カナダの街中で、日本語を聞きたくなったら訪れていたトロントの日本食材屋「サンコー」。店内に入ると何かしら日本語が耳に入ってきます。
入口は狭いのですが、店内は奥に長く、日本の食材や食器、その他の生活雑貨などがけっこう充実していました。
私が通っていた頃は、側面の壁画は、比較的お店の前の方だけだったような気がしますが、なんだか年々、壁画は派手に拡大していっているようで、最近は店舗の建物全体がアート化しつつあるようです。といってもこの店舗だけが浮いているわけではなく、面しているQueen Street自体がポップな感じなので、街に馴染んでいる、という感じです。上の写真のような感じで「トロント名物」の1つとして、絵ハガキにするとかわいい仕上がりになるかもしれません。
店舗は角に面しているので、トロント在住の日本人だけでなく、この辺りのトロントニアンにとってもランドマーク的存在になっています。
私もよく「あ、今日もサンコーさん頑張ってるな~」とか思いながら、店の前を通り過ぎたり(たまに立ち寄ったり)していました。
トロントで50周年のサンコー
- Sanko Trading Co.
- 730 Queen St. W., Toronto ON CANADA
- URL: toronto-sanko.com
1968年創業~2018年で50周年を迎えたそうです。
http://bentoboxmag.ca/2018/08/16/50-years-of-japanese-goods-in-toronto/
カナダで50周年とはすごいですね。
上記URLの記事が消えてしまったようなので、簡単な要約を下記すると、
- 創業者 Sadao Mizunoさんは、日本文化を海外に紹介するのが夢だったとのこと。
- 1960年代と1970年代は、今のマルチカルチュラルなトロントからは想像できないほど、日本の食べ物はトロントニアン(トロントに住んでいる人々)には知られていなかった。
- 人種差別的なこともあって、いろいろ大変だったようですが、一生懸命働き続け、
- 今ではトロントの日本人コミュニティだけでなく、日本のグッズを探しているカナダの人々にとっても重宝するお店になった。
- 現在は2代目のスティーブ・水野さんが活躍されていらっしゃるそう。
最初は Spadina and Dundas St付近で創業したそうですが、20年ほど経った頃に現在の Queen West and Claremont のところに移転したそうです。
店内で売られているほとんどの食材・製品が日本製で、トロントやその近郊の日本料理屋さんなどの貴重な食材調達先になっているようです。
あのメガネをかけた猫?のような、おそらくサンコーのシンボルキャラクターらしき絵が妙に目立っていて、私が住んでいた当時から健在です。Queen St.の通りすがりの人々に強烈なインパクトを残しています。
サンコーで部屋を見つける
店の入り口近く(確か左側の壁のほう)には掲示板があって、そこで日本人用に、賃貸や売ります/買います情報的な、いろいろな紙のメッセージが貼られていて、よく眺めていました。トロントに到着して間もない、まだ1週間経つか経たないかぐらいに(カナディアーナ・バックパッカーズに滞在していた時)、私はその掲示板に貼られていた貸し部屋情報の中の1件の家主にコンタクトを取り、ワンルームに住むことにしました。
メッセージの下のほう、連絡先が書いてある部分がちぎれるようになっている、個人売買系の掲示場などで多い、あのよくある広告スタイルのやつです。
そんなわけで、サンコーは、私のトロント生活の第一歩を踏み出させてくれた、思い出の場所でもあります。
日本食材やグッズなどのハード面だけでなく、こうした人の行き交いというソフト面でも現地の日本人を、今も昔も支え続けてくれているSANKOに感謝です。