良い病院・歯科医を見分けるヒント・選び方

2023/02/15

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病院や歯医者の選び方

歯医者や矯正歯科は、その数が多い分、トラブルもとても多くなっています。

ここ数年、ニュースで話題になっただけでも、以下のようなトラブル・被害が発生しています。

1.銀座の歯列矯正歯科
【独自】矯正したはずが“出っ歯”に…歯科矯正トラブル 被害総額2億円 被害者153人(2023年1月26日)
https://www.youtube.com/watch?v=Xr957NLDfXA
2.六本木の歯列矯正歯科
“トンズラ”院長を追跡…歯の矯正治療「ダマされた」20人以上が被害(2021年6月23日放送「news every.」)
https://www.youtube.com/watch?v=aBm0O468ou8

上記はたまたま矯正歯科の2例ですが、一般の歯医者であっても、「歯を削られすぎた」といったトラブル体験談が、YouTubeやSNSなどにたくさん上がっています。

ただ不思議なのが、いずれも「私なら絶対にそんな歯医者・矯正歯科は最初から選ばないのに」といった変な歯医者に通って被害に遭っている点です。

私は現在、歯の治療で3ヵ所の歯科医を掛け持ちしています。

  1. 町の矯正歯科・・・トータル5年計画の大規模な歯の矯正治療中(現在、1年半経過)。1ヶ月に1回ペースで通院。
    →関連記事:歯列矯正の青ゴムとバンドの痛みと注意点
  2. 歯科大学・・・上記1の矯正に伴い、奥歯を前に引っ張り出すためのアンカースクリューを歯茎に埋入(ネジのインプラント)したので、そのネジのチェックを3ヶ月に1回ペースで通院。
    →関連記事:アンカースクリュー(歯茎にネジ)埋入体験談
  3. 町の一般の歯医者・・・3,4ヶ月に1回ペースで、歯のクリーニングと虫歯や歯茎のチェックなど。また、上記1の矯正の圧迫により、歯の詰め物が落下したりするので、問題が生じた時にその治療のため。

こうした経験などをふまえ、私が実践している、良い歯科・矯正歯科を見分けるポイントを下記します。

必ずしもこれで100%良い歯医者・矯正歯科に巡り合える、というわけではありませんが、私自身はこれでハズレたことはこれまでありませんので、選ぶ際の1つのヒントにしていただければ幸いです。

「個人名」を院名に付けていない所は選ばない

これは歯医者に限った話ではありませんが、私は、町医者や町の歯医者さんや矯正歯科を選ぶ際、「個人名」を病院名(歯科医院名)に付けていない所は選ばないようにしています。

「個人名」を付けているとは?

「個人名」を病院名(歯科医院名)に付けているとは、例えば、

  • A歯科医院

といった感じで、Aには、田中とか後藤とか佐藤とか鈴木とか、その院の医者ないし歯科医の名前が入ります。

そして、できれば院名はすべて漢字が理想ですが(←地味ですが堅実なので)、個人名が入っていれば、一部ひらがな またはカタカナでの表記も許容範囲内です。

なぜ個人名を冠している病院・歯医者(矯正歯科含む)が良いか?というと、その名前の医師・歯科医が、
  • 自分の所有する院として、責任を持って治療に当たってくれる、
  • イメージ優先、派手な宣伝文句をする必要がなく、その医師の自身の治療がブランドである、
・・・ということの意思表示でもあるからです。

「個人名」が付いていないとは?

逆に、「個人名」が病院名(歯科医院名)に入っていないとは、例えば、

  • 中央駅前クリニック
  • (地名)東口歯科医院
  • ホワイトデンタルクリニック
  • カタカナ英語クリニック

といったカタカナを多用した、いかにも女性が好みそうな、柔らかいイメージ優先な感じの名前の病院・歯医者(矯正歯科含む)のことです。

こうした個人名を冠していない院は、例えホームページ上に院長名を記載してあったとしても、担当医がコロコロ変わる可能性があります

こうした病院・歯科医では、アルバイト的な医師が掛け持ちで働いていたりします。どこかで問題を起こしても(例え犯罪を犯しても)、医師免許や歯科医免許はなかなか剥奪されないので、コロコロ場所を変えては名前を目立たないようにして働き続けます。医師・歯科医がコロコロ変わっても問題ないように、院名に特定の医師・歯科医の名前を入れていないのです。
※あくまで町医者・町の歯医者の話です。総合病院や大学病院などは個人名を付けようがないので、この法則は当てはまりません。

