海外旅行などで、自分へのお土産は何にしようか迷うこともあるかと思いますが、私は自分が持参したガイドブック(「地球の歩き方」など)が、自分への一番のお土産となっています。
ぼろぼろになった1冊の本。
実はこれ、旅のガイドブック「地球の歩き方 カナダ 2002~2003年版」をキンコーズで背表紙を断裁した後、レザック紙スカイ色でくるみ製本し直したもの。
なぜそんなカスタム製本しなおしたかというと、海外で自分の身を守るためです。
海外では、
黄色い表紙(地球の歩き方)の本を持っている=現地に不慣れな日本人観光客=カモ=犯罪のターゲットになりやすい
・・・ので、ガイドブックに見えないようにするためです。カナダ渡航前に準備しました。
下の黒いのは「地球の歩き方 B01 アメリカ 2002~2003年版」。
このアメリカ版は、旅先の現地で入手したので、黒い布テープで表紙を覆いました。結構、ヘビーに持ち運びしたので、表紙を補強する意味でも、テープのグルグル巻きは結果、正解でした。
ガイドブックを「お土産化」する方法
この地球の歩き方ですが、各ページに、かなりメモを書き込んだり、フセンを貼ったりしています。
また、旅先で入手した現地のチラシやより見やすい地図、お店の名刺なども挟み込んだりしています。
日本のガイドブックには載っていない、中華系の長距離バス網の情報なども仕入れてどんどんガイドブックに挿入していきました。→関連:北米を格安でバス旅行する裏技
カナダ・モントリオールやナナイモのページを開くと、そこだけページの紙がパリパリしています。これは現地で雨で濡れてしまったからで、このパリパリしたページを開くと、当時の雨の情景が強烈にフラッシュバックしてきます。
こうした物証は言葉よりも雄弁で、自分にとって唯一無比なお土産となりました。
世界に1つだけの「地球の歩き方」完成
このように、現地で気づいたこと、感じたこと、バスの時刻表や、スケッチ、地図などをガイドブックの空きスペースなどにどんどん書き込んでいきます。
自分が散策した経路も、地図中に「→」矢印を付けて残しておくと、後々、便利です。
たまにガイドブックの情報も間違っている、もしくは最新版でもすでに古くなっている情報が紛れているので、それも自分で修正して書き込んでいきます。
そうすると自然と世界に1つしかない「地球の歩き方」が完成します。
あとで見返してみると、とても感慨深いものがあります。たまに、(揺れるバスの中で書き込んだものなど)自分で後から読んでわけわからない文字もありますが(笑)、いったい、自分は何を書いたのか探り直すのも、パズルみたいでおもしろく、昔の自分と今の自分の対話は、今の自分を見直す上でもとても有意義なものに感じます。
デジタル情報は意外と消滅しやすい
旅先での情報の記録媒体は、
- デジカメ写真や動画
- インターネット(お店のホームページなど)
デジタル媒体は意外と不安定
例えば、1のデジカメ写真や動画については、何年も経ってくると一部データ(画像)が破損してきたり、うっかり消してしまったりすることがあります。特にデータの保存媒体としてはHDなどけっこう、破損しやすいので、CDその他複数に分散しておかないと後悔することになります。また、一見永久的に保存できるように見えるCDなどのメディアも、意外と破損したり、再生できなくなったりすることがあります。
巷では、結局、デジタルより石碑など昔からの超アナログのほうが、未来永劫的に情報(文字)を保存できる、と言われるようになっています。
また、写真は撮ったはいいが、これがどこの場所だったかいまいちわからなくなってきたりする問題もあります。
インターネットも当てにならない
2のインターネット(ホームページ等)については、例えば2003年頃の私がよく見ていたホームページを見ようと思っても、もうすでに消滅してしまったり、google圏外に飛んでしまって(URLをこちらが控えていないと)今となってはたどり着けないものがたくさんあります。ホームページ等については、archive.org などのアーカイブ・サービスはあるにはありますが、これも万能ではなく、昔のホームページを見ようとしても、画像が飛んでいたり、全体が綺麗にアーカイブされていることは稀で、使えないことが多いです。
そんな時に、最終的に役立つのが、やはりアナログ媒体(書物)での記録保存方法です。
ネット情報も大切ですが、万が一に備え、私はアナログだけでも旅が続けられるようにいつもしていました。
ガイドブック(地球の歩き方)には、今では無くなってしまった(つぶれた)お店などの情報など、今となっては貴重な情報も載っているので、後々、いろいろ調べてみるのにも役立つます。
ネット上のデジタル情報は特に過去のものはどんどん消えていってしまう(検索で辿りづらくなってしまう)ので、保存媒体としての紙のガイドブックは貴重で、時間とともに価値が上がってきます。
もちろん、旅の思い出に現地の品物をたくさん買い込む、というのも良いと思います。ただ、貧乏バックパッカーや長期旅行者にとっては、荷物になるものはできるだけ避けたいものです。
所有物は増えれば増えるほど、物に拘束されるようになり、行動も制限されるようになります。
物を増やすのではなく、すでにあるモノに付加価値を与え、宝物に変えていくのもアリかな、と思います。
旅の工程と思い出を1冊に凝縮することで、世界に1つだけのガイドブックという、最高の「未来の自分へのお土産」ができあがるので、ガイドブックの活用はオススメです。