典型的なパターンがこれ↓です。具体例:https://www.myxcy.top/
外見の特徴
- メルカリ調に四角形で商品を陳列表示
- 価格に打ち消し線を付けて、さらに割引してる風を装う(理由もなく全商品が安い、割引表示)
- 知名度がないサイトの割には、やたら取り扱い商品が多い
といった特徴を見かけたら、まず詐欺サイトと断定して間違いありません。
なぜ詐欺サイトがすべて似てしまうのかというと、同じHTML(ウェブサイトの書式・テンプレート)をコピペして量産しているからです。
サイト名やURLを変えても、ホームページの書式(テンプレート)が同じなので、少しwebのことが分かっている人が見れば、詐欺サイトであると一目瞭然です。
テンプレートはどれも同じ、つまりUI(ユーザーインターフェース)・・・閲覧者がみる見た目も同じですが、サイトごとに変えている中身も、以下の通り、パターン化しています。
中身の特徴
- 取り扱い商品・・・メルカリなどから勝手に商品写真や商品説明を無断盗用(つまり、この詐欺サイトがこの掲示商品を保管しているわけではないので、注文してお金を払ったところで商品は絶対に届くことはない)
- サイト名・・・実在している無関係な会社・サイトを無断盗用
- 会社概要の会社(販売業者)名・・・実在している無関係な会社の名前を無断盗用
- 会社概要の販売責任者名・・・実在している無関係な人物の名前を無断盗用
- 会社概要の所在地・・・実在している無関係な会社の住所を無断盗用
- 電話番号とメールアドレスだけ、詐欺集団のもの(但し、多々あるその他の詐欺サイトと同じ電話番号とメアドを使いまわしているので、電話番号やメアドで検索すれば、類似の詐欺サイト情報がたくさん出てくる)
といった具合に、中身のパターン化しており、どの通販系詐欺サイトも同じです。見慣れてくると一瞬で詐欺だと判別できます。
前述の通り、連絡先の電話番号とメールアドレスだけ、詐欺集団に直接、コンタクトが取れるようになっています(他の同系統の詐欺サイトと連絡先は同じものを使いまわしている)。
ダマされて問い合わせてきた人に対して、電話やメールで支払いの指示を出す必要があるためです。それに従って、銀行振り込みしたり、Amazonギフトを購入させられたり、クレジットカード情報を提供して課金されてしまっても、商品は届くことはありません。なぜならその商品ページは、メルカリなどから勝手にコピペしただけなので、詐欺集団の手元に商品があるわけではないからです。
「完全一致検索」でさらにダメ押し
電話番号やメアド以外にも、会社概要のテンプレートも同じ書式を使いまわしているので、例えば会社概要に書かれている、お問合せによりメール、お電話、ファックスにてご連絡させていただきます。という文章を、" " を付ける形で "お問合せによりメール、お電話、ファックスにてご連絡させていただきます。"で完全一致検索をかければ、同じ系列の他の詐欺サイトをピックアップすることができます。
電話番号やメールアドレスで検索するのも有効です。
ちょっと検索しただけでも、同じ文言を使いまわしているサイトは、以下のように出てきますが、これらすべて詐欺サイトです。
- https://www.myxcy.top/
- https://www.richance.top/
- https://ounceelder.top/
- https://www.mulctency.top/
- http://www.talomost.top
- https://www.farlet.top/
- https://www.mrsior.xyz/
- https://but.gendergeneral.xyz/
- https://good.exchangerisk.xyz/
- https://icelollymeterlic.xyz/
- https://ucld.vinorium.xyz/
- https://www.leucar.xyz
- https://www.defencepartial.buzz/
- https://so.friendlytwo.buzz/
・
・
・
上記URLは氷山の一角です。すでにトンズラして消去されたサイトを含めると数百レベルで存在しています。
URL末尾も特徴あり
ドメイン(URL/ホームページアドレス)の末尾にも参考となる特徴があります。それは、.top
.xyz
.online
.buzz
.shop
など、激安で売られているドメインが多い点です。
.top やら .xyz などこれらのドメインはあまり人気がないので、もともと安く販売されており、100個レベルでまとめ買いすると、さらに安く1個あたり数円~数十円以下となるため、まとめ買いをする。
↓
だから、.top など同じURLを使うことになり、結果的にほとんどすべての詐欺サイトのURLもパターン化してしまう・・・という詐欺サイト特有の共通点を露呈してしまっています。
すぐに消滅し逃亡する詐欺サイト
こういったサイトは、何人かをだましてほどほどお金を集めたら(=何人か被害者が出たら)、すぐにサイトを消去して、また新たに別のサイトを立ち上げて同じことを、今、この瞬間も繰り返しているようです。試しに上述の、2022年2月の時点で、詐欺サイトとして列挙されていた https://www.mrsior.xyz/にアクセスしてみたところ、やはり早々にサイトが消滅しており、以下のような画面が表示されます。 これ系のサイトは、トンズラしてサイトを閉鎖した後は、このように中国語が表記されることがほとんどです。
だまされる人の特徴
以上の通り、一瞬で詐欺通販サイトだと判別できるのですが、例えコピペ生成サイトであっても、それなりに手間暇かかっているであろうに、次から次へと存在し続けているということは、一定数、騙されてしまう人がいる、ということを示唆しています。以前、TVのニュースでダマされた人が登場していましたが、ダマされる人は、
- 情弱である
という共通点があるようです。
情弱(情報弱者)でよくあるのが、ネットはスマホでしか見ない、というパターンです。
スマホはパソコン版より、画面で提供される情報が少なくなるので、視野が非常に狭くなります。サイト全体をみれば「なんか怪しい」サイトであっても、スマホだと部分しか見ないので、騙される確率が上がります。
こうした詐欺サイトの判別に限らず、スマホ依存症の人は、かなり損をしている部分が多いということを知っておいたほうがよいでしょう。
まとめ:ダマされないためには
そのサイトが信用できるかどうか、ご自身の判断に自身がない人は、スキャムアドバイザー
https://www.scamadviser.com/jp/home
という、サイトチェックツールもあります。
このスキャムアドバイザーに、審査してほしい怪しいサイトのURLを入力すると、点数で表示されます。
怪しいサイトほど点数が低くなり、上記の詐欺サイトURLだと、だいたい、30点弱以下になることが多いです。
ただ、そうしたサイト・チェック・ツールを使うまでもなく、まとめると、詐欺通販サイトはパターンが決まっているので、上述の通り、
- 打ち消し線で元の値段を消して、赤字で安くしているアピールをしているメルカリ風のサイト
- .top とか .xyzとか格安ドメインを使っているサイト
- 名もない小規模サイトなのに、やたら商品数が多い
- 会社概要記載の電話番号やメールアドレスで検索すれば、類似のサイトや詐欺サイト警告情報がたくさん出てくる
という特徴がみられるサイトは詐欺サイトなので、関わらないのが一番です。