18歳で尿路結石になった原因と再発防止法

2022/09/05

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尿路結石の結晶

結石といえば、ふつうは中年以上の大人にできるイメージがありますが、自分は18歳の時に尿路結石になりました。原因は、自分の特殊な生活習慣が関係していました。

だいぶ記憶は曖昧になりましたが、以下はその時の体験談です。

ちなみに尿路結石とは尿路(尿の経路である、腎臓→尿管→膀胱→尿道)のどこかに結石ができることで、石がある場所によって、腎結石とか尿管結石とか呼び名が変わってきます。

自分の場合は、腎臓にできた石(腎結石)が左の尿管に落ちてきたときに発覚したので、「腎結石」改め「左尿管結石」という名称だったように記憶しています。

一般的にも、腎臓内にできた結石が腎盂から尿管に落ちてきたときに激痛が走り、結石の最初の自覚症状となることが多いようです。

1.前兆

結石の痛みというのは、ある日突然、襲ってくることが多いらしいのですが、自分の場合、「今思えば」ですが、前兆のようなものが3,4週間前からありました。

それは腰の背中側、尾骶骨のやや左上あたりに、筋肉痛のような、筋を違えたような、まだ痛みまではいかないまでも、「腰に何かあるような」「違和感」を感じていたのです。

ただ、それまで大病になったこともないし、結石の経験もないので、当時は てっきり「筋トレ(腹筋と背筋)をしずぎて痛めたかな?」「寝違えて腰をひねったかな?」程度にしか思っていませんでした。

2.激痛

そして激痛はある日突然、訪れます。

自分はちょうど大学生活が始まった最初の夏休みで、運よく実家に帰省していた時でした。
朝起きて、自分の部屋から居間に降りた時に、突然、激痛に襲われ、思わずしゃがみ込んでしまいました。とても立っていられるような状態ではなく、縮こまって背部を押さえて何とか痛みに耐える、という状態です。

この激痛を例えていうなら、「銃で腹部を撃たれて、貫通せず、まだ体内に弾が残って転がり続けている」感じですが、実際に尖った石が体内をつつきまわっているわけですから、同じ状態と言えます。

巷では「女性は陣痛、男性は尿路結石が人生で一番痛い」と言われていますが、一番痛いかどうかは別にして、かなり痛いことは間違いありません。

ただ、時間とともに(体の動きとともに?)、激痛も微妙に波があるような感じだったので、自分は救急車は呼ばず、親に付き添ってもらい、タクシーで近くの病院まで行きました。

3.レントゲン

病院でレントゲンを撮ってもらった結果、尿路結石であることが判明。大きさは1~3ミリ程度ですが、細長い三角形のように尖っているので、それが腎臓から落ちてきて、尿管の入り口にさしかかって、尖った部分が当たったときに激痛が生じるようでした。

尿管というのは、尿意を促すために、かなり敏感にできている(感度が鋭い)らしいです。

そのため、痛みはあるものの、その程度は時間とともに(体/石の動きとともに?)微妙に変化するので、かつ石の大きさから、自分は手術や入院はせず、飲み薬・・・排石促進薬(結石の溶解や発育を予防し、排石を促す薬)で治療していくことになりました。

結石の大きさが4mm以下であれば、90%近い確率で、薬で自力で排出させることができるようです。

但し、石の尖っている部分が体内のあちこちに当たりまくると痛いので、安静は絶対です。

4.治療開始

医者から確か3週間分程度の薬を処方してもらい、自宅療養が始まりました。

といっても、大学の夏休みが終わるので、飛行機に乗って故郷を後にし、遠く離れた都会にて、大学に通いつつ、一人で尿路結石(尿管結石)の排石と向き合うことになりました。

自宅療養

自宅療養でしていたことは以下の3点です。

  • 処方薬を定めた通り飲み続ける
  • 安静
  • 水を多めに飲む(排尿を促す)

