隠れた名機?パナソニック FAX電話機
「おたっくすジュニア VE-GP62DL-S」
「おたっくすジュニア VE-GP62DL-S」
- 固定電話が壊れたので、
- メーカーへ修理に出したものの、生産終了、部品なしで修理不可で返品
- 偶然、電話機本体ではなくACアダプターが故障の原因であることが発覚・・・
した、という体験談です。
固定電話が壊れて修理不能な場合、「本体の故障」ではない場合があるので、諦めて捨ててしまう前に、「ACアダプター」だけ替えれば まだまだ使える可能性があります。どなたかのご参考になれば幸いです。
1.突然、固定電話が壊れた(本体「点滅」)
症状
先日、何の前触れなしに、固定電話が壊れました。触ってもいないのに、突然、本体ディスプレイが点滅し始めたのです。受話器をあげても発信音も鳴りません。通話も不能、ディスプレイも真っ白点滅表示です。子機のほうは問題ないようですが、親機がおかしいので圏外表示となり通話はできません。パナソニック FAX電話機「おたっくすジュニア VE-GP62DL-S」
機種は、パナソニック FAX電話機「おたっくすジュニア VE-GP62DL-S」で、2008年に19,800円(税込)ほどで購入したものです。使用頻度はかなり少なめで、本体については月に1回、触るか触らない程度で、ずっと時間指定で留守電に設定してある「受け専用」状態です。この電話機のカタログ上のうたい文句は、
- 業界初! ディスプレイでファクス内容が確認できる「ファクス受信機能」搭載
(電話機としては業界で初めてファクスを受信可能。コンパクトボディで省スペースに設置でき、FAXをあまり使わない方にもおすすめ) - ファクスや留守番電話をたっぷり残せる「SDメモリーカード対応」
- SDメモリーカードにファクスデータを保存し、パソコンを使ってプリンターで印刷することもできます。
- 迷惑電話の対策(非通知電話、圏外からの電話、公衆電話からの電話を拒否、30件まで任意の番号を着信拒否できる「通話拒否」機能)
- コードレスの子機1台付(増設可能)
というものでした。よくある「通話もできるFAX機(FAX機に電話が付いたもの)」ではなく、「ふつうの固定電話にFAX受信機能が付いている」というものです。
オフィシャル・サイト
パナソニック FAX電話機「おたっくすジュニア VE-GP62DL (VE-GP62-S)」
https://panasonic.jp/phone/p-db/VE-GP62DL.html
(説明書ダウンロードなど)
説明書の114ページの「困ったとき」>「こんなときは」>「正しく操作しても動かない 動作がおかしい」にある、
<親機>ACアダプターを抜き、10秒以上待ってから接続し直してください。に従って、電源(ACアダプター)をコンセントから抜いて、3分後など十分に時間を置いて、指し直してみましたが、何度やっても症状は改善せず、です。
2.メーカーへ修理に出す→「修理不可」
そこでこの電話機を買った家電量販店経由で、メーカー(Panasonic)へ修理に出すことにしました。家電量販店のスタッフいわく、本来この症状の場合は、有料修理で14000円~になるらしいのですが、この電話機に関しては、2008年製で生産終了してから相当年数も経過しており、メーカーにもおそらく部品のストックもないので、メーカーに送っても「修理不可」で送り返されることでしょう(その場合は無料)。とのことでしたが、ダメ元でメーカーに送ってもらうことにしました。
買い換えた方がいいのでは?
しかし案の定、その5日後に、メーカーから「修理不可」との解答が返ってくる結果となりました。
3.同じ機種(中古品)を仕入れた結果・・・故障原因判明
買い替えも検討しましたが、- 固定電話自体ほとんど使わないので、買い換えるのはもったいない
- FAXは万が一の時だけSDカードで受信できればOK。FAX印刷、送信機能は不要。
- 同じ大きさ、機能の後継新機種がない(SDカードでFAX受信できる他機種はあるが、サイズが2倍以上大きいし、3万円程度以上で高い。)
このパナソニック FAX電話機「おたっくすジュニア VE-GP62DL-S」は、ふつうの固定電話機のサイズで、FAXを受信でき、画面で受信FAXを確認可能、SDカードに移すことも可能、という、FAXをほとんど使わないユーザーにはうってつけの機種です。
・・・等の理由で、同機種の中古品を仕入れることにしました。
ちょうどネットオークションで同機種中古品が1500円~で出品されていたので、落札して入手しました。この機種は人気らしく、過去のネット転売履歴はすべて完売。中古品で状態が良い物は、だいたい5000円前後が相場のようです。
偶然にも故障原因を発見
ネットオークションで落札した同じ機種の中古品が届き、モノグサなので、これまでの仕様環境(接続環境)のまま、電話機本体のみを入れ替えてみました。そうすると、新たに届いた、故障していないはずの電話機本体も、前機種と同じ点滅症状が現れるではありませんか。
となると、故障原因は電話機本体ではない、ということになります。
ACアダプターのみを交換してみた
そこで、今度は電話機本体は古いもののままで、ACアダプターのみ、今回ネットオークションで仕入れたものに交換してみたところ、古いほうの電話機は、正常に作動しました(そもそも電話機本体は故障していなかったことが発覚しました)。故障原因は電話機本体ではなく、ACアダプターであることが確定しました。
メーカー(パナソニック)に修理に出しても、門前払いで、こういうチェックさえもやってくれないんですね。
ですので、この電話機「おたっくすジュニア VE-GP62DL-S」に限らず、電話機本体が故障かな?と思ったら、本体ではなく、ACアダプターに原因がある場合もあるので、ACアダプターのみ仕入れることができたら、安上がりで済みます。
ACアダプターは純正品を2000~3000円程度でネットでも手に入れることができます。または、(これはメーカーは推奨しない自己責任の範ちゅうとなりますが)同じ規格のACアダプターを仕入れて代用する、という代替手段もあります。
ACアダプターに脆弱性あり(中国製の欠陥品?)
このパナソニックの電話機を評判をネットでさぐってみたところ、どうやら同様の症状に見舞われた人が少なからずいるようで、以下のような商品レビューが散見します。おたっくすジュニア VE-GP62DL
1.この間まで使えていたのに親機の液晶やボタンが点滅して使えなくなりました。子機は圏外になっています。何が原因なのでしょうか?修理に出す必要ありますか?
2.同じ現象が起きました。この機種はちょっと問題が多いです。
https://bbs.kakaku.com/bbs/20791010211/SortID=13835638/
この方々は、もしかしたら電話機本体の故障だと思って、早々に電話機を捨ててしまったのかもしれません。故障の原因がACアダプターにあることに気づいた人はいないようです。電話機本体は優秀なので、もったいない話です。
このACアダプターを分解してみた猛者のヒント
唯一、ヒントになるような以下のような情報がネット上にありました。この方は故障の症状が出たので、ご自分でこのACアダプターを分解してみたとのことで、内部のコンデンサに問題があると指摘されています。panaのACアダプターとゴミ電解
Panasonic KPE PFAP1019JP
おたっくすジュニアといいますか、VE-GP62というFAXが画面で受信できるやつなんですが、呼び出し音が鳴ると気絶して再起動するようになってしまいました。明らかに電源がへたっている症状であります。
なんとあろう事か、パナのACアダプターにニチケミまがいの色の無名の電解Baiyangなんて聞いてこともない。
天下の松下が、こんなゴミコンデンサをACアダプターに仕込んで世の中にばらまいてはいけません。現品は2008年1月製ですが、ACアダプターが在庫切れになっているところをみると5年6年目で相当数故障しているのではないですかね。
2014/12/05
http://narc.way-nifty.com/boyaki2005/2014/12/panaac-b2f4.html
この製品について、とても的を得た、ごもっともなご意見がブログに書かれていました。原因はここにありそうです。
本体はマレーシア製、ACアダプターは中国製
このパナソニックのFAX電話機「おたっくすジュニア VE-GP62DL-S」は、- 電話機本体 は マレーシア製
- ACアダプター は 中国製
なので、MADE IN CHINA の部分に脆弱性(欠陥パーツを使用)があったと言えるのかもしれません。
※このACアダプターの表記
Panasonic
ACアダプター
品番 PFAP1019JP
PCCP
入力 AC100V 0.2A 50/60Hz
出力 DC6.5V 1.0A
お願い:屋内で使用してください。指定の機器以外に使用しないでください。
パナソニック コミュニケーションズ株式会社
中国製
Panasonic
ACアダプター
品番 PFAP1019JP
PCCP
入力 AC100V 0.2A 50/60Hz
出力 DC6.5V 1.0A
お願い:屋内で使用してください。指定の機器以外に使用しないでください。
パナソニック コミュニケーションズ株式会社
中国製
電話機本体は隙間のニーズを埋め合わせてくれる、唯一無比の性能で優秀なので、ACアダプターにさえ欠陥がなければ、ロングセラーになっていたかもしれません。
日本はせっかく高度経済成長して現在の地位にたどり着いたにも関わらず、この20~30年の間、日本のメーカーも海外に生産拠点を移転してしまったことで、一流ブランドであっても、海外の工場でこうした不良品を作ってしまうリスクが増大し、築き上げた日本ブランドの信頼を失う結果を招いてしまったように感じます。
何よりも日本国内における産業の空洞化は、(例えば半導体不足など)コロナ禍により、国防のリスクであることを露呈しました。
このパナソニックの電話機に限らず、お手持ちの古い生産終了・修理対象外の電化製品で「故障かな?」と思ったら、本体ではなく、ACアダプターのほうに故障原因がある場合があるので、捨てる前に、ダメ元で「ACアダプターだけ交換してみる」などの「悪あがき」をしてみることをおススメします。そうすれば、数少なくなってきた日本のメーカーの貴重な家電製品を延命させてあげることができるかもしれません。