北米で長距離バスといえば、有名どころではグレイハウンドバスなどがありますが、満席だったり、(貧乏旅行者にとって)高くて予算と見合わない時もあります。
そんな時に私が時々利用していた裏技です。
北米は中国系社会でつながっている
アメリカやカナダに住んでいたり、行ったことがある人はご存知かと思いますが、だいたいどの主要都市にもチャイナタウンがあります。それだけ、中国系コニュニティーが北米全土に広がっていて、しっかりと根を下ろしているということです。
大きなチャイナタウンがなくても、ちょっとした町には大なり小なり、チャイニーズコミュニティがあり、漢字の看板を掲げた店舗などが密集した地域や区画があったりするので、すぐにわかります。
そういった都市同士は、だいたい中国系のバス会社(旅行会社)が運営する長距離バスでつながっていることが多いのです。例えば、ボストン~ニューヨーク~フィラデルフィア~ワシントンDC間とか、サンフランシスコ~ロサンゼルス周辺とか、カナダ・トロント~モントリオール間など。
グレイハウンドバスみたいに大体的に、オーガナイズドされた形では売り出されてはいないので、気付きにくいかもしれませんが、町中で、バスの側面に漢字で書かれたバスや英語だけどアジアっぽいバス会社名を掲げたバスを見かけたら、それです。
特に大都市間は、それなりに定期的・安定的に運行されています。
(北米に限らず、日本国内でも中国系のバスが各都市間を走っています。)
特徴
1.安い
そして中国系なだけに、運賃が安いのが特徴です。
グレイハウンドバスと比較すると、路線にもよりますが3-4割ぐらい安いことが多いです。
2.乗客は中国人だらけ
当たり前ですが、基本、乗客は中国人だらけです。白人が乗っているのをみかけたことは、私はありません。あまり英語のウェブサイトでは宣伝していないからです。
3.バス車内は
バス車内はどうかというと、「普通」です。グレイハウンドバスと同じような感じで、多くを期待していなければ「フツー」もしくは「意外と綺麗」という感じを持つことでしょう。
日本で長距離の夜行バスをいろんな会社が運行していますが、あれと同じような感じです。
但し、豪華さは期待してはいけません。あくまで「フツー」か「安かろう悪かろう」の意識が大切です。
私が乗った限りでは、けっこう空いていることが多くて、多くても7割満席ぐらいが多かったです。
4.日本人が乗ったら・・・
もちろん、ちゃんとお金を払えば、誰でも(日本人でも)フツーに乗れます。日本人が乗ると、車内で「同化」します(笑)。
私も最初は、中国人に白い目で見られるんじゃないかと心配してましたが、乗客のほとんどは中国人といっても、中国本土に住んでいる中国人ではなく、アメリカに住んでいる中国系の人々なので、ふだんは「人種のるつぼ」にもまれている分、バス車内に中国人以外がいても、ほとんど気にしない、という感じです。
ワシントンDCで知り合った日本人女性3人(20歳代後半~30歳前後)に、ニューヨーク行の中国系のバスを進めたら、後日、「フツーの長距離バス」「快適だった。」との感想でした。
気を付けること・向いている人
- 安かろう悪かろうを覚悟して自己責任で乗れる人
- 海外のいろんなバスに乗ったことがある人
- 中国語ができる必要はありませんが、ある程度、漢字で都市名を読めると良し(例えばトロント=多倫多、ニューヨーク=纽约・・・など)
- 臭いが気にならない人・・・これはその時の乗客にもより当たり外れがありますが、中華系の方々は独特な臭いがする野菜・食べ物、薬草などを運んでいることがあるので、特有の臭いが車内ですることがあります。チャイナタウンや中華料理屋でよく漂ってくるあの匂い系です。
心配な人は、ニューヨーク~フィラデルフィア間とか、乗車時間が2,3時間程度以内の短い距離のに乗ってみて、徐々に慣れていけばよいのでは、と思います。
バスの見つけ方・乗り方は
どの町にも中国系のバス会社や旅行代理店のようなものがあり、そこで予約したりチケットを買うことができます。その店舗はだいたい漢字で書かれた店名(例:●●旅遊中心・・・といった感じの店名)、バスのポスターなど貼ってあるので、日本人にはすぐにわかります。
店舗のショーウィンドウに、「多倫多(行き)50dollar!!」とか書かれているので、「あー、どこどこ行きのバスが出てるんだなー、ここで~行きが~ドルで買えるんだなー」というのがわかりますので、後はそのお店で(英語で)買うだけです。たまに日本に親近感を持っている店の方が(同じアジア系東洋系という同胞感で?)、カタコト日本語で話しかけてくれることもありました。
こういったバスは、インターネットでチケットを購入するのは不安な人もおそらく多いと思うので、やはり対面で購入したほうがよいかもしれません。
バスの乗り場は、その店舗の人に聞けばわかりますが、だいたいそういった店舗の近くに乗り場があることが多かったです。あと、町中に、明らかにそれっぽいバスが停車しているのを見かければ、「あー、この辺で乗るんだなー」というのがわかります。
街中でそういうバス(バスの側面に漢字やアジア系の会社名が書かれている)を見かけた時は、私は「あー、この町にもこれ系のバスが走ってるんだー」と思って、万が一の時の交通手段の選択肢の1つとして頭の片隅に入れるようにしていました。
海外で日本人が快適に暮らすコツ
海外で日本人が安く、快適に過ごすコツの1つは、チャイニーズ・コミュニティをうまく活用することかな、と思っています。ですので、初めて訪れた街などは、とりあえず最初はチャイナタウンもしくは中華系のお店が密集している区画にいって、安い食材や日本の食材を仕入れ、それをユースホステルに持ち帰って調理したり、だいたい日本語が使えるPCがある確率が高いので中国系のネットカフェに行ってみる、というのが1つのパターンとして自分の中にありました。