こうした「個人名」が病院名(歯科医院名)に入れていない病院・歯医者(矯正歯科含む)が必ずしも悪い、というわけではありません。

しかし、後述のさらなるポイントと合わせて、総合的に病院・歯医者(矯正歯科含む)を選ぶ際の、玄関口的なチェックポイントとなりえます。

前述の、報道されるまで問題を引き起こした矯正歯科は、いずれも「個人名」が付いていないカタカナだらけの院名です。

派手な町の医院は避ける

派手な街にある病院・歯科医は避けたほうが無難です。派手な街とは、繁華街・・・例えば東京で言えば、六本木とか銀座などです。

上記、事件が報道された矯正歯科2件は六本木、銀座に構えていました。

こうした立地にある医院は、たいてい、浮足立った女性客や承認欲求が高くぼったくりしやすい男性客をターゲットにした商法をしており、案の定、そうした方々が騙されてしまいます。

町の中でも駅に近かったり、中心部にある医院は、家賃や同業との競争が激しいため、どうしても無理な宣伝で、無理やり患者を勧誘してしまう傾向があります。

「モニターで治療費が無料!」「簡単な治療!」など、ネオン街の看板同様、どんどん派手な勧誘文句で患者を集い、そしてそれに簡単にダマされる人も多い街でもあります。

都市部から少し離れた中堅どころ(中規模)の街に、良い医院が多かったりします。

また、駅から近くでも、駅の真ん前などではなく、少し外れた静かな場所にある、地味だけど堅実かつ清潔そうな医院を選ぶようにするとよいでしょう。

そもそも町の中心部や駅前にある病院・歯科医は、前述のように個人名を冠していない医院が氾濫している傾向があります。

ケバすぎる所は避ける

これは前述の「派手な町は避ける」に通じるものがありますが、受付や看護師、歯科衛生士らがケバい(派手)だったり、美人(美男)すぎたり、タメ口をきいてくるようなところは避けたほうがよいです。

ノリだけで、すべて乗り切ろうとします。

また、担当医が金のネックレスなどジャラジャラ着けているようなところも避けたほうが無難です。

院内が派手、装飾が綺麗すぎるところも避けましょう。医者や歯医者、矯正歯科に過度な派手さは必要ありません。

それだけ余計なところにお金をかけている=治療費が高いか、うわべで患者を募っている、ということです。

腕の良い医師・歯医者なら、院内の見た目も華美ならず、地味ながらも、機能的に洗練されて清潔にまとまっています。「清潔さ」と「美しさ」は違いますので、そこを見分けましょう。変なデザインに力を入れていたりしたらアウトです。

専門医を選ぶ

専門医を選んだほうがよいです。

例えば歯でいえば、虫歯の治療と矯正は違うので、虫歯の治療なら一般の歯医者さん。歯の矯正なら矯正だけを専門にやっている矯正歯科医を選んだほうがよいです。

田舎のほうなら、病院・歯科医の数が少ないので、1人の医師がオールラウンドでいろいろやることはうなずけます。例えば、歯に関しては、1人の歯科医が虫歯の治療もすれば、矯正もする、と何でも担当する形は田舎ならありえます。

しかし、都市部なら、同業の競争が激しいので、完全に分業が進んでいるはずです。むしろ専門に特化したほうが食っていけるようになっています。特に矯正歯科医は、腕に自信があれば、矯正1本に絞って営業できている傾向があります。

ですので、特に都市部では、歯の虫歯の治療もするわ、矯正もするわ、といった何でもアリ系の歯医者は避け、なるべく専門医を選んだ方がよい、というのも1つの選択基準になりえます。

ホームページやSNSがイメージ優先になっていないか

ホームページ(ウェブサイト)をちょっと見ただけで、その病院や歯科医の良し悪しがわかることもけっこう、あります。

ホームページやブログを自分で立ち上げたことがある人は、「あー、決まった書式で作られたホームページだなぁ~」と「医院専門にホームページを作っている業者」によってたらいまわしなコピペ書式で作られた、魂のないサイトであることを、一目で見抜けることもあります。

今の時代、だいたいどこの医院も、名刺代わりにホームページの1つくらいは持っていて然るべきですが、稀にホームページがない医院もあります。そういうところは、やはり時代に取り残されたようなお年を召された先生のところであることが多く、治療技術も昔から更新されていないことも多いです。

では、ホームページやSNSを持っていればそれでよいか?というと必ずしもそうではありません。

やたらと女性が好きそうなイメージ優先な、デザイン重視で作られたホームページの医院も、警戒したほうがよいです。

そういうところは、外見だけで中身がないことが多いのです。上の事件で報道された矯正歯科の1つは、やはり派手派手で圧が強いホームページの作りでした。

そもそも医師や歯科医は、そんなにウェブサイトに力を入れなくても、実重視のコンテンツを作っていけば十分なはずです。更新頻度も、休診日の変更のお知らせ等々以外は、1ヶ月に1回程度の更新でも十分です。

更新がないのも問題ですが、逆に、あまりに頻繁に更新しすぎているのも、「患者さんいないのかな?」といった参考材料になります。

ホームページ然り、院内も然り、なのですが、美しさと清潔感と医療の質は異なるので、美しさにとらわれすぎると、病院・歯科医選びに失敗します。

やたら安さや短期を強調していないか

やたら安さや、短期で治療が終了することを強調している医院も外したほうがよい候補になります。

上の事件で報道された矯正歯科も、200万円くらいのローンを先に組ませて、モニターになれば月々ペイバックがあるので、実質、治療費は無料になる・・・という安さ強調の手法でした。

そもそもなのですが、患者が払う治療費は、「体が良くなること」の対価です。

「体が良くなること」に加えて、さらにお金が返ってくるのなら、それは対価の二重取りになり、明らかにアンバランスで怪しい「おいしいお話」すぎます。

また、治療費に関わらず、どんな業界であっても、「先に支払った大金が後から返ってくる」可能性は普通ありません。そんなうまい話はないのが現実です。

そして人間の体の治療にかかる「時間」も、万人共通で相場は決まっています。

例えば、歯の矯正は、最大でも1ヶ月に1ミリ程度以下しか歯は動きません。ですので、歯の矯正は3年~5年と相場が決まっています。

それを数ヶ月とか1年以内に終わる、とか、マウスピースで簡単に矯正できる、と短期や簡単さをうたっている歯科医がいたら、疑ってかかるほうがよいでしょう。

まとめ「安・近・短」は失敗の元

病院・歯科医選びで失敗する人には、「安・近・短」+「上辺の美しさ」に引っかかってしまっている、という共通点があります。

前述の通りですが、「安・近・短」とは、
  • 安・・・治療費の安さ(ペイバックがありますよ!、など)
  • 近・・・駅前、町の中心部で便利ですよ!など
  • 短・・・治療期間が短く済みますよ!など
です。また、「上辺の美しさ」とは、
  • いかにも女性をターゲットにしたようなホームページの作りや、建物の豪華な内装、医師の美辞麗句など
です。

人間の体というのは、基本的には昔とそれほど変わっていないので、治療にかかる時間も普遍的なものがあります。

例えば、歯の矯正でも、セラミック矯正やマウスピース矯正を避けるだけでも、失敗のリスクを減らすことができます。これらはほとんどの場合、無知な人間(特に女性)をターゲットにした歯科商法です。これまでニュースになるくらい問題になった歯医者・矯正歯科は、だいたいこれに該当します。

セラミック矯正のように、一度削ってしまった自分の歯は、二度と元にもどすことはできません。「安・近・短」にだまされて、セラミック矯正をやって、後悔動画をネットにアップしている女性がとてもたくさんいます。セラミック矯正は、食事の際、「自分の歯ではない感覚」になってしまうので、「食の楽しみ」が一生、失われてしまうという取り返しのつかない後悔を一生、抱えてしまうことになります。

また、マウスピース矯正という簡単なもので矯正できる歯並びは、とても限られています。

急がば回れ、で、矯正なら見栄えが悪くても、王道のワイヤー矯正にしましょう。

歯医者なら、歯を削ることに反対する歯医者(できる限り歯を削らない方法を提案する歯医者)を選びましょう。削ってしまった歯は二度と戻りません。人工的な装着物では、食事の感覚(楽しみ)も失われ、残りの人生が台無しになってしまいます。

かかりつけ医に紹介してもらう

以上、簡単にまとめると「地味な方法(王道な方法)、地味で堅実な歯医者・矯正歯科を選びましょう。」ということです。何事も急がば回れ、です。

もしわからなければ、かかりつけの医師や歯科医に専門医を紹介してもらう、というのも1つの手ではあります。

上記のニュースにもなったような歯医者・矯正歯科でトラブルに遭った人も、以上のような兆候からリスクを避けるチャンスはあったはずです。上っ面の綺麗さや「安近短」を優先する人ほど、ダマされます。

最終的には自分の身は自分で守るしかないのですから、特に自分の体に関することは冒険せず、地味で堅実な方法を選ぶように心掛けると失敗のリスクを軽減することができます。

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