大学には、休むこともなく普通に通い続けました。当時はまだ1年生だったので授業数は多かったですが、大学の真裏のアパート(個室、トイレと風呂は共同)に住んでいたので、それほど負荷はなかったです。

吐き気との戦い

大学に通いながら飲み薬(排石促進薬)を飲み続けたのですが、その間も腰の後ろに鈍痛が不規則な波のように押し寄せます。

治療中(服用中)の症状としては、私の場合、「吐き気」がありました。

尿管の入り口から来る痛みが、腸や胃を刺激して、吐いてしまうことが何回かありました。

ある時、就寝中に突然、気分が悪くなり、ベッド横のゴミ箱に吐こうと思ったものの間に合わず、仰向けのまま真上の天井に向かって吐いてしまったことがあります。ベッドの高さから天井までそれなりの距離(1.5~2m近く)はありますが、人間の吐く力というのはすごいもので、嘔吐物は天井に余裕で到達しました。嘔吐は正味の射程距離は2,3mで最大5mほどはあります。

よくホラー映画ですごい勢いで吐くシーンがありますが、あれは嘘ではありませんでした。

後の掃除が大変だったのは言うまでもありません。

別の日には、キッチン全域に吐いてしまったこともありました。

5.突然、石が出た

薬の服用と、弾に押し寄せる鈍痛と吐き気と戦いながら、2週間を超え、もうすぐ3週間になろうとした頃だったでしょうか。

トイレで小便を足していたところ、突然、「シュポン!」という快感に近い感覚とともに、何かが「チャリン、ポチャン!」と音を立てて飛び出て、洋式便器の底に落ちていきました。
結石が排出されたトイレ

便器の底のほうには、小さな砂のようなものが一粒 見えます。

医者からは「石が出たら成分を分析するので、提出して。」みたいなことを言われていたので、ビニール袋を手袋代わりにして、便器の底の尿と水の中に手を突っ込んで、その小さな物体を慎重に拾い上げ、水で洗いました。
結石採取に茶こし

ちなみに、結石を排出させる1~3週間の期間は、少し面倒ですが、小便のたびに、尿を「茶こし」を通すようにして用を足すとよいかもしれません。

茶こしを予め使っておけば、私のように便器の水の中から結石を救い上げたり、便器の中へ紛失したり、結局、石が出たのか?まだあるのか?どうかさえわからない、とか石がいつ出たのかもわからず治療が長引く・・・といった事態を防げるからです。茶こしは100円ショップにも売っています。

結石は「砂砂糖」みたい

拾い上げたものは、幅1mm、長さ2mm弱くらいの、ひし形をした、茶色と赤がまざったような、コーヒー色のような半透明な結石でした。
砂砂糖は結石に似ている

コーヒーに入れる、砂砂糖にそっくりですが、結石と言われているように、体内で生成された結晶の塊なので、ある意味、宝石のように綺麗でもありました。

薬で溶解して、小さくなったので出てきたわけで、当初の石はこれの2倍くらいは大きかったものと考えられます。あちこちが微妙に尖っているので、これが尿管などに当たると激痛が走るわけです。

体内の結石は、 把握されている限り、1つだけだったので、これでひとまず今回の尿路結石は治療完了、ということになります。

お医者さんに、この結石の成分を調べてもらったところ、主成分はシュウ酸カルシウムでした。

6.尿路結石ができた原因

18歳という若さにもかかわらず、尿路結石になった原因を振り返ってみたところ、複数の要因が重なって、食生活及び生活習慣の集大成として、結石を作り上げてしまったものと考えられます。

考えられる主な原因は以下の通りです。

  1. ベルト(腰の圧迫)
  2. 食生活
  3. 運動不足

1.ベルト(腰の圧迫)

