- Honest Eds(オネスト・エド/エッズ)(正直者のエドさんのディスカウントストア)
- 創業者:Ed Mirvishさん(2007年他界)
- 1948年創業~2016年12月31日閉店
- 581 Bloor St W, Toronto, ON M6G 1K3 CANADA(Bathurst St.×Bloor St.)※建物は取り壊し済み
- URL: http://honesteds.sites.toronto.com/(すでに消滅)
私はこのお店の近く(同じBathurst St.沿い)に住んでいたので、何回か足を運ばせていただきました。カナダ生活を始めるに当たって、ここで買った、現地電圧対応のコンパクトだけどチープ感漂うドライヤー(9ドルくらいだった)は、今も持っています(もう使ってないけど)。
「地球の歩き方 カナダ」にはこんな記述で紹介されていました。
経営者エディ・マーヴィッシュはトロント立志伝中の人物。1948年に開店した"世界最初"のバーゲンショップHonest Ed'sで成功、周辺はマーヴィッシュ・ビレッジと呼ばれるほどの繁栄をみた。一時はトロントアートの最有力パトロンとして劇場街にEd'sのロゴ入りレストランを軒並み出店したが、近年ほとんど閉鎖してしまった。
「地球の歩き方 カナダ 2002~2003年版 P294」
よく「トロントのランドマーク」という表現でこの店は称されてました。
スターの肖像画っぽい商品などが比較的多く陳列されていたのは、このショービジネス経由で流れてきたものだったのかもしれません。
ドン.キホーテと共通点ありすぎ
- パチンコ屋みたいな派手な外観(ネオン)
- 店内は中2階とか連絡通路とか迷路
- 値段を掲げた手書きのポップが名物
- カオスな商品陳列方法
- 食品から家電、変な肖像画みたいなものや1ドル(100円)ショップレベルやコテコテのカナダのお土産品やら雑多な商品が入り乱れ
- 安いのもあるが(一見安そうに見えるが)他店より高いものもあったりする
・・・と、日本のドン.キホーテと共通点ありすぎ。まるで日本のドンキホーテがこのオネスト・エッズをお手本にしたのではないかと思えるようなトロント名物のお店の1つ。
店内は基本、白色で統一されていて、広く見せるため?か、柱や壁面に鏡が多用されていました。なんというか、1948年創業だからか、「昭和感」にあふれていて、これ大丈夫なの?というような商品から何まで、買わなくても見てるだけで楽しくなるような感じのお店でした。
一番、印象的だったのがお店の出口がニューヨークの地下鉄の回転式鉄格子扉みたいになっていること。
↓オネストエッズの出口の写真あり
https://www.blogto.com/city/2016/12/honest-eds-closes-its-doors-forever/
入口と出口は基本ワンウェイ(一方通行で何か買わないと出られないような感じ)になっていて、この回転式鉄格子をガチャンと押して通るとき、「あぁ、外国に来たんだなぁ。」と実感したものでした。(日本だと入口→出口が一方通行形式のスーパーはありますが、威圧感がある回転式鉄格子扉をスーパーに取り入れているところはないですよね。)
閉店時には名物のPOPが1ドルで売られたらしく、行列ができていた模様です。
https://ameblo.jp/vmd-up/entry-11866993589.html
看板保存計画
オネスト・エッズの看板は、「トロントニアンの歴史の一部だ」ということで、イートンセンターの近くにあるEd Mirvish Theatre(エド・マービッシュ劇場)の外観に掛けて、看板を保存しようという計画も持ち上がったようです。
→Youtube動画:Keeping honest: Preserving Toronto's Honest Ed's sign
(オネスト・エッズの看板を劇場に移動させた後のイメージ図などの動画)
しかし、こちらの2018年8月のストリートビューで見る限りでは、「Honest Eds」の看板は、劇場には付いていない模様です。
看板の付けられるスペースは空いているようですが、どうなるんでしょうか。
英語版のウィキペディア(https://en.wikipedia.org/wiki/Ed_Mirvish_Theatre#Honest_Ed's_sign)を見ても、看板(sign)については、計画だけで進展については何の記述もありません。
ぜひ、あの赤い派手な看板を、復活させてほしいものです。
オネストエッズの不思議なお土産
最後にオネスト・エッズで何かのついでに買った、ベタなお土産品「カナダ国旗のキーホルダー」。
このキーホルダー、ちょっと変わっていて、片面がカナダ国旗、もう片面がアメリカ国旗(星条旗)デザインになっています。
そして真ん中が回転するようになっていて、国旗の真ん中部分が、アメリカ国旗とカナダ国旗が入れ替わるようになっています。
入れ替わったからといって、そこから斬新な何かが生まれるわけでもなく・・・アメリカとカナダの国旗の模様がピッタリ重なって驚く・・・という仕掛けでもなく(模様はズレていて何のヒネリもない)・・・。
「米加仲良くね!」とか「カナダとアメリカは表裏一体」とかそんな意味が隠されているのでしょうか?
もしかしたら、コイン・トスのように、真ん中をクルクル回転させて、カナダ面になるか、アメリカ面になるかの賭けに使って遊ぶ・・・みたいな用途かもしれません。
これを持っていれば、アメリカとカナダの国境はパスしやすい、とかそんな効き目があるといいのですが。
私のように、カナダとアメリカを頻繁に行き来していた者にとっては、一石二鳥の記念品にはなりますが、見事にその販売戦略の魔法にハマッてしまったのかもしれません。
いずれにしても、いかにもオネストエッズっぽい、ベタで摩訶不思議なお土産品だと思いますが、オネスト・エッズを偲んで、大切に持ち続けていようと思います。