今や身の回り品を何でもかんでもメルカリに出品して、少しでも利益を得ようとしている人が一般人の中にもたくさんいますが、メルカリはできる限り利用しないほうがよい、もし利用したなら、取引完了後はできる限りすみやかに出品ページは削除したほうがよいです。
その理由は主に以下の2点。
- 詐欺サイトに画像や出品情報が永遠に使いまわされる
- 個人情報の特定につながる
1.詐欺サイトに画像や出品情報が永遠に使いまわされる
メルカリに出品した画像や文章は、詐欺サイトに無断でコピーされ、自分が撮った写真や文章などが、ほぼ永遠にネット上に残り使いまわされ続けることになります。知らないうちに詐欺に加担することになってしまうのです。詐欺サイトの一例
例えば以下の詐欺サイトhttps://chasereuse.top/
も、たくさん商品を扱っている通販サイトのように見えますが、ほぼすべてメルカリやヤフオク、楽天などから勝手に画像と文章をコピペして、自動生成されたようなページです。
これが詐欺サイトである点は、こちら一目で分かるワンパターン詐欺通販サイトにてすべて書いてあるパターンの通りなので省略しますが、会社概要などもいい加減なので一目瞭然です。
こうしたサイトは1つ2つあるのではなく、稼働中のものだけでも数十~数百あり、すでに消滅したサイトも含めると数千~数万単位に存在します。
詐欺サイト例2
https://llgopcraf.cfd/
(こちらもほとんどの商品画像がメルカリから無断転用)
こうした詐欺サイトは、同じ書式をコピペして詐欺サイトを増産するので、同じ文章を使いまわします。例えば、会社概要によく使いまわしされている一文・・・
"お問合せによりメール、お電話、ファックスにてご連絡させていただきます。"といったキーワードで完全一致検索を掛ければ、同系の詐欺サイトが大量に検索結果に表示されます。
ふつうにネットリテラシーがあればすぐに詐欺サイトだと気づくのですが、残念ながら1サイトにつき数人は騙されてお金を払ってしまう人がおり、定期的にニュースなどでも報じられています。
一例:「モンベル」「ロゴス」偽サイト詐欺に注意呼びかけ
https://www.youtube.com/watch?v=xkkq0xRtDqA
「数撃ちゃ当たる」で、ダマされる人がいるので、永遠に詐欺サイトは生成され続けることになります。
「メルカリに出品する」ということは、こうした「詐欺サイトに、あなたの撮った写真や文章などの情報が、勝手に転用され続けてしまう」と同義語であることを覚悟したほうがよいでしょう。
総元のあなたのメルカリのページに、過去の売買ページが残っていると、同じ画像と文章なので、詐欺被害者からあなたが犯人か関係者だと思われ、余計なトバッチリをも受けかねません。
削除までの2週間は長い
残念ながら、メルカリは取引成立後、2週間はそのページを消せません・・・取引完了後に出品商品を削除することが可能です。
取引完了後、2週間経過すると取引画面に「この商品を削除する」ボタンが表示されます。ボタンをタッチすると出品商品を削除することができます。
https://help.jp.mercari.com/guide/articles/121/
・・・ので、ページが表示され続けているその2週間中に、詐欺サイトに捕獲されてしまう可能性も十分にありますが、いずれにしてもメルカリでの商品ページはできる限り速やかに削除したほうがよいです。
また、メルカリ運営者に「2週間ではなく、すぐ取引完了ページを削除できるように(取引完了者のみ取引完了後2週間は見れるようにしておけばよいにするなど)」システム改善願いを出すとよいでしょう。大勢が同じ「システム変更願い」を出せば、メルカリ側も制度変更してくれるかもしれません。
2.個人情報の特定につながる
2番目の「メルカリはすぐに削除したほうがよい理由」は、個人情報が特定されるからです。まず「出品した商品」一覧を一目みただけである程度わかる
「いや、メルカリはニックネーム使ってるからバレないだろう。」と思うかもしれません。しかし、出品物がたくさんあるほど、取引履歴が残っているほど、個人は特定されやすくなります。
例えば、ニックネームをクリックして表示される「出品した商品」一覧を一瞥しただけで、その人の、
- 性別
- 趣味
- 性格
- だいたいの家族構成
- だいたいの年齢
- だいたいの身長
- だいたいの職業(主婦か無職かも含む)
- 住んでいる都道府県のみならず、だいたいの地域(市町村区)
- 行ったことがある場所(国・地域)
- 働いている時間(応答する時間帯など)
- 本人のSNS・・・本人が気づいていない「文章の癖」「特有な誤字」等を検索にかければ、出品者がプライベートで使用しているSNSを特定できることもあります。
まで分かってきます。
特に衣服や靴、バッグなど身の回り品を出品している場合、相当な「個人的特徴」を特定できます。
さらに商品紹介文やコメントなどの文章が長ければ長いほど、ますます個人が絞れてくるのです。
個人特定の意図がなかったとしても、「この人にはこういうアプローチをすれば値引きに応じるだろう」というのも見えてきます。
今現在、メルカリ出品者で、自分の個人情報がバレていないと思う人は、
- 本気であなたを特定しようとする人が、たまたま運よく"今までのところ"いなかっただけか、
- すでに特定はされているものの、暴露されるまでには至っていないか、暴露に気づいていないだけ
さらに第三者が持っている情報との照合もある
上のメルカリ上でわかる情報に加えて、第三者が持っている情報と照合することで、さらに個人を特定することができます。これは私が実際に成功したことがある事例ですが、こちらに著作権がある著作物を、メルカリにて勝手に転売している者がいました。
そこで前述のように商品写真や説明文などから、購入した時期や住んでいる市町村区が特定できたので、その情報と、こちらの手元にある販売リストの情報の中から一致する者を抽出し、出品者本人を特定し、転売を中止させたことが何度かあります。
もう少し具体的に例をあげると、例えば、その人物の出品物の1つ「自分の子どもが通っている地方のスイミングスクールのロゴが印字されたボストンバッグ」を皮切りに、住んでいる町、家族構成、年齢性別、その他出品物などから総合的に本人特定まで至ったケースもあります。
メルカリは匿名性があるようでなく、分かる人には分かるのです。
本屋の万引きがバレたケース
これはある弁護士サイトのQ&Aに掲載されていた事例ですが、本屋で万引きした本の、メルカリでのテンバイヤー(転売屋)がバレた事例もあります。ある地方都市の本屋さんが、特定の分野の本の万引きに苦しんでいました。
そこでその本屋Aの店長が、メルカリをチェックしていたところ、
- 同じ県にいる、ある出品者(メルカリの「発送元の地域」で分かる)が、
- 万引きされた本と同じ冊数、タイトルの本を、
- 万引きされたのとほぼ同じタイミングでいつも出品し続けている
こと気づきました。
そこで店長さんは、その出品者の出品ページのコメント欄に、「Aという本屋さんを知っていますか?」とだけ書き込んだそうです。
そうすると、それ以降、ピタッとメルカリへの出品は止まり、その特定の分野の本の万引きも止まったそうです。
このように、メルカリは匿名性があるようで、本気で個人を特定しようと執念を持つ人にとっては、ある程度わかってしまうことがあるのです。
メルカリは利用すればするほど、個人をさらすことになります。もしメルカリを利用してしまった場合は、取引履歴はできる限りすみやかに削除したほうがよいです。