Adsense広告配信制限の誤認を防ぐための対策

2022/11/15

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Adsense広告配信制限の予防策

Google Adsenseを利用して収入を得ていると、突然、以下のような通知メールを受け取ることがあります。

「無効なトラフィック」によるAdsense広告配信制限の通知メール


お客様の AdSense アカウントでの広告配信を制限しました

先日、お客様の AdSense アカウントで無効なトラフィックが検出されました。Google ではこの事態を受け、お客様のアカウントでの広告配信を制限いたしました。今後もお客様のサイトのトラフィックは継続的にモニタリングされ、配信制限は Google 側で自動的に見直しおよび更新されます。

この通知メールの場合、原因は「無効なトラフィック」があったとのことで、Googleは「無効なトラフィック」を以下のように定義しています。
無効なトラフィックの定義
無効なトラフィックとは、広告主様の費用やサイト運営者様の収益を作為的に増やす可能性のあるクリックやインプレッションのことです。無効なトラフィックには、意図的な不正トラフィックや偶発的クリックが含まれます。
無効なトラフィックの例は次のとおりです。
  • サイト運営者様が、ご自身のライブ広告をクリックしてクリック数やインプレッション数を増やすこと
  • 1 人以上のユーザーが繰り返しクリックして、クリック数やインプレッション数を増やすこと
  • サイト運営者様がご自身の広告でのクリックを誘導すること(例: 広告をクリックするようユーザーを誘導するあらゆる言葉、大量の偶発的クリックを誘発する広告掲載など)
  • 自動クリックツールやトラフィック ソース、ロボット、その他の不正な行為を行うソフトウェア
https://support.google.com/adsense/answer/16737

「広告のクリック」に注意が行きやすいが・・・

そこでいろいろなサイトを検索してみると、広告配信制限の原因として、Adsenseの「広告をクリック」のほうに着目し、それについて解説しているサイトが多いです。

「いや、自分は広告をクリックなんてしてないし、なんで?」「第三者がやったのか?」と疑心暗鬼になってしまいます。

意外と「インプレッション」

しかし、意外と原因として多いのが偶発的な「インプレッション」のほうです。

「インプレッション」とは、簡単にいうと、自分のサイトを表示させてしまう(自分で見てしまう)ことです。

そんな偶発的な「インプレッション」を防ぐ(Adsenseから誤認され、広告配信を制限されるのを防ぐ)ための日々の注意点を以下にメモしておきます。

ちなみにGoogle Adsenseヘルプ(ガイドライン)には以下のような記述があります。

収益化と広告 > 無効なトラフィックに関するよくある質問
無効なインプレッションを発生させずにご自身のサイトを閲覧する

無効なインプレッションを発生させなければ、ご自身のウェブページを自由に閲覧していただけます。ご自身のウェブページを表示するだけで、良好なアカウントの状態が損なわれることはありません。ただし、広告をクリックしたり「ページの再読み込みを過度に繰り返したりする」と、ことは避けてください。
https://support.google.com/adsense/answer/1348754?hl=ja#faq3

つまり、普通に自分のサイトを見ただけでは普通は「無効な(不正な)トラフィック」にはならないのだけれども、「ページの再読み込みを過度に繰り返したりする」と、「無効な(不正な)トラフィック」と誤認され、広告配信制限のペナルティを受けてしまう、ということです。

以下1~3の行為が一日のうちに(ないし近接する日数のうちに)、何度か、または複数が重なってしまうと、Adsenseの広告配信制限が発動されてしまいます。

1.検索結果から自分のサイトを見てしまう

ネットで何か調べものをしている時、うっかり(Adsenseを表示している)自分のサイトを開いてしまうことがあります。

自分のサイトが検索上位に表示されることが多くなってくると起こりやすくなる事象です。

自分のサイトであることを忘れてクリックして表示させてしまうこともあれば、自分のサイトと認識して「あれ?自分はどんなこと書いたんだっけ?」と意識して開いてしまうこともありますが、その故意・過失を問わず、Google様は「インプレッション」の1つとしてしっかりカウントします。

1日に1,2回程度の表示であれば、通常であればこれだけで広告配信制限になることはありませんが、以下の他の行為と複数が1日に重なったりすると、Adsense白バイ警官の御用となり、広告配信制限の切符を切られてしまうことになります。

2.再起動で自分のサイトを何度も開いてしまう

「起動時にwebブラウザのタグを復元する」状態に設定している場合で、自分のAdsenseを表示しているサイトを表示している状態で、パソコンのOSやwebブラウザを再起動させると、改めて「インプレッション」が加算されます。

PCの不調や、Google Mapを使っていてフリーズした時などwebブラウザを再起動させる必要があるのですが(→詳細:地球の3D画像は表示できません(Google Map)の解決法)、何度も再起動させると、その都度、インプレッションが発生させてしまうことになり、Adsense警察の「インプレッション」許容キャパを超えてしまうことにつながってしまいます。

再起動でなくても、1日に何度かPCやスマホのオン・オフを繰り返していると「インプレッション」を発生させ、「無効なトラフィック」と誤認されてしまう可能性が高まります。

できる限り自分のサイトはwebブラウザで表示させない/表示させたままにしないほうがよいです。

3.記事作成中にプレビューを何度も見てしまう

記事を執筆中に、何度も仕上がり具合をプレビューで見てしまうのも「インプレッション」に加算される場合があります。

例えばblogger(blogger)では、プレビュー画面ではAdsense広告を表示させない設定にしていても、なぜかプレビュー画面に広告が表示されてしまうことがあります。