若い頃というのは、妙な(間違った過度な)美意識や強迫観念があり、当時自分はお腹をたるませたくなかったので、腰のベルトをきつめに締めるようにしていました。

この圧迫、特に尿管あたりへの長時間の圧迫が原因の1つと考えられます。

2.食生活

何も食べなければ石になる成分もないわけなので、食べた物の成分が関係していることは明らかです。

大学に入る前の1年間、受験勉強のために、私は寮に入っていました。寮の食事というのが、若い人向きのボリューム満点、カロリー高めの肉料理が多かったこと。そしてそれとは別に、私は、ふつうのよりカルシウム1.5~2倍?だったかの牛乳を毎日、愛飲していました。

さらに、大学に入ってからは、自炊を始め、ホウレンソウが安かったこともあり、「ほうれん草のお浸し」をけっこう、食べていました。一人暮らしだったので、一度ホウレンソウを買うと、量が多いので、数日は食べ続けることになってしまいます。

ホウレンソウ 結石」で検索すると、

シュウ酸は、腸から吸収されたあとに腎臓でカルシウムと結合し、結石の元の成分である結晶になります。
結石の多くが、シュウ酸カルシウム結石や、シュウ酸リン酸カルシウム結石ですので、結石を生じないためには、シュウ酸を取らないことが重要です。
それで、シュウ酸を多く含む食品(ほうれん草、タケノコ、チョコレート、紅茶、大根など)を制限した方がいいのですが、食べ方を変える事でも予防出来ます。
https://enjinkai.com/faq/2008/07/post-13.php

といった記事が散見されます。

私の場合、おそらく大学入学前の1年間の寮生活での食事が土台となって、最終的には「ホウレンソウのお浸し」がとどめを刺してしまったものと考えられます。

3.運動不足

大学に入る前、受験勉強で運動不足だったことも結石を作った要因と言えます。よく座っていることが多い「タクシー運転手やデスクワークの会社員など」は結石ができやすい、と言われていますが、受験生であった自分は、まさにそれに該当します。

受験勉強が始まる前までは、部活(バスケットボール)でかなりハードの運動をしていたものの、受験勉強に入ってからは、軽い腹筋と背筋等の筋トレはしていたものの、圧倒的に運動不足でした。

体の部位をあちこち動かしておかないと、体内に結石の元となる「こびりつき」みたいなものができやすくなるようです。

両極端の生活変化も悪影響を及ぼしたものと思われます。

7.結石の予防方法

結石の予防方法は、上記の原因の逆を行けばよい、ということになります。具体的には以下の通りです。

  1. お腹を締め付けない
    ベルトを強く締めない/腰を圧迫しない/緩ませる。
  2. 食生活
    • シュウ酸を多く含む食品を取り過ぎない。
    • カルシウムも同じく。バランスを考える。牛乳は1日コップ1杯以内に抑える。
    • 肉料理を食べ過ぎない・・・肉類に含まれる脂肪酸がカルシウムと結合し、結合できずに余ったシュウ酸が尿へ流れ、尿の中でカルシウムと結合して石ができるので。
  3. 適度な運動
    お腹を動かすヨガ的な体操や、ジョギング等(週に1,2回でも、1回5kmでも) そこそこの距離を走る、など断続的な上下運動を、一定時間伴うものが効果的。できかけた結石を自然排出させる。
  4. 水分を意識して取るように心がける
    水を多めに流すことで、できかけた、もしくは結石が小さいうちに尿として自然排出させる。コーヒーには利尿作用がある。

結石の再発率は7-10年以内に約40%と言われています。

自分は18歳での1回の結石を最後に、もうかれこれン十年は再発していないので、上記の結石ができた原因は図星で、そこから導き出される「結石の予防方法」は効果がある、と言えます。

尿路結石は確かに「痛い」ですが、医学の発達のおかげで、一般的な大きさの結石は、2,3週間程度以内の期間で完治(自然排出)させることができる、という点では、難病・重症というものではありません。
例えば私が今経験している歯列矯正は5年はかかるものですので、それに比べると、結石は短期決戦です。

どなたかのご参考になれば幸いです。

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