先日、交通事故でドリフターズの仲本工事さんが亡くなられました。 自分も以前、少し似たような事故に遭ったことがあるので、その辺りをメモがてら残しておこうと思います。
事故原因「右側の落とし穴」
まず「横断禁止」の場所であることは大前提としてあるのですが、仲本工事さん なぜ事故に? 危険ゾーン「渡っちゃう人も」(2022年10月19日)ANNnewsCHとのことで、道路を半分ほど横断した時点で、おそらく左側(反対車線)のほうに注意が行っており、右側を見ていなかったのではないか、と考えられます。
捜査関係者によりますと、片側3車線のうち2車線が渋滞している状況で、仲本さんが道路を横断しようと車の間を抜けたところ、歩道から3車線目の右折レーン付近で車に衝突したといいます。
https://www.youtube.com/watch?v=vBGeVknem1A
自分の近所の道路も同じような構造で、大通りの交差点が近づくにつれ、途中から右折レーンが1つ増えるような構造になっています。
道路を横断する際、手前側(左車線)が赤信号で車が停車し、渋滞状態になっていると、
- 今から横断歩道に行っても、今が歩行者が青だから行っても間に合わない、道路を渡ってしまおう
- 手前車線は車が停車(渋滞)中だから、右側からはもう車は来ない。反対車線の左側からだけを注意すればよい。
という心理が働きがちです。
ですので、仲本工事さんは、横断する際、最初の2レーンは右側に注意して渡っていたと思いますが、3レーン目になった際は、反対車線の左側から来る(かもしれない)交通状況に注意がいっており、手前車線の3レーン目(右折レーン)で右側から突進してくる交通状況を失念していた可能性があります。
特に右折レーンは、信号が右折専用の表示(写真一番上)になっているか、ガラガラに空いている時は、右折車は後方から猛スピードで入ってきます。そこに仲本工事さんが飛び出してしまった状態になってしまったのでしょう。
ちょうど現場は、2車線に右折レーンが加わり3車線になろうとしている曖昧なポイントで、右側後方から抜き出てくる右折希望車に、相当に注意しておかなければいけません。
しかし本人は、もう手前の車線(計2車線)は渡り切ったので、次は反対車線の左からくる車やバイクにだけ気を付ければいい、という心理に変わります。そこへ右側から右折レーンに入ろうとした車にひかれてしまったのでしょう。
基本的に道路は横断歩道以外は横断禁止ですが、にもかかわらず、わざわざ「横断禁止」の標識を掲示しているということは、そこで「事故が多発している」、つまり歩行者が事故に引っかかる何らかの危険なトラップがあるということを示唆しているので、相当、気を付けないということを今回の事故は、私たちに教えてくれます。
信号で停車中の車のすり抜け横断は危険
ということを言っている自分も、過去に少し似たような事故を経験しました。自分の場合、反対車線は赤信号で車は停車状態。手前側は車はゼロだったので、道路を横断したところ、反対車線の「自転車専用路側帯」を徐行せずにすり抜けてきたウーバーの配達原付バイクにはねられた、という経験をしました。
ちょうどその時、停車で連なっていたのは、車体が高いジャパンタクシー群だったので、ウーバーの原付バイクがタクシーの壁に隠れてしまっており、またバイクは時速30km以上は出ていたので、気づくのに遅れました。
→詳細:ウーバー配達バイクにはねられた事故体験談
それ以来、赤信号で停車(渋滞)中の車の列をすり抜けて横断することは、(当たり前ですが)やめました。
海外で経験することと似ている
これと同じようなことは、海外でもよく経験します。 日本と同じ左側通行のイギリスなどでは問題ありませんが、アメリカやカナダなど、車が右側通行の場合、道路を歩行者が横断しようとした際、ヒヤッとすることがあります。日本の感覚だと、横断する際、まず右側から来る車を注意して、次に道路の半分以降は、左側から来る車を注意する感覚が染みついていますが、海外では、手前のレーンでは、まず左から車が来るので、渡ろうとして予想外の方向から車が来てヒヤッとしたことがしばしばありました。
歩行者の道路の横断は危険であることを、今回の事故は改めて教えてくれました。仲本工事さんのご冥福をお祈り申し上げます。