その対策としては、以下の2点、

  1. 記事執筆中はプレビューに頼らず、「作成ビュー」(WORDPRESSなら「ビジュアル編集」)画面で確認するようにする。
  2. 記事公開後は、Adsense管理画面のプレビュー「広告設定のプレビュー」機能で見るようにする(自分のサイトは決してweb上では開かないようにする)

が挙げられます。

Adsense管理画面のプレビュー機能」は、
  1. Google Adsenseにログイン
  2. 管理画面左側の「広告」をクリック
  3. 「サイトごと」の「広告掲載の自動化」内の、
  4. 確認したいサイトURLの一番右端になる「ペンマーク」をクリック
Adsenseでの広告の見え方
そうすると「広告設定のプレビュー」にて、webブラウザで普通に見ているのと同じ見え方で表示されるので、自分が今書いた記事の仕上がり具合を確認できます。

「広告設定のプレビュー」経由で見たこのサイト
アドセンスのプレビューでサイトを確認

Adsense広告配信の制限の解除にかかる時間

Adsenseの広告配信の制限のペナルティにかかると、通常、解除まで30日はかかります。Adsenseからは以下のような案内が併せて通知されます。

通常、この広告配信の制限がお客様に影響を与える期間は 30 日未満ですが、それ以上となる場合もあります。お客様の広告トラフィックが AdSense プログラム ポリシーに準拠するよう、お早めのご対応をおすすめいたします。

Googleは、広告配信の「制限」というマイルドな表現をしていますが、実際は広告配信の「停止」であり、この期間中は、Adsenseの収益は事実上「ゼロ」になります。

Adsense管理画面の「推定収益額」に記載されている金額が全部ゼロになるまで、つまり一旦、リセットすることをこの「30日」という期間は目的にしているようにも感じます。

尚、制限が解除されるまでの期間は、以下の通り、人によって(状況によって)バラバラです。

3,4日で解除されるケース

「不正なトラフィック」の原因は、ペナルティを受けた管理者が自分で探さないといけませんが、アナリティクスやAdsenseのログなどを自分で調べて、

  • それらしき原因が特定でき、
  • 「無効なクリックの連絡フォーム」
    https://support.google.com/adsense/contact/invalid_clicks_contact
    からそれを申告し、
  • かつその申告内容が図星(正解)だった場合

は、3,4日~1,2週間の短期間のうちに広告配信の制限が解除されることがあるようです。

特に、原因が第三者による悪質なクリック等だった場合は、被害者救済的に、すぐに制限解除に動いてくれるようです。

また、不正なトラフィックの原因が自分にある場合は、「無効なクリックの連絡フォーム」で申告する際、とにかく低姿勢で平謝りするようなイメージで書くことがポイントのようです。

30日かかるケース

これが一番標準的ですが、「不正なトラフィック」の、

  • 原因がわからない
  • または、「無効なクリックの連絡フォーム」(前述)から申告してみたものの、その申告内容がハズレ(不正解)

の場合は、定例の30日コースに乗せられてしまうことになります。その背景は、

  • 30日はAdsense側も様子を見たい(経過観察)
  • 30日程度、頭を冷やせ(謹慎処分)

という意味合いが込められているように感じます。

Adsense広告配信制限のペナルティを受けたら、調べてみたけれど結局、原因が分からず放置(なす術がない)・・・30日後ぐらいに解除された、というパターンが一番多いようです。

この30日コースのペナルティですが、実際は3週間が経過した頃から、ポツポツと広告が表示されるようになり、1円、2円と収入が入って来ることで、「あぁ、制限が解除されつつあるんだな。」と春の訪れを感じるような感覚になります。

30日以上かかるケース

状況が改善していない場合は、30日以上、ダラダラと制限が続くことがあります。

原因の一例としては、前述のように、「クリックが原因だと思い込んでいたが、実際はインプレッションが原因で、自分が自分のサイトを開きまくっている。」などの状態が続いている場合、相変わらず「インプレッション」という「不正なトラフィック」が続いているので、Adsense側も、「広告主様」の利益を守るために、広告配信を停止せざるを得ない、という状態が続くわけです。

悪意ある第三者による不正なトラフィックが続いている(いわゆる「アドセンス狩り」の)可能性もありますが、その場合は、アナリティクスやアクセスログ等で、特定の場所から特定のページへのアクセスが多いとか、特定の場所、特定の時間に広告クリック数が多い、などの形で探し出せるはずです。

それを「無効なクリックの連絡フォーム」で申告したり、IPアドレスを特定してアクセスを拒否するなどの手段で解決する必要があります。

30日経過したことで原因がわかることも

広告配信制限の原因(「不正なトラフィック」の原因)はわからないことも多いですが、30日の制限期間を経過して、分かってくることもあります。

上記のように、

  • ログ解析等で特に第三者からの不自然なアクセスやクリックが見当たらない場合で、
  • 自分で自分のサイトを開く(自分で「インプレッション」を通ってしまう)および自分で自分のサイトの広告をクリックする、という行為を30日間、徹底的に排除

した結果、30日以内にAdsense広告配信が復活した場合は、原因は自分にあった可能性が高い、ということになります。

自分が30日間、自分のサイトを開いてさえもいないのに、30日経ってもまだ広告配信制限が続いている場合は、第三者によるアクセスに原因がある可能性が高い、ということになります。

その場合は、そのアクセスを特定し、「無効なクリックの連絡フォーム」にて詳細を具体的に書いて申告していけば、解決につながるはずです。

広告配信制限の通知が来ると、「カーっとなって(もしくは真っ青になって)第三者による不正クリックか!!」と思ってしまいがちですが、『先づ隗より始めよ』で、自分の過失(無意識・うっかりな行い)がないか?から洗い出して、時間をかけて1つひとつ可能性をつぶしていくとよいでしょう。

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