こちらは野生の子連れコアラ。
野生のコアラを直に見て、なぜコアラがあんな色(グレーや一部茶色)をしていて、じっとしている(あまり動かない)理由が分かった気がしました。
動物園のコアラは、(当たり前ですが)見やすいように通常、低い木の上にいます。
一方、野生のコアラは、結構、高い木の上のほうにいることが多いです。
パッと見、木と同化していて、ユーカリの木のコブのようにも見えます。こちらの目が慣れるまで見つけるのが大変でした。
コアラの擬態
ユーカリの木もグレーっぽい色をしていて、コアラが何であのグレーな色をしているのかが分かったような気がしました。一種の擬態が入っていると思います。木に擬態して外敵から身を守っている感じが、野生のコアラからヒシヒシと感じられました。
こちらは基本グレーに、ちょっと茶色が入ったコアラ。
木も茶色っぽいので同化しています。それとも、この木にずっとくっついていたので、木の色が体にこすり付いてしまったのでしょうか。
その他、コアラが高い所でじっとしている理由としては、
- 主食のユーカリが栄養分が低いから体力温存
- 水分をほとんど取らないので木に密着させることで、木に体温を吸収してもらう
- 高い所は風通しがよいので灼熱の環境下で体温調節しやすい
実際にユーカリの木を触れてみると、ちょっと冷んやりしています。
意外と動きは速いコアラ
じっとしていることが多いコアラですが、ではすべてにおいてナマケモノみたいに動きが遅いのか?というとそんなことはないようです。
以前、多摩動物公園の閉園間際にコアラのブースを覗いていたのですが、閉園につき、展示スペースからお休みスペース(檻の中)に追いやられるときに、複数のコアラが、猛スピードでかけていったのを目撃しました。あまりの駆け足(四つ足)の速さと、ふだんとのギャップに吹き出してしまったことがあります。
オーストラリアでも民家に入ってきたり、コアラは意外と活発に動き、行動範囲も広いようです。
上にも下にも何かいるオーストラリア
さて、メルボルン郊外での野生のコアラ探しですが、上のほうばかりに気を取られていて、ふと下に目をやると、下にもなんだか変なものがいました。
ハリモグラです。
こちらを警戒してか、はたまたお昼寝中なのか、微動だにしません。ハリモグラも地面や小枝や草に擬態しているようにも見えます。
北半球と根本的に動物が異なる南半球
私が思う、オーストラリアの一番面白く魅力的な点は、北半球の国・地域と動物が根本的に異なる、という点です。
カラフルなインコが集団でふつうに飛んでいますし、デカいオウムも飛んでますし、トキの仲間がブリスベンの街中にふつうにいますし、カンガルーは突然、林の中から飛び出してきたり、ゴルフ場を占拠していたりしますし、一瞬カラスみたいに思える鳥も、目が黄色だったり・・・白鳥ではなく黒鳥が多かったり・・・ペンギンパレードが、なんだか団地に帰宅する哀愁を帯びたサラリーマンの集団に見えたり・・・とりあえず、いる動物が北半球と南半球では根本的に異なり、特にオーストラリア大陸のように、隔離されつつもそれなりに面積があるので種類も豊富で面白いと感じています。
オーストラリアは国全体が動物園。そんな印象です。
ちなみに、オーストラリアでもロッテの「コアラのマーチ」は売られていますが、オーストラリアバージョンのものは、Australian KOALA Foundation(savethekoala.com)・・・オーストラリアのコアラ財団のロゴなどが入っています。