カナダの街中を歩くと、いまだに木製の電信柱(電柱)が多いことに気付きます。
こちらはオンタリオ州トロントのダウンタウン(Queen Street)の電柱。
木製の電柱に、勝手に広告類などのビラを「ホッチキス(ステイプラー)」で貼り付けるものだから、ビラを剥がした後に、ホッチキスの芯が残り、芯の上にさらに芯が打ち込まれ、何重にも芯だらけになって、錆びて大変なことになっています。これだけひどくなってくると電柱の耐久性にも影響が出てくるのでは・・・と心配になりますが。
もちろん、カナダにもコンクリート製の電柱もあるにはあるのですが、木製の電柱のほうが多いように感じます。
日本も昔は木製の電信柱ばかりでしたので、懐かしさを覚えます。木製の電柱にコケが生えたり、キノコが生えたり・・・そんな風景が昔の日本にもありました。
東のオンタリオ州だけでなく、西のブリティッシュコロンビザ州でも、カナダ全域において、木製の電柱が使われているようです。
下はブリティッシュコロンビア州バンクーバーのダウンタウンにて。
特に、ビルとビルの間は、日本でいうところの鳥居のような形の電柱が、私にとってはいかにもカナダ的(北米的)なイメージとして定着しています。
なぜカナダはいまだに木製の電柱が多いのか、考察してみると
- 森林資源が豊富で持て余している
- 地震もなく耐震性もそれほど求められない
- 湿度も日本ほど高くないので、木が痛みにくい
映画にもたくさん登場
そんなカナダの「名物」の木製電柱は、当然、カナダを舞台にしたドラマや映画、カナダをロケ地とした作品にもたくさん、写り込んでいます。
例えば、1985年の映画「ネバー・エンディング・ストーリー」(Never Ending Story)では、白いファルコン(竜)が飛んできて、悪ガキたちを追いまわして、ゴミ箱にインさせたのが、こちらのバンクーバーの Blood Alley の入り口(←ストリートビュー)。
上のストリートビュー内のビルとビルの谷間にも木製の電柱があり、映画にもしっかりと木製の電柱が映っています。バスチアンを背中に乗せたファルコンは、この鳥居のような電柱をくぐって飛んでいるので、かなり低空飛行していたことになりますね。
なんとゴミ箱もあの位置に健在です。
映画が1985年で、このストリートビューが2018年頃なので、少なくとも、もう33年以上は木製の電柱が使われ続けていることになります。