海外ホームステイは日本人には損

2019/10/10

アメリカ オーストラリア

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海外留学をした時などの現地滞在手段の1つにホームステイという形があります。その国の人の、その国の生活様式を24時間体験できるので、とても有意義な滞在方法ではあるのですが、日本人にとってはホームステイは損かもしれません。以前、留学手配に関わっていたこともあるので、メモしておきます。

なぜ海外ホームステイは日本人には損なのか

なぜ海外でのホームステイは日本人にとって損なのか、というと、日本人は食べる量が少ないからです。

ホームステイ代の内訳の大半は食事代で占められている(部屋は元々空いているので部屋代が占める割合は低い)ので、本来、日本人に必要のない量まで食べさせられる、という無駄な料金がホームステイ代に含まれているわけです。

日本人の食事、特に和食は、普通の量でバランスよく栄養が摂れるようになっていて、それゆえ、世界では健康食として和食ブームが起きています。

一方で、欧米圏はどうか?というと、偏食でカロリー過多。例えばアメリカの成人の36%が肥満で、2030年には44%に跳ね上がると言われています。海外留学先として人気なオーストラリア、ニュージーランド、カナダなども似たり寄ったりです。

海外ホームステイをすると、「日本人は少食ねぇ」とか中には「日本人が痩せているのは日本は食べる物が無いから。かわいそう。」という発想で、どんどんホームステイした日本人に食べさせようとします。
また、「郷に入っては郷に従え」という言葉もあるように、滞在者も現地の習慣を受け入れようとします。

結果、2,3ヶ月で10kg以上太り、肥満になってしまう日本人が多いです。特に日本人女性は良く言えば社交性があり環境適用力が高い(悪く言えば受身で流されがちでNoと言えない、自己主張できない)ので、かなり太り、結果として健康リスクも負うことになります。

海外は紫外線も強いので、真っ黒に焼けて小太りになり、日本帰国時には「黒豚ちゃん」とささやかれる日本人が完成します。

また、一度肥満になると、後で頑張ってダイエットして元に戻っても、緩んだ皮は緩んだままなので、たるんだ皮膚を一生、背負うことになり、後悔先に立たず、です。


現地では、「どうしてそこまで大きくなったの?」と不思議なくらい巨大な人々を街中で目にしますが、そういう人達の価値観をホームステイでも押し付けられることになります。
一言で言えば食べすぎなわけですが、必要以上に世界中から食料を集め、大量消費・大量廃棄する世界を目の当たりにすると、嫌悪感や罪悪感さえ抱くことになるでしょう。

その反動で、欧米圏ではベジタリアンやビーガンという両極端の人々が登場することになります。

また、外国人、特に欧米系は海藻などを消化する酵素を持っていない人が多いのに対し、日本人は、海藻からも効率的に栄養を吸収できるなど、そもそも消化機能が違うので、「質」の意味でも、ホームステイでの食事は損になる可能性が高いのです。

ホームステイ契約は短期にしておくべき

もちろん、前述のようにホームステイでは現地の人の生活に密着できるので、とても有意義ではあるのですが、そういう生活は1ヶ月程度、長くても2,3ヶ月程度以内に収めておいたほうがよいでしょう。

元々日本人は、知らないうちにかなり良い生活(欧米系の人たちが憧れて目指している食生活)をしてしまっているので、あえて食生活を低レベルに落とした上で高い食費を払う必要はないのです。

ホームステイは飽きる

10代や一人暮らしをしたことがない人の留学なら、長期のホームステイもありかとは思いますが、一般的な成人の留学の場合、通常、2,3ヶ月もしたらホームステイに嫌気がさしてきます。ですので、海外渡航する際、もしホームステイを契約するのなら、1ヶ月更新で、2,3ヶ月後にはシェアやアパートに引っ越すことを想定して最初から動いたほうがよいです。

もし後で戻りたくなれば、改めて契約して そのホストファミリー宅に戻ればいいだけの話です。

当たり外れも激しい

食事の面に加えて、ホストファミリーにも当たり外れがあります。相性は人それぞれですが、Aさんにとって良いホストファミリーでも、Bさんにとっては相性が最悪、ということも結構あり、カルチャーショックやホームシック的要素も併発すると、ホームステイの当たり外れの「ハズレ」は、40%~60%ぐらいの、かなり高い確率で発生します。

その意味でも、ホームステイの最初の契約は1ヶ月以内に収めておいたほうがよいです。もし運よく相性が良ければ、ステイ延長するか、一度そのステイ先を出て、またそのホストファミリー宅へ戻ってくれば良いだけの話です。

語学留学のホームステイで失敗した人

日本の留学エージェントも、最初に現金をたくさん払ってくれたほうが利益になるので、1年留学希望者に、1年間、ホームステイを契約して1年分のステイ代をなるべく渡航前に払わせようとします。

失敗の大半は長期分を前払いしてしまう点

以前、カナダ・オタワで、1年間の語学留学に来た日本人女性(20歳代後半)に会い、ホームステイ先に遊びに行ったことがあります。その人は1年間の語学学校代とホームステイ代を先に日本ですべて支払ってきたそうです。

しかし、ホームステイに行くとホストファミリーは初老の女性が1人で、あとは素性がわからないヨレヨレTシャツを着た50歳前後のオジサンが2人ステイしていて(ホストの親族ではない)、平日の昼間っから、庭や家屋をうろうろしていました。

その女性の部屋は鍵が付いておらず、誰でもいつでも入ってこれる状態で、お世辞にもあまりいい環境ではないな、という感じでした。

何やらその女性は離婚をして、その慰謝料をすべて語学留学費用に腹いせでつぎ込んでしまったようで、口癖は何かにつけて「日本の男性は・・・」とあたかも元旦那が日本人男性の代表であるかのように、日本人男性の文句が口をついて出てくるような感じで、あまり良い精神状態ではないな、という感じではありましたが、いずれにしてもホームステイ代は返金不可とのことで、その方の今後のカナダ生活が案じられました。

留学会社は倒産可能性もある

2008年に大手留学エージェントが倒産して社会問題になりましたが、被害者の大半が、長期の留学費用を一度に前払いしてしまっていたことが被害が大きくなった原因です。この留学会社が日本国内の大手ということで話題になっただけでもマシなほうで、海外・現地にある留学会社が倒産して消えても、日本では話題にもなりません。
いずれにしても一度 払ってしまった留学費用は回収不可能なことがほとんどです。前払いの額が大きいほどリスクが大きくなります。

環境が変わればやりたいこと・必要なことも必ず変わる

そうでなくても人間、環境が変われば意識も変わり、やりたいことや必要なことも変わってきます。日本にいる間に思い描いていたやりたいことも、現地について2,3ヶ月もすれば、また変わってきます。そういう意味でも、日本にいるうちに1年分の語学学校代やホームステイ代は、払い込みしないほうが賢明です。特に海外では現地に着いてからの意識はガラリと変わりますので、いろんな変化に対応できるようにプランを柔軟に立てておくべきです。

特にホームステイは始めてみないと周辺環境含め、わからないことが多く、ハズレも多いので、初めから長期契約はしないことは鉄則です。

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