詐欺通販サイトをのぞいてみた

2020/05/05

web 日本

t f B! P L


消費者庁から詐欺通信販売サイトについての注意喚起が出ていたので、その詐欺サイトを見に行ってみました。

【消費者庁の周囲喚起】
https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_policy_cms103_200430_0001.pdf
「SENJU株式会社」と称する通信販売サイトを運営する事業者に関する注意喚起

・主な本件サイトのURL(主な掲載商品)
https://viss.gscsistore.xyz/(玩具など)
https://swbw.maorshop.xyz/(玩具など)
(注)実在するSENJU株式会社は、本件とは全く無関係です。

上記のURL(通販を装ったサイト)で、商品を注文してお金を振り込むと、違うものが届いたり、商品が届かないケースが多発しているとのこと。

ただ一見して、よくこんなサイトに注文する人がいたもんだ、というのが正直な感想です。

サイトURLが変

まず、サイトのURLが怪しすぎ。

意味不明なアルファベットの羅列

vissとか、gscsis・・・とか、swbwとか、maor・・・など、第三者が見て、URLがまったく意味をなさないアルファベットの羅列からして問題外。鼻から疑ってかかるべきレベルのサイト・カテゴリーに自分の中では振り分けられます。

第三者から見て意味をなさない文字列は、よくジャンクメールなどに使われていますが、この文字列を見ただけで、そのメールやサイトは、まず無視したほうがよいです。それだけで相手に対して不親切、ということの表れの1つなので。

.xyzというURL

続いて、これは消費者庁も以下のように指摘していますが、

本件のように、注文した商品が届かない又は全く異なる商品が届くような悪質な通信販売サイトでは、サイトのURLに「.xyz」などの見慣れないトップレベルドメインが使用されていることが多くあります。このようなトップレベルドメインが使用されている通信販売サイトには注意が必要です。

.xyz ならすべて怪しいというわけではもちろんなく、なら .com なら大丈夫なのか?というとそういうわけではありませんが、.xyz というのは、個人ブログで使っている人はたまにありますが、通販サイトや商用サイトで .xyz というドメインを使っているのは珍しい(怪しい)ですね。

.xyz のドメインは、例えばTwitterなどに貼り付けるとURLとして認識してくれなかったり、何かとディメリットが多いので人気がないドメインです。

そのため、.xyz はドメインが安いので、悪巧みを企てる者が、(安いので)大量に .xyz でURLを取得して、似たような詐欺サイトを大量に作っていることがうかがえます。

  • https://viss.gscsistore.xyz/
  • https://swbw.maorshop.xyz/

というのはおそらく大量にある同類サイトの氷山の一角なのでしょう。

.xyz ドメインは、購入時は1ドメイン68円とか激安ですが、1年毎の更新料は、.com など一般的なドメインよりも数百円、高くなっています。ですので、おそらくこの悪だくみを企てている者は、1年以内の使い捨てサイトを大量に作ってバラまいて、荒稼ぎして逃げ切るつもりなのでしょう(安いドメインを仕入れて使い捨て。更新はしない)。

その他変な点が多すぎる

上述のようなwebに関する基礎的な知識がなかったとしても、それ以外で変なところが多すぎるので、通常であればこんなサイトにオーダーはしないでしょう。変なところとは、例えば以下のような点です。

会社概要

会社概要
https://viss.gscsistore.xyz/index.php?main_page=about_us
を見てみると、


  • 会社名 su.ushopgifts.xyz
  • 運営責任者 su.ushopgifts.xyz

となっています。なんじゃこれ?という感じで、この1点だけでも完全アウトです。

特定商取引法に基づく表記」では、法人なら代表者名、個人なら個人名を必ずここに書かないといけません。しかしこの詐欺サイトに関しては、会社名も??、運営責任者も??です。この1点だけでもこんなサイトにお金を払うと危険です。

あと、同じく会社概要に表記されているメールアドレスも、@magiclanterng.com など、@マーク以下が、このサイトとどこにも関連性のないメールアドレスになっている点も、怪しさ度マックスです。

サイトの作りが粗い

自分が見ているサイトが、信じるに足るサイトかどうか不安に感じている人は、そのサイトの商品ページ以外のいろんなところをチェックしてみるとよいです。

例えば、この詐欺サイトの「よくある質問」
https://viss.gscsistore.xyz/index.php?main_page=faq
のページを見てみたら、


FAQ Sample Text?..
This section of text is from the Define Pages Editor located under Tools in the Admin.
To remove this section of the text, delete it from the Define Pages Editor.
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と表示されてまったく作られていません(壊れています)。

雑に作られており、使い捨てサイトであることがよく分かります。

画像が変

その他、悪質なサイトを見分けるコツとして、「画像」があります。

  • どこかから持ってきた(無断借用した)ような画像ばかり
  • 急いで適当にコピペで作った使い捨てサイトなので画像がぼやけている(画像の表示サイズが適切ではない)

などの特徴が見られます。

ふつう、まじめな商用サイトなら、商品を見せる画像は命なので、画像の表示サイズが適切でないのは致命的です。にもかかわらず、画像がいい加減なのは、「怪しいサイト」としてのマイナス・ポイントが加算されます。

日本語が変

あとこうした詐欺サイトや詐欺メール、フィッシングメールなどによくみられる点で、楽天を装った偽メールの具体例にも書きましたが、よく読んだら日本語が変ということが多々あります。

これは、たいていこういう詐欺サイト作成には「かの国」の人がかかわっていることが多いためです。

今回のこの詐欺通販サイトについても、消費者庁も以下のように指摘しています。

本件サイトは日本語で表示されていたものの、日本語の表現が不自然な箇所が認められました。日本語の表現が不自然な箇所が多数あるような通信販売サイトには注意が必要です。

念のため、WHOISにてドメイン情報を調べてみましたが、やはりドメインは中国のドメイン会社で取得しており、サーバーはアメリカにあるようです。

今時の詐欺サイトはもう少し巧妙に作られているのですが、この詐欺通販サイトに関しては、「まさかこんなサイトで注文する人はいないだろう」と思わせるような、かなりお粗末すぎるものでしたが、それでも引っかかる人はいるのが不思議です。

これだけスマホが普及し、誰しもがネットにアクセスするようになった時代、一般消費者も、もう少しだけITリテラシーを高めていく必要があるように思います。自分の身を守るのは、最終的には自分しかいないのですから